>其の隠り立てる手力男神、其の御手を取りて引き出づるに、(…以下略…)
(※古事記上巻より)
さてさて、「建御雷」の「御手」を取るのは、「建御名方」である。そして、
「建御名方」の「手」を取るのは、「建御雷」である。「力競」の場面だが、(※「手力」を競べる)
まさしく此処で、「šanānu」(compete)する様子が記述される。とすれば、
「天照」の「御手」を取る「手力男神」も、「šanānu」(compete)を含意する。
#ということで、後段の「手力男神者、坐佐那那県也」は、
#第一に、「佐那那」=「šanānu」(競)、と見るべきである。
* * *
以上を踏まえて、「建御雷」が、自らの「御手」を「建御名方」に取らしむ場面を、(※「しむ」は後述する)
もう一度、詳細に見てみよう。古事記の本文は、次のようになっている。ここで、
常に「šanānu」(compete)という言葉が鳴り響いていることに注目して頂きたい。
>如此白之間、其建御名方神、千引石擎手末而来言、
>「誰来我国而、忍々如此物言。然、欲為力競。故、我先欲取其御手」。
>故、令取其御手者、即取成立氷、亦取成剣刃。故尓、懼而退居。
(※古事記上巻より)
要するに…「šanānu」(力競)している場面で、「建御雷」が「御手」を取らしむ。
すると、その「御手」が、「立氷」のようだった。「剣刃」のようだった。それゆえ、
取ることが出来なかった。ここに、【ΣNNA D・XRBA】(sword's point、841)、
「剣の刃」が在る。触れること能わない、【ΣNNA D・XRBA】(剣の刃、841)。
これこそ、「エデンの園」の東に置かれた【ΣNNA D・XRBA】(剣の炎、841)。
そういう訳だから、「šanānu」(力競)>【ΣNNA】(刃、522)、と考えるべきだろう.
無論、「立氷」とも言われる「剣刃」の神格化が、「建御雷」(thunderbolt)、である。
「所隠立之手力男神」が、「忍々如此物言」の「建御雷」に呼応する点に注意せよ。(※「冷静なる者」だ)
そして、【ΣNNA】(刃、522)が、【ΣNA】(歯、462)の派生語という点にも要注意。