「ḫaḫḫūru」(raven)は、転じて「spy」の意味を持つ。「dāgilu」(spy)である。
然るに、「多紀理毘売」の子である「阿遅鉏高日子根」は、「迦毛大御神」。
他方、「賀茂」の一つの系統は、「八咫烏」を祖神とする。以上に鑑みれば、
「多紀理」は、少なくとも、「dāgilu」(spy)を表し、ゆえに、「uga」(烏)を含意。
* * *
>意味において、「άρακος 」(隼、392)は、「ίραξ」(隼、171)である。一方、(※単なる異形)
>【OWRBA】(烏、392)~「karašu」(胃)~【ASΘWMKA】(胃、171)と連結する。
>したがって、やはり、「烏」(カラス)それ自体も、【胃】=「長息」(嘆き)を含意する。
(※前々項“「烏」に関するゲマトリア”より)
ところが、「άρακος 」(隼、392)は、【OWRBA】(烏、392)に重なる。
他方、「隼人」(ハヤと)は、「hayyāṭu」(spy)に掛かる。つまり、どうしても、
「隼人」(ハヤと)は、【OWRBA】(烏、392)を含意。更には、「速総別」は、(※日本書紀では「隼別」)
「女鳥」と共に逃げる。「比布礼能意富美──矢河枝比売──女鳥」だが、
その「比布礼」は、子音だけ見れば、「ḫaḫḫūru」(raven)に重なるのである。
#ここで注意すべきは、「隼人阿多君」だろう。「隼人」(ハヤと)が、(※「火照」(海佐知毘古)の子孫)
#【OWRBA】(烏、392)を含意する以上、やはり「隼人阿多君」は、
#「八咫烏」に直結する。このことを、まずは記憶に留めておきたい。