昨日無事に退院しました。私の血圧も安定し、赤ちゃんも元気なので自宅でお産を待つことになりました。


入院した日は母の日でした。


小6の息子はずっと家にいますが、自分の部屋の片付けができなくて新しい教科書もそこらじゅうに散らかっていました。


片付けができない理由のひとつは、ものが多すぎるから。
必要度での選別、物の居場所が固定されていないから。


息子に過去はおもちゃ、現在はマンガをたくさん買い与えている夫に片付けはいつも一緒にしてもらっていましたが、今回はなかなか片付けられませんでした。


GWも終わり、全く片付いていない勉強机に工作の道具を広げて、敷きっぱなしの布団の上で勉強している姿を見て、もう夫には任せていられないと息子に片付けするよう言いました。


工作の道具を一度しまって、勉強できるようにしなさいと。


工作の道具を置く場所もなかったので、とりあえずレジ袋につっこませました。


すると山の下から6年生で使う学校の教科書やドリルが出てきました。


教科書の置場所をたずねると、「床に置いてある靴が入っていた箱の上」との返事。


そこには他の教科書はありません。


箱も他のものに紛れていて、置いてあるというより捨ててあるという印象。


勉強机の本棚にはなぜかマンガが並んでいました。
それはずっと気になっていて、夫と息子に場所を変えた方がいいと言ってきました。が、変わりませんでした。


私が、「教科書は手に取りやすくしまいやすい場所を決めて立てておくほうがいい。この本棚を教科書を置くように変えて。マンガは別の場所を考えてそちらに移すように」という内容を何度も、表現を変えて、言い聞かせました。


息子はイヤなことは絶対にしません。なんと言われても動かないときもあります。時間をかけて言い続けて本当にしぶしぶ、最低限の行動だけするときもあります。(例えばものを片付けるよう言ったとき、具体的に名前を言ったものだけしぶしぶ片付けてその場から逃げる)


その日はマンガを勉強机の棚からどかすことを頑なに拒否しました。
教科書は床に置く。マンガは動かさないと。


教科書や塾のテキストをなくして探し回ることが何度かありました。そのことを言うと、置場所を決めることは納得するのです。


でもマンガは動かさない。


私も今折れたらずっと状況が変わらないと思い必死です。


机の前と横に立って、10分は意見を言い合いました。


一時的に動かして、マンガを置く場所を新しく決めたらそこに動かせばいいと言っても聞かない。
マンガを置く場所は作らないとありませんでした。


あまりに話が噛み合わずイライラしすぎて、何度も声をかけた上で私がマンガを動かそうと数冊触ったとき、息子が殴りかかってきました。


隣の部屋にいた夫が飛んできて息子を止めました。


私は夫といた娘と2人で隣の寝室に逃げ込みました。あまり覚えていませんが、殴られる前に逃げたと思います。


体重110キロの夫が必死で止めても、息子は私たちがいる部屋のドアに近づいてきているようでした。


結局ドアが開くことはなく、数分の夫の説得ののちに息子は自室で夫と一緒に片付けを始めました。


これまでも覚えているだけで3回、私は息子に暴力を振るわれています。


息子が話し合い拒否からの、私が強行手段に出て息子がキレるというパターンです。


顔を殴られてメガネが壊れたこともありました。


私が持っていたグラスを奪われ叩き割られたこともありました。


後からそのときのことを息子にきくと、反省した悪かったもうしないと謝ります。


夫は母親を殴る小学生の息子を殴りません。


言い聞かせて終わります。息子は数ヶ月おとなしいですが、また些細なことでキレます。


反抗期ではないと思います。
自分の間違った意見が受け入れられないときに、私より力が強いとわかっているから暴力を振るうんです。


夫が言い聞かせても、私がいろんな伝え方で言っても、どうしても衝動性が抑えられません。


夫は私が息子を叩いたりして育ててきたせいだと思っています。私に暴力を振るうことはよくないと息子に言いますが、私のことも悪いと思っているので甘いです。


入院してすぐ血圧が下がり、赤ちゃんも元気でした。
入院したのはこの事件の1時間後くらいのタイミングでした。


原因はストレス。今はそう思います。もしかしたら殴られたか逃げるときにお腹に違和感を感じて心配だったのかもしれません。


昨日退院して家に着き、息子が何事もなかったように昼食の話をしてきたとき、私は静かに話し始めました。


・どうして殴りかかったか
・話し合いで済ませられないのはどうしてか
・これからどうやって暴力を止めるか


息子はこう言いました。
・マンガを捨てろと言われていると思った
・話し合いを拒否したつもりはない
・暴力は使わないと思って生活する。今までもそう思ってきた


退院したら部屋は片付いていました。マンガはとりあえずダンボール箱に入れたそうです。


「ずっとできなかった片付けができたのは何でだと思う?片付けの方法をお母さんが言ったから、そうできて片付いたと思うけど違うの?これまでと今の物の配置はどちらが片付けしやすい?」


変わらない。


「どちらが探しやすいか、どちらが勉強しやすいか、どちらか選ぶとすると?」


……今。


「こうできたのには理由がある。片付けの方法をあなたは知らない。お父さんは片付けろと言うだけで方法は言わない。お母さんはあなたと話し合って片付けやすい工夫をしたい。

そういう提案は、今までも昨日も衝突につながった。これからも私からの意見は聞かずに生活したいのか、自分のスタイルを変える意見を出されてもアドバイスを聞きたいか、自分で選びなさい」


……言ってほしい。


「それなら、話し合いに参加しなさい。意見を出さない、行動もしないことは不参加ということ。

ここから大切な話。これまでも何度もお母さんを殴っているけど、今日はっきり言う。これ以上殴るならお母さんはあなたと一緒に住めない。

暴力で解決を目指すことは絶対にしてはいけない。

昨日もしお母さんがお腹を殴られていて、あなたの弟がお腹の中で死んでしまったらどうなっていたか想像して」


……わからない。


「昨日はお母さんが家に電話して『大丈夫だった』と言ったけど、もし赤ちゃんが亡くなっていたらお医者さんから電話が来た。
今日は亡くなった赤ちゃんがうまれたかもしれない。
お父さんは泣いていると思う。あなたは昨日眠れたと思うか?食事できたと思うか?」


できたと思う。


「もしそうなったら、お母さんはこの家にはいられないかもしれない。家族は今と同じようにはいかない。お父さんと離婚するかもしれない。
あなたは人を殺してしまった子供ということになる。裁判や刑務所(実際は違うとわかっていますがわかりやすく言いました)という話になる。

暴力を振るうことはそういうこと。
でもそれ以上に、自分が他の人を傷つけた、命を奪ったという罪を一生背負うことになる。これはどんな大人でも耐えられない苦しみ。そうなってからでは絶対に遅い。

これから赤ちゃんも産まれる。妹もまだ小さい。お母さんはあなたの暴力が止まらないなら一緒には住めない」


ここまで言ってやっと息子は泣きました。


次は、これから夫をやっつけます。


嘘です。ちゃんと息子を叱れるようになってもらいます。


そして息子の部屋を片付けます。


どうしたらいいか悩みますが、手探りでもできることをして前に進んでいくしかない。
今日はまず、一緒に片付けをします。