ソグド語の「西」を意味する言葉に、「nišm」(west)がある。(※「nišmē」の場合あり)
子音語尾が落ちて、「ニシ」になった、という可能性もある。
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今回は、もう一つ。二語構成の「cāδar krān」(west)を検討する。
最初の「cāδar」(under, below)は、要するに、「下」の意味である。
問題となるのは、後半の「krān」(pure)だ。この後半の言葉を検討。
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ここで大事なのは、ソグド語の「karnā」(horn)=「角」である。
綴りが[qrn ']であることから分かる通り、セム語からの借用。
【QRNA】(horn、562)>「karnā」(horn)だ。ここを押さえたい。(※【QRN】(horn、560)の形も有る)
次に、「krān」(pure)だが、綴りの[kr 'n]、ないしは[kr ''n]は、
[qr 'n]の場合もある。ここで、「讃、珍、済、興、武」の「済」が、(※「済」の字義に注意)
【角】(Spica)に当たる点に鑑み、「karnā」(horn)と同根だろう。
然るに、聖書における「角」と「光」の訳し間違いの話が有る。
【QRN】(560)は、「角」(horn)か、「光」(ray)か、分からない。
してみると…「krān」(pure)は、「光」(ray)に関係しそうだろう。
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ところが…此処で、「zalag」[UD](pure)は、「光」(light)の意味、
「光り輝く」(shine)の意味を持つ。実は、もともと「krān」(pure)は、
「光」(light)を含意するのだ。その場合、「krān」(pure)に関しても、
やはり、「角」や「光」を意味するセム系の【QRN】(560)の借用語。
そう考えざるを得ない。此処まで来れば、「cāδar krān」(west)が、
「下光比売」(下照比売)の「下光」の意味を持つ言葉と分かるはず。
「cāδar krān」(下照)という言葉が、「西」(west)を意味するわけだ。(※ソグディアナ界隈で)
#翻って言えば、「下光比売」(下照比売)において、実のところ、
#「下光」(下照)は、「šitaddaru」[SIPA.ZI.AN.NA](参)を表し、
#しかも、【MORBA】(西、435)や【YWRQA】(nisi、529)を表し、(※「西」は十二支の「鴨」)
#「三勾」と「鴨」を結びつけている。そのように結論できるはずだ。