「iṣṣūru rabiu」[MUŠEN.GAL](大鳥)は、「duck, goose, gander」の意。
又…「uz」(duck)>「ūsu」[UZ.MUŠEN](goose)>【ܘܲܙܵܐ】(wazzā、17)。
辞書により、「uz」(domestic goose or duck)。「duck」と「goose」は同類。
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・英語の「duck」……「カモ」、「アヒル」、その肉
・英語の「goose」……「鵞鳥」、「鵞鳥」、その肉
・英語の「wild goose」……「カリ」、「雁」
・漢字の「鴨」……「カモ」、「アヒル」(=カモを飼い慣らしたもの)
・漢字の「鵝」……「鵞鳥」(=雁を飼い慣らしたもの)、「雁」の類
漢字と英語の対応においては、「鴨」(duck)と「鵝」(goose)であって、
区別できる。しかし、【WZA】(goose、17)は、そもそも「uz」(duck)だ。
且つ、「鴨」も、「鵝」も、「iṣṣūru rabiu」[MUŠEN.GAL](大鳥)、であり,
メソポタミアでは、「鴨」(duck)&「鵝」(goose)は、同じカテゴリーの鳥。
固有名詞に、アッカド語やシュメール語が頻出する古事記においては,
一度の登場の「鴨」(つまり鴨君)、と、一度の登場の「biqnu」(鵝皮)は、
同じ「iṣṣūru rabiu」[MUŠEN.GAL](大鳥)として、通底するものである。
#どちらにせよ、一つの可能性として、「加理」(雁)の淵源は、
#[MUŠEN.GAL](大鳥)の[GAL](大)である。でなければ,
#「平群」(ヘグリ)の如く、「雁」(ガン)>「加理」かも知れない。
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ちなみに、「鴨」の典型的な意匠である「鴨脚」(銀杏)は、
「公孫樹」である。故に、「鴨氏」と「公孫氏」は、通底する。
又、「少名毘古那」が「常世」に行った後、その代役として,
「光海依来之神」が登場する。この神が、「大年神」である。
その「大物主大神」の孫が、「神君・鴨君」である。そのとき、
「公孫」の「公」も、「鈆」(土星)=「土公神」を表す点に注意。
「πάπια」(鴨、172)、【OLMA】(久延、172)=「土星」に。