はいどうもぉ。
今回はディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの作品について一本語っていきたいと思います。
ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーとはその名の通り衛星放送ディズニーチャンネルのオリジナル作品として制作されたテレビ映画作品郡のことです。
衛星放送専用のオリジナルテレビ用ムービーでありながら非常に凝った作りのハイクオリティな作品も多く、「キャンプ・ロック」や「ディセンダント」等ヒット作も多く排出しています。
その他の配信用や劇場用の作品と違い、衛星テレビシリーズ用ならではのコアでマニアックな作風、もしくはティーンが活躍する青春劇が多いのも大きな特徴です。
ラインナップとしては実写映画が圧倒的に多いのですが、その中でも「キム・ポッシブル」や「フィニアスとファーブ」といった人気アニメーション作品の長編等も制作されています。
実に多作なコンテンツ力が武器で1997年にシリーズが始まってから現在までで実に100を有に越える作品を公開し、コンスタントにヒット作も生み出す、ディズニーのもう一つの作品ラインとして長年秘かに一定の注目を集め続けているパッケージでもあります。
今回語らせていただく作品は、そんなディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの中でも、社会現象と言えるほどの大ブームを巻き起こした空前のNo.1ヒット作の第二弾について語っていきます。
(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240119/08/yuzupill/ce/4f/j/o0760108015391122131.jpg?caw=800)
ハイスクール・ミュージカル2
(原題:High School Musical 2)
2007年
監督
ケニー・オルテガ
データ
ディズニー・チャンネル・オリジナル・ムービーの70作目、ハイスクール・ミュージカルシリーズの2作目として2007年に放送された青春ミュージカル映画。
前作を越える規格外の大ヒットを記録し、ディズニーチャンネル史上最高の視聴者数を記録。この人気を受けて劇場版の制作が決定する等、今シリーズの大ブームを決定付ける作品となりしました。
監督はマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を監督した事でも知られるケニー・オルテガ。
脚本はピーター・バルソッキーニ。
ハイスクール・ミュージカルシリーズの脚本を通して手掛け、今作は彼の出世作となりました。
音楽はデヴィッド・ローレンス。
大人気を博したオリジナル楽曲の制作はマイリー・サイラスやヒラリー・ダフ、さらに日本の倖田來未さんにも楽曲を提供しているソングメイカーのマシュー・ジェラードとディズニー作品の楽曲を多数手掛けているロビー・ネビル。さらにディズニー映画「シュガー・ラッシュ」の楽曲制作でも知られるジェイミー・ヒューストン等が手掛けています。
イースト高校という学校の学生達を主役とした、友情や恋愛に揺れるひと夏の若者達の群像劇を描いた青春ミュージカルムービー。
主役のトロイを演じるのはザック・エフロン。
「グレイテスト・ショーマン」や「ヘアスプレー」等でも知られ、今シリーズが彼の大きな出世作となりました。前作てはミュージカルパートの歌声のみドリュー・シーリーが担当していましたが、今作からはザック本人が歌もこなしています。
ヒロインでありもう一人の主役であるガブリエラ役にはヴァネッサ・ハジェンズ。ザック同様今シリーズをきっかけに大きな躍進を遂げた女優さんです。
2人のライバルとなるシャーペイを演じたのはアシュレイ・ティスデイル。声優として幾つかのディズニーアニメーションにも出演していて、2011年には彼女が主演を務めるスピンオフも公開されました。
さらに、シャーペイの弟ライアン役はルーカス・グラビール。トロイの親友チャド役をコービン・ブルー。ガブリエラの親友となるテイラーをモニーク・コールマン。
いずれも今シリーズをきっかけにブレイクした20歳前後のフレッシュな役者陣で構成されています。
前作の大ヒットを受けた待望の続編ということもあり放送まえから大きな注目を集めた今作。
一作目を越える記録的な視聴者数を叩き出し、現在においても尚【ケーブルテレビ史上最も視聴された映画】という輝かしい記録を保持し続けています。数々の賞も受賞。
サントラも大ヒットし、劇場版の制作も決定。
一作目で巻き起こったブームを大きく後押しする形となり、アメリカを中心にHSM旋風を巻き起こしました。
所謂セックス・ドラッグ・ヴァイオレンスを徹底排除したフルクリーンな青春劇、そしてCGを使わないファンタジー抜きのガチミュージカルでもある今シリーズ。
このような作品はこれまでもテレビを中心に制作されてはいましたが大ヒット作というのはあまりなく、このハイスクール・ミュージカルによって【フルクリーン青春ミュージカル】というジャンルが確立されたとも言われています。
以降ディズニーチャンネルを中心に今作を意識した似たようなコンセプトをもつ作品が多数制作されました。
同時に、一時低迷していたミュージカル映画人気を再燃させた立役者の一端としても広く知られています。
現在においてもアメリカはもちろん日本でも根強い人気を維持しており、完結編となった劇場版も大ヒット。さらにスピンオフテレビシリーズが2019年〜2023年にかけて制作されました。
今尚続編を望む声が後を絶たない人気シリーズとなっています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あらすじ
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240119/11/yuzupill/c1/c3/j/o0550029015391162721.jpg?caw=800)
イースト高校に待ちに待った夏休みの季節がやってきた。
夏をどう過ごすかで頭がいっぱいなトロイとガブリエラをはじめとするワイルドキャッツの面々だったが、そんな一同をよそに、演劇部のエリートお嬢様・シャーペイは一人イライラを募らせていた。
欲しいものを全て手に入れてきた彼女だったが、唯一手に入れられていないのが、高校で1番の人気者・トロイだったからだ。
バイトを探していたトロイを自身の親が経営するカントリークラブに採用させ、ガブリエラと引き離そうと画策したシャーペイ。
しかし手違いによりなんとガブリエラを含むワイルドキャッツの面々全員がバイトとして採用されカントリークラブにやってくる。
親のコネ等全てを駆使してトロイとガブリエラを引き離そうとするシャーペイに翻弄される二人、変化していくトロイに疑心暗鬼になっていく仲間たち、過剰な姉の行動に疑問を感じ始めたライアン…。
ワイルドキャッツの夏は、思わいもよらぬ方向へ転がり始めていた…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
感想
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240119/11/yuzupill/9d/57/j/o0550029015391163396.jpg?caw=800)
相変わらず不自然なくらいクリーンで甘酸っぱい青春群像劇。
しかも今回は夏休みですよ。
青春真っ盛りの清純な高校生達の夏休みのわちゃわちゃです。
もう見てるこちらが恥ずかしくなるくらいw
「明日から夏休みだ!」
「太陽を浴びてお散歩できる!お買い物できる!寝坊もできる!」
「やったー!」
て歌から始まりますw
こんな高校生の健全な夏休みって…まだあるところにはあるんでしょうか…。
良くも悪くも前作の特徴を愚直に受け継いでおり、舞台がカントリークラブになった以外に目新しい部分はほとんどありません。
新キャラクターもほとんどいないですし、低予算のマンパワーに頼った制作スタイルもそのまま。
主要人物やその役割にも大きな変化はありませんので、前作が好きだった人は引き続き楽しく観る事ができる安定した内容になっています。
小物やセットを巧みに使った圧巻のミュージカルシーンや曲の良さもしっかり継承しています。
最も変わった点があるとしたらストーリープロットの捻りと幾つかのキャラクターの深掘りでしょうか。
ということで今回はこの2点についてちょっとだけ語っていこうと思います。
今作は前作の忙しないだけの無意味なわちゃわちゃみたいなのが大幅に減り、人間ドラマをメインにしてストーリーが進行するようになっています。
この点において今作は前作よりも批判家陣からの評価が格段に上がっているんですよね。
確かに毒にも薬にもならないただただキラキラした青春のわちゃわちゃを見せられた前作よりは、キャラクターの心情変化に重きを置いてるので一見すると前作よりも中身があるように感じます。
まぁそれでも、何の事はない若者の青春の1ページくらいな薄い内容なのはどちらもそうだと思いますが。
ただそんな中で個人的に1点残念だったのは、前作にあった作品を通しての明確なテーマがなくなってしまった、もとい伝わらなくなってしまったところです。
前作にあった「本当の自分と周りから見た自分」のような根幹のテーマが今作にはちょっと感じられないんですよね。
もちろん主役のトロイを通して「自分を見失いそうになった時…」というテーマは感じます。
ただちょっと表面的すぎるというか、前作ほどのうまい魅せ方はできていません。
強いて言えば「約束の重さ」というのが今回はそれに当たるのかも知れませんが、これに関してもメインとするには今一歩。
あくまでスパイス的な役割として良く機能してるとは思いましたが。
まぁ端的に言うと、人気作品の続編にありがちな「何を伝えたい作品なのか」という点の不透明化が今シリーズでも起こっちゃってるなという事です。
まぁだって主役のトロイとガブリエラの一番の課題というか役割は一作目で終えちゃってますから、無理もないんですが。
ただそれにしては、しっかりと一作目以上に人間ドラマを魅せて高評価を獲得してるというのは、この作品素晴らしいと思います。
そしてそれに大きく貢献したキャラクターといえば…
サブキャラクターの見事な深掘り
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240119/17/yuzupill/c4/8c/p/o1080056415391276215.png?caw=800)
そう、今作でヴィラン的役割を担うシャーペイとその弟ライアンの深掘りです。
ある意味今作はこの二人がメインの物語になっていて、これに関しては巧みだなと思いました。
一作目ではインパクトを残しながらもちょっと中途半端な扱いだった2人ですが、今回はそのバックボーンから心情変化まで非常に細かく描いているので、かなり見応えがあります。
今作に関して言えば間違いなくトロイとガブリエラを喰ってますね。
序盤からガンガン悪事を画策する(それでも心の汚れたおっさんから見ればなんてことない可愛いイタズラレベルなんですが…)シャーペイと、その合間に見え隠れする人間らしさ。
そしてシャーペイを慕いながらもまるで犬のような扱いに徐々に不満を募らせる弟のライアンの絶妙な描写具合い。
何よりもライアンがワイルドキャッツ側についた後も姉の事を思いトロイに「一緒に歌ってやってくれ」とお願いするシーンと、まぁベタですけどトロフィーの授与のシーンは最高でしたね。
2人の成長と絆を両方表現した、素晴らしいシーンだったと思います。
そして最後のダンスシーンで気まずそうに仲間に入るシャーペイ。。
こりゃ人気出ますよね。
実際今作以降シャーペイの人気が急上昇したのはもう言うまでもありません。
主役2人の明確なテーマが欠如した部分を、このシャーペイとライアンをクローズアップする事で見事にリカバリーしていて、この点が今作の成功の大きな要因だったと思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まとめ
もちろん今作でも一番の見せ所はミュージカルシーンです。
若者達がキレッキレのダンスと息のあったパフォーマンス、溢れる元気さで見ている人を否が応でもでも陽の気持ちに持って行ってくれるそのパワープレイは健在。
前作でも思ったのですが、このハイスクール・ミュージカルというシリーズは基本的にはノーファンタジーのガチミュージカルで、そこが魅力だと思うんですがそれと同時に、ある意味ファンタジー以上にファンタジーな世界観だなと思うんです。
ファンタジー映画以上に現実離れした陽の世界観を持っています。
昔のシットコム…例えば「フルハウス」なんかもそうですね。
こういう作品、今は本当に貴重だと思うんです。
今のディズニー映画に足りない物でもありますね。
もちろんキャラクターや役者の魅力、曲の良さ、ミュージカルの素晴らしさ、色々要素はありますが…
【有無を言わせず無理矢理にでもポジティブな世界へ見ている人を引っ張り込むようなこのエネルギー。】
これこそがこの作品がこの時代に大ヒットした大きな要因だったんじゃないかな、と、今改めて見ると感じますね。
勿論たまに眩しすぎて直視できないぐらいな時もありますけどねw
「ハイスクール・ミュージカル2」は現在ディズニープラスで配信中です♪
はい。
というわけで!
今回はこの辺で。
いつも長文駄文にお付き合い頂き本当にありがとうございます。感謝です!
では、また次回!
しーゆーねくすとたぁいむー。