ディズニー映画語り 悪魔バスター★スター・バタフライ | すきなものしか語れない

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元ディズニーシー長年単パサー。今はおもにディズニー映画中心に好きなものだけ勝手に語るつまらないブログです。Dヲタだった頃の記事は思い出として残してます。



※追記・修正済の再掲記事です。




はーいどうもー。

今回は少し脱線。

冬休みや年末年始もすぐソコということで、この冬の連休中等にぜひイッキミしてほしいディズニーのテレビアニメーションシリーズを語りたいと思います。


皆さんはディズニーのテレビアニメーションは観たことありますか?劇場作品のテレビ版や既存のキャラクターの使い回し作品ばかりだったのはもう過去の時代

現在はテレビオリジナルの傑作ディズニーアニメーションが次々に誕生しています。

有名なところだと「キム・ポッシブル」「フィニアスとファーブ」「ちいさなプリンセスソフィア」は日本でも話題になりましたし現在だと「ミラキュラス レディバグ&シャノワール」等も人気を集めています。

特にここ数年の作品は単なるカートゥーンギャグではなく長期シリーズを活かしたドラマ性やストーリー性の高い物も多くなってきています。

「本編より面白い!」と大好評を博した傑作「ラプンツェル ザ・シリーズ」やディズニーテレビアニメーションNo.1の呼び声も高い「怪奇ゾーン グラビティホールズ」等は記憶に新しいところですよね。

そんな中で自分が最も大好きなディズニーテレビアニメーション作品、むしろ映画も含めた全てのディズニー作品の中で間違いなく5本の指に入るほど大好きな作品がこちらです。


(※当ブログは基本ネタバレありです。ご了承下さい。)


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  悪魔バスター★スター・バタフライ

(原題:Star vs. the Forces of Evil)

2015〜2019

全4シーズン 77話

総監督

ダロン・ネフシー



データ



ディズニー・テレビジョン・アニメーション制作のカートゥーンシリーズ第66作目。

日本では2016〜2020年にかけてディズニーチャンネルで放送されました。

現在はディズニープラスで全シーズン配信中です。



スター・バタフライという魔法の国のプリンセスを主人公としたファンタジーコメディです。

基本はギャグ応酬ファンタジーコメディですがドラマ性の高いシリアスパートが随所に挟まれ、その度合いがシリーズを追うごとに徐々に強くなっていく構成となっています。


総監督を務めたのはダロン・ネフシー

2009年に芸術大学を卒業したばかりの若き女性アニメーター

初の監督作品大抜擢でした。

彼女が学生時代に練り上げた素案がこの作品の元になっています。

つまり原作なしのダロンによる完全オリジナル作品



ネフシーは日本のアニメ、特にセーラームーンドラゴンボール等の大ファンであることを公言していて今作の中にもそれらの作品へのオマージュや影響が直接的に盛り込まれています。



主人公のスター・バタフライを演じるのは「ザ・ミドル」シリーズのイーデン・シェール
日本語版は植田佳奈さん。

もう一人の主人公マルコ役にはアダム・マッカーサー。日本語版は興津和幸さん。

ヴィランのルード役には【ディズニーのお守り】アラン・テュディック。日本語版は龍田直樹さん。

魔法の国ミューニが舞台の一つであり、主人公スターをはじめミューニの人間のセリフには全て「ミューニ訛り」があるという設定がとられており、日本語版ではこれを全て「関西弁」に変換しています。

よってスターは非常に珍しい「関西弁を話すディズニープリンセス」として話題になりました。


当初は単発のコメディカートゥーンとしてそれ程大きな話題にならなかった今作ですが、ストーリーが進むごとにその独特の世界観と先の読めないストーリーキャラクターの魅力が注目を集め、次第にカルト的人気を獲得。


アニー賞等数々の賞も受賞し、現在ではディズニーの現代カートゥーンの名作の一つとして高い支持を獲得し続けています。


日本でもディズニーの隠れた傑作として知る人ぞ知る人気作となり、現在でも続編等の次の展開を希望する声が後を絶ちません。





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あらすじ



魔法の国ミューニ。

プリンセスであるスター・バタフライは、14歳の誕生日に母親のムーンから王家に伝わる魔法のステッキを受け継ぐ。

しかしお転婆な彼女は使い方を知らない魔法で様々なトラブルを起こし、手を焼いた両親によって【修行】と称して地球に送られることになってしまった。


アメリカの中学校に交換留学生として編入したスターは、マルコ・ディアスという少年の家にホームステイする事になる。

文化の違う暮らしに戸惑いながらも、魔法のステッキを狙うモンスター達と戦いながらスターはマルコと共に地球でのファンタジーでクレイジーな暮らしを謳歌していく。


しかし、魔法の国ミューニとバタフライ家にはまだスターの知らない大きな秘密が隠されていた…

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感想




ファンタジーあり、不条理コメディあり、シュールギャグあり、シリアスあり、人間ドラマあり、ロマンスあり、ミステリーあり、バトルあり、あり…


全77話とちょっと長いかもしれませんが、アニメーションの魅力が全部入りのまさに傑作です。




あらすじや第一話だけ観てよくあるボーイ・ミーツ・ガールのファンタジーコメディだと思ったら大間違い!


最初よくわからなくてもとりあえず1シーズンは観てみてほしいですね。


夢と現実と笑いとバトルと冒険と…

監督のやりたい事の全ておもちゃ箱のように詰まっていて、アニメーションの面白さや素晴らしさを改めて教えてくれるような、そんな作品だと思っています。


ただ最終的に描こうとしている事は、ディズニー映画で言うと最も「ズートピア」に近いかもしれませんね。


そんなおもちゃ箱のようなアニメーションの中に、シリーズを通してゆっくりと深いメッセージ性とテーマが内包された物語となっています。



ディズニーファンだけじゃなく、日本のアニメーションファン大いに楽しめる作品です。



コミカルなギャグに隠された重厚なストーリー



この作品は本当に独特なストーリー進行の仕方をします。パッとみ一話完結のコメディストーリーなんですがその端々にメインストーリーの伏線が紛れ込んでいるんです。


伏線と気付かないような伏線も多く、ぶっ飛んだキャラクター独特なギャグで楽しんでるうちに徐々に世界感に引き込まれ、気づいたときには伏線に次ぐ伏線絡まったストーリーにすっかりハマっているんですよ。


またその伏線の回収も非常に突然だったり意外な回収の仕方だったりして、いちいち意表をついてきます。何十話もあいて忘れた頃の回収とかもザラにあるので一話完結の捨て回だと思ってもいちいち気を抜けませんし、そこにスターとマルコの心理的揺れ動きと成長、そして両者の関係性の変化がゆーっくりと繊細に絡んで描かれているので観てる方は気付いた時には夢中になっちゃってるんですよねー。


ガワは子供向けなんですけどメインのストーリーは色々な要素が絡み合った複雑で重厚な作りになっているので、本当に子供も大人も楽しめるんです。


ただ本当に独特なストーリー構成で、一見何の関係も無いようなエピソードが突然入ってきたりするので、そういうのが合わない人にはちょっもキツイかもしれません。


シュールと正統派織り交ぜたギャグの応酬



上記のように本当に色々な要素が詰め込まれている作品なんですが、本作のメインはあくまでコメディ。そしてその屋台骨であるコメディ要素が本当にしっかり作られています。誰でも笑える王道の正統派ギャグから独特な間を巧みに使ったシュールなものまで物凄いバラエティに富んでいるんですよね。

それを作品全体の独特の雰囲気が包んで作品独自のコメディがちゃーんと出来上がってる感じ。


全話観ている人にしかわからないような小ネタや繰り返しネタも盛りだくさんで、この多彩だけど唯一無二なコメディバリエーションも、観ている人を惹き込む大きな大きなポイントになっています。


ディズニーにはあまりないタイプの緻密な笑いなんですよね。 



ぶっ飛びつつ愛らしいキャラクターの個性



そして何よりもこの作品は本当にキャラクターの作り込みが素晴らしいです。

捨てキャラが居ないと言うか、どのキャラにもしっかりバックボーンや多面性があって非常に奥深く、命がしっかり吹き込まれているんですよね。


これは長期テレビシリーズの最大の特権というか有利な所なんですが、尺が短い映画とは違って一人一人のキャラを丁寧に描けるのでその分厚さが違います。



特にこの作品はそれが顕著で、主役のスターとマルコだけでも十二分にキャラ立ちしてるのにそれを凌ぐようなぶっ飛びキャラが次々に登場してきます。

実際にスターとマルコがほとんど登場しないエピソードも沢山あります。少しネタバレになってしまいますが、唐突に「魔法のステッキの中の人達」だけで1エピソードやられた時は驚愕しましたね。しかもそれがまたメチャメチャ面白いって言う…。


そのカラフルだけど独特な今で言う「キモカワ」的なビジュアルデザインもホントに魅力的で、どのキャラクターにも多面性がありドラマがあり心情変化丁寧すぎる程丁寧に描かれているので、観ている人には必ずお気に入りのキャラができてくると思います。


よくこんだけの濃すぎるキャラ達のオンパレードで物語をしっかりまとめたな、、と感心します。

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まとめ【映画では観れないディズニーの新境地】



これが同じディズニーか、と感じるほどの独自のキャラと世界感によるギャグの応酬と打って変わったシリアスで複雑に絡み合ったストーリーが混ざりあった、映画とは全く違った新たなディズニーの世界が広がっています。


そのカラフルで可愛くて、その中に生々しさやダーク要素も内包された奇抜なアートデザインも大きな特長ですね。

監督のダロン・ネフシー【好き】をこれでもかと詰め込んだおもちゃ箱のような作品ながら、そのカートゥーン×ディズニー×日本の魔法少女アニメ×不条理ギャグという本当に異色な世界感で一本の長期シリーズとして非常に絶妙な具合にまとまっていて、散りばめまくった伏線をほぼ全て回収してキレイに完結しているのでそれも感服しますね。


そして全て観終わったあとに寂しくて仕方なくなるほど、愛らしくそれでいて生々しく愛すべきキャラクター達の余韻。。



本当に大好きな作品です。

多分これからもずっと見続けていくアニメーションだと思いますね。

日本でも放送当時かなり話題になり、ディズニーオリジナルテレビアニメーションの代表作の1つになっていますが、個人的にはもっともっと評価されて良い作品だと思っています。

途中かなりストーリーが複雑になったりもするのでトータル的には子供向けカートゥーンの側面よりもまさに大人イッキミするのに相応しい作品だと思いますね。

だけど表面的には子供にもわかりやすく楽しいカートゥーン面も残している
のがこの作品の凄い所です。


ぜひこの冬の連休等に、家族とでも恋人とでももちろん一人でも、自信を持ってオススメできる一本です!!


未見の方はこの機会にぜひ!



という事で今回はこんな感じで。

寄り道記事でした。


次回からまたディズニー映画語り、のんびりやってきまーす。

ではまた~。











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