(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ウェイン&ラニー クリスマスを守れ!
(原題:Prep & Landing)
2009年
監督
ケヴィン・ディーターズ
スティービー・ワーマーズ
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(原題:Prep & Landing)
2009年
監督
ケヴィン・ディーターズ
スティービー・ワーマーズ
はいどうも。
今回は動画配信サービス【ディズニープラス】のオリジナル映画を一本語っていきたいと思います。
ディズニーは昨今この【ディズニープラス】にとても力を入れている事はファンの方ならご存知でしょう。ディズニー及び他社制作の往年の名作映画・テレビ作品に留まらず、最新映画の劇場同時配信や人気作品の独占配信等、非常に多方面のコンテンツを打ち出しています。
ディズニープラスでしか観ることのできないオリジナル作品も多く、その中には人気作品の続編やリブートも多数存在します。
「ピーター・パン」や「ピノキオ」の実写版、「魔法にかけられて」「チップとデールの大作戦」の続編などはファンを大いに喜ばせました。
今回語っていくのもそんな【新作を待つ声が多数あがっていながらもこれまでなかなか実現の日の目を見れず、、ディズニープラスでようやく実現した】作品の一つです。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2015年にディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーとして公開され大ヒットを記録したテレビ映画「ディセンダント」シリーズの約5年ぶりとなる最新作。
テレビ発であった前三作とは違いディズニープラスオリジナル作品として2024年7月に独占配信にて公開されました。
歴代ディズニー映画やおとぎ話のヴィランズの子孫達を主役とした、ダンスミュージカルとおとぎファンタジーを組み合わせた青春ミュージカルファンタジー映画の長編第四弾。
前作「ディセンダント3」から数年後のオラドン王国が舞台となっており、今回から主要キャスト・スタッフを大幅に一新。これまでと地続きではありながらも全く新しい物語が展開されていきます。
〈制作スタッフ〉
監督を務めたのはジェニファー・ファン。「アドバンテイジャス/アドバンテージ 母がくれたもの」等を手掛けた事でも知られています。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マル達の尽力でロスト島が解放されてから数年の月日が流れた…。
他国と同盟を結ぶため旅にでたマル達に代わって国を導く為、オラドン高校の新校長として元ヴィランのウーマが就任する。
ウーマは就任早々これまで敵国とされてきた「ワンダーランド」の子供を受け入れる事を宣言。
ワンダーランドを治める暴君・ハートの女王の娘レッドへ招待状を送付する。
隔離された地下王国ワンダーランド。
そこではレッドが恐怖と権力で強引に国を治める母親のやり方に反感を抱き、独り密かな抵抗を繰り返していた…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
重ねてにはなりますが未見の方はネタバレにご注意下さい。
まず…約5年の歳月を経て「ディセンダント」という世界を繋いでくれた事に心から感謝です。
マル達は登場しませんが…彼女達や…カルロスが生きたディセンダントの世界がしっかりそこに存在していました。
マルと敵対していたウーマがその意思を継いで校長となり、ヴィランを敵視していたフェアリー・ゴッドマザーが学校をウーマに託す…。
そして二人はカルロスに思いを馳せる。。
この冒頭だけで「ありがとう」という気持ちになったファンは多かったでしょうし、自分もそうでした。
ただ…肝心のその内容に関しては…
愛情と敬意と期待を込めて敢えて言うとするなら…
「前シリーズには遠く及ばない」
……ですかね。
ヴィジュアル、音楽、ミュージカルパフォーマンス、キャスティングと演技等…良い部分も沢山ありますが…
肝である脚本と全体構成に関しては全体的にかなり粗さが目立ちます。
どうやら続編制作を見越した展開であることは分かりますが…それにしても大人気シリーズ待望の続編、そして大事な新章の導入作としてもう少し丁寧に練り上げて欲しかったというのが正直な一番の感想ですね。
【ディセンダントの世界ははまだまだ健在だよ!】という点と【前シリーズとは一味違うテイストになるよ!】という点…この2つの世間やファンへのアピールとしては充分な内容と結果だったとは思いますが……。
雰囲気だけで終わってしまった感が強いのは…ディティールやヴィジュアル等ガワの部分が非常に魅力的なだけに…ちょっとやっぱり残念でした。
まずは冒頭のワンダーランドから始まり過去のマーリン高校、エラの家、ウリアナの隠れ家などの各舞台…そして各キャラクター衣装等のディティールの完成度の高さが本当に見事です。
それらの色鮮やかさを巧みに活用した演出やミュージカルシーンも非常に華やかで見応えがあり、前シリーズともまた一味違うビビッドな世界観の形成に大きく貢献していましたね。
楽曲達も非常にバラエティ豊かな多ジャンルを取り入れつつキャッチーな物が多く…取っつきやすい良曲が揃っていました。
キャスティング面では公開前から話題になっていた97年版のシンデレラをカムバックさせるまさかのクロスオーバーサプライズを筆頭に……絶妙な配役具合だったと思います。
特にハートの女王役のリタ・オラやウリアナ役のダラ・レネー等はホントにハマり役だし演技もすごく良くて…もっと観ていたかったくらいでした。
ブランディの内に何かを秘めた感じのシンデレラやパオロの何処か無邪気さを感じる王子も97年版から変わってなくて…感慨深かったですね。
ハデスとマレフィセントは【しっかり恋愛婚だったんだね!】と驚くほどのラブラブっぷりだし、マーリンに合わせたのかなんとモルガナの息子がまさかの登場!これは驚きましたね。
モチーフが2010年の映画「魔法使いの弟子」なのか単なる「アーサー王伝説」からなのかは不明ですが、、これまでの登場キャラクターはほぼ全てディズニーベースである事を考えると…ディセンダント恐るべしですねw
それと97年版シンデレラカップルによる「So This Is Love」は凄く感慨深かったし…チラチラ97年版を意識した演出や描写もありましたね。
他にもシンデレラのあの息子に対しての言及もちゃんとあったり、アラジンとジャスミンがカメオ出演していたり…隅々まで見たくなる遊び心は流石でした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初に綴ったように兎に角ディセンダントの世界を繋いでくれた事…その先を魅せてくれた事…そして、、ディセンダントの世界としてカルロスを弔ってくれた事…。
その事に心から感謝です。
そしてその上で…果敢に新しい事に挑戦している事。新たな魅力を創り上げようとしている事にも心から敬意を表したいです。
魅力的なキャラクター…。
完成度の高い音楽とダンスミュージカル…。
鮮やかなデザイン…。
ヴィランとその子孫の物語り…。
若いキャスト達の熱演…。
メインキャストは違えど紛れもなくあのディセンダントが帰ってきています。
それと…やはり97年版のシンデレラに今一度光を当ててくれた事にも…やはり感謝したいですね。
きっとホイットニー・ヒューストンも喜んでいる事でしょう。
一本の作品として観ると…トータルでは決してお世辞にも良くできた作品とは言えないというのが率直な所ではありますが…。
一部で考察されている通り、あれやこれやがもし本当に続編へ向けた布石だとしたら…まだまだこれからどう化けるか未知数な部分もありますしね。
今後が楽しみですし…ディセンダントの「今後が楽しみ」とまた思わせてくれた事が素直に嬉しい……
……自分はそんな感じでしたね♪
……甘いですかね?
…ちょっと自覚ありますw
「ディセンダント ライズ・オブ・レッド」は現在ディズニープラスで配信中です♪
キャスト違うんでしょ〜……とかそういう理由で嫌遠されている方は、是非とも一度ご自身の目と耳と感覚でご覧になってみて下さいませ♪
はいどおも。
さて、今回も恒例のディズニーアニメーション映画史。時代は輝かしい黄金期・ディズニールネサンスと言われた1990年代を終えて【ディズニー第3の暗黒期】とも言われている2000年代の真っ只中です。
前作の「ブラザー・ベア」は今はなきフロリダのアニメーションスタジオが閉鎖の直前に生み出した傑作でしたが大ヒットには至らず、伝統ある2Dアニメーションの廃止とフルCG主流の映画制作への直行していく時代の流れを止める事はできませんでした。
そしていよいよディズニーは2004年手描き2D映画から撤退する事とフルCG映画制作への完全移行を正式にアナウンス。
これはアニメーション業界のみならず映画業界全体を揺るがすビッグニュースとなりました。
そんな状況の中公開されたのが、、ディズニー伝統の手描き2Dアニメーション最終作(当時)となるこちらの作品でした。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(原題:Home on the Range)
2004年
監督
ウィル・フィン
ジョン・サンフォード
ウォルトディズニーアニメーションスタジオ45作目の長編アニメーション。
2009年に「プリンセスと魔法のキス」で一時的なな復活を果たすまで「ディズニースタジオ最後の2Dアニメーション長編作品」…とされていた一本です。
原作のないオリジナルストーリーで、西部開拓時代を舞台に、農場を奪われた牛達と牛泥棒の闘いを描いたウエスタンアクションコメディとなっています。
タイトルは同名の有名なカウボーイ・ソングから名付けられました。
元々は「ポカホンタス」公開前の1990年代から素案が挙げられていた作品で、水面下で何度も制作と頓挫を繰り返しながら少しずつ形成されていったディズニーの長期プロジェクトの一つでした。
その間に制作陣も変更や改変が幾度に渡り行われましたが…
最終的に監督を務めたのはドリームワークスからの出戻り組であるウィル・フィンとジョン・サンフォード。
発案と草案はポカホンタスの監督で知られるマイク・ガブリエル。中心となり作品をまとめたのは「リロ・アンド・スティッチ2」の監督であるマイケル・ラバッシュでした。
音楽は「ヘラクレス」以来7年ぶりのディズニー作品参加となるアラン・メンケン。今作は彼の2000年代唯一のディズニー作品となっています。
主役の雌牛・マギー役を演じたのはテレビドラマシリーズ「ロザンヌ」でも知られるロザンヌ・バー。日本語版は津田真澄さん。
ミセス・キャロウェイ役にはオスカー女優であるジュディ・デンチ。日本語版は谷育子さん。
グレイス役にモンスターズ・インクシリーズのセリア役でも知られるジェニファー・ティリー。日本語版は高乃麗さん。
ヒーローに憧れる馬・バック役をアメリカン・クライム・ストーリー「O・J・シンプソン事件」で主演を務めた事などでも話題になったキューバ・グッディング・ジュニアが担当。日本語版は森川智之さん。
ヴィランのアラメダ・スリム役を演じたのは「インデペンデンス・デイ」等多数の有名作品でも活躍する俳優ランディ・クエイド。日本語版は大川透さん。
日米共に玄人好みとも言える実力派キャストが顔を揃えています。
【ディズニーの2Dアニメーション撤退】の真実味を帯びた噂が巷を騒がせる最中での公開となった今作。
興行収入面では[ほぼ赤字に近い]非常に厳しい結果となってしまい…日本では何と劇場公開すら見送りとなってしまいま
す。
評価面でも「テーマ性やメッセージ性に固執しない原点回帰的おもしろさ」が好評を獲るもののトータルでは辛口な反応が目立ち…大きな注目を浴びることはありませんでした。
日本ではビデオスルーにて翌年リリースは行われたものの、本国以上に話題になる事はなく…認知度を全く上げられないまま流れてしまう…という散々な結果に。。
最後の2Dアニメというメモリアルな側面を内包していたにも関わらず、全体的に悲しいほど不遇の末路を辿る形となってしまった「ホーム・オン・ザ・レンジ」…。
現在でもその存在すら知らない人もまだまだ多く、数あるディズニー作品の中でもトップクラスにマイナーな立ち位置の映画…というパブリックイメージは払拭できていません。
しかし…そのどこかノスタルジックなストーリー・演出・キャラクター性…アラン・メンケンによる秀逸な音楽や原点回帰的カートゥーン調コメディは一部のディズニーアニメーションファンから熱心な支持を常に集め続けている他、、2010年代後半辺りからは一般評価も上昇傾向にあるなど……その完成度の高さに改めて少しずつスポットが当たりはじめています。
公開直後特にアメリカでは一時「コルドロン」等と並ぶ大失敗作とまで囁かれながら、、ここに来て再評価の流れに確実に乗っているという…ある意味で非常に稀有な作品でもあります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昔々のアメリカ西部。
マギーという名の雌牛は今正に我が家を失おうとしていた。彼女の居た牧場はアラメダ・スリムという大悪党に牛を全て盗まれ破産に追い込まれたのだ。牧場は競売にかけられ、ただ一頭残ったマギーはパールという女性が営む「楽園農場」に引き取られる事に。
最初はマギーを警戒した先住動物達も彼女の明るさやユーモアに惹かれ、心を許していく。
しかしリーダー格である雌牛ミセス・キャロウェイだけは彼女への警戒を解こうとはしなかった。
そんな時…ついに楽園農場にも破産の危機が訪れる。昨今相次ぐ農場や牧場の破産に危機感を持った銀行が、支払いを急激に急かしてきたのだ。
期限内に750ドルを支払わなければ競売にかけられる事が決まった楽園農場を救うため、マギーはミセス・キャロウェイ、グレイスと共に金策の為旅に出る事を決意する。
こうして…雌牛3頭による奇妙な大冒険は幕を開けたのだった…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
色々な意味で…当時のディズニースタジオの状況や背景がそのまま作品に出ちゃってる感じはしますね。
培ってきた伝統とノウハウを活かした安定の2Dアニメーション。
昨今主流のメッセージ性やテーマ性よりも【観たあとに何も残らない】子供も楽しめるファミリーエンタメ性に大きく振り切った作り。
賑やかで個性的なキャラクター。
圧巻のコメディ力。
アラン・メンケンによるポップで印象的な音楽達…。
この辺りは本当に文句なしに素晴らしいです。
なんか辛辣な書き出しになっちゃいましたが…この作品…古き良きディズニーのエンターテインメント映画として観ると、悪い所が見つからないくらいホントに完成度の高い作品だと思います。
多様なアイコンのキャラクター性を用意してぶつけるカラフルギャグが主軸を引っ張るという…昔ながらの短編作品のような王道の展開。
特に序盤の酒場のシーンのドタバタギャグとかはちょっともう圧巻の素晴らしさです。
メチャメチャ面白いんですけど…それを超越して見惚れてしまいます。
各キャラクターの個性付けも強いんだけど…決してうるさすぎない絶妙なバランスでストーリーと上手く溶け合っています。
西部劇を舞台にしているのも良いアクセントになっていて、構成も実は無駄がありそうでなくて、小山やコメディで観客を飽きさせない工夫もしっかりなされています。
単純な物語ながら…演出と魅せ方でそれを感じさせずしっかり起伏を付けているのも流石だなぁと思いました。
個人的にはピクサーよりも本家ディズニーが勝っていると感じる部分の一つが…この全体構成の旨さなんですよね。
一本の映画の中に必ずある【中だるみ】を回避する術を知ってるんですよ。
それはすなわち一本の映画の中で子供を飽きさせない術ですよね。
オタク心をあまりくすぐらないんでしょうね。それは絶対そうなんです。
そしてこのタイミングで、、ディズニー2Dアニメーション最終作という重荷を背負わされてしまったというのも酷な話だとは思います。
全体的には間違いなく完成度の高いザ・ディズニー・コメディとして秀逸に仕上がっているとも思います。
ただ…それにしても…この作品には決定的な「何かが足りない」というのはどうしても確かです。伝統のディズニーアニメーション45作目の作品として。
思うにその一番は…「向上心」なのかな…と。無難な作品を置きにきてしまった雰囲気が、、なんとなく作品全体から伝わるんですよね。
ビデオスルーの判断をした日本側の判断は、正直正解だったかなと思います。
それでも自分は「子供に見せるオススメのディズニー映画は」と言われたら、、この作品を真っ先に挙げますね。
コメディカートゥーンとしては本当に良くできた作品なので。
そして公開から20年が経過した今観ると…改めてこの映画の持っている普遍的な面白さと魅力を痛感します。あの頃のディズニーが「手放してしまった」大きな遺産。。
それを…是非とも今作を観て沢山の方に感じて頂きたいですね。
「ホーム・オン・ザ・レンジ にぎやか農場を救え!」は、現在ディズニープラスで配信中です♪
はーい。
ということで今回はこの辺で〜。
お付き合い頂きありがとうございました。
しーゆーねーくすとたーいむ。