『流浪の月』を観ました。

ネタバレせずに感想は書けないので気にせずここに記録します。

まだ観てない方はここで、、



凪良ゆう、“滅びの前のシャングリラ”は読んだけどこれ読んでなくて。

何故か読む気になれなかったけど映画を観たことで読もうと思えたので

帰り道に本屋寄って買った。



最後の最後まで、私も“見たいようにしか見てなかった”んだなぁと鑑賞後に染み渡る気持ちだった。


原作を読んでないから違う解釈かもしれないけど、私はハッピーエンドだったなと感じた。

途中、どの気持ちをどこにぶつけたらいいのか、どこを切り取っても救われないような感覚で先が見えず重たかったけど。

瞬きするのを忘れるくらい見入ってしまったし力が入った。
ひとつひとつの表情を見逃したくなかった。



死ぬまで知られたくない事、というのをさらけ出したのは母親の次に更紗だということ。

それが全てなのではと思った。




文が大人になって出会った恋人に別れ際言ったこと全てが真実を隠すためのように見えたし

預かってた子供が警察に保護されようとしている時に大声を上げて引き止めたのは、過去の自分と更紗を重ねて同じことを繰り返したくないと思っただけなのだと感じたし

文にとって本当に初恋(特別な感情という意味で)は更紗で、対象は大人とか子供とかそんなんじゃなくて“更紗”なんだと思った。


でも確かに傍から見れば、更紗が子供の頃から洗脳されてるとも思えるし
事情を知れば色々なことから文に救ってもらっただけとも思える


外側からしか見えてない部分しか知らないとして、自分が更紗に子供を預けた親だったらどう思うかと考えてしまったし


自分の付き合った相手にそういう噂がたったらどう感じるかとも考えた。


唯一、感情移入出来なかったのは亮くんかな。

そこの過去を掘り下げられてないから、全く同情できなかった。

だから、亮くんに対する更紗の『私もひどかったね』があまりピンと来なかったのかも。

前の彼女にもそうしてたって言われてたし。
ただの最低な人でしか無かったように見えた。



ただ、「少女」と「大学生」が出会ってから15年後に再会すると「大人」と「大人」になるんだなぁと。


当時の2人だけの世界と真実を置いておいて、結果だけを考えると犯罪になってしまうわけだけど

観ていて私は更紗に感情移入してしまったので人に対する純愛としか思えなくて(恋愛とかとは違う特別な感情という意味になるかもしれないけど)

だからこそ文の現在の生活を見た更紗の『良かった』の重みとか
現在の恋人亮くんに対する怒りとか
世間や周りに対する諦めとか
どうしようもない気持ちが痛々しくて苦しかったし
文には、もう大人になってしまった自分(更紗)ではだめなのだと報われない想いを感じてキツかった。


終盤、文の恋人が週刊誌を見て日頃の状況も相まってだとしてもロリコンの一言で片付けてしまったところで我に返った。

そっか、これは純愛ではないのかと
グサッと刺されたみたいな感覚になった。



最後の最後で文の知られたくなかったことを知らされた時の、腑に落ちる感じがなんとも。

何も見えてなかったんだと思い知らされる。

最終的には文にとっても更紗にとっても良かったと思うのでやっぱりハッピーエンドだと思う。

文が病気のことをさらけ出すことで更紗はそのままそばに居られた。

その病気のせいで大人になっても恋人と繋がれなかっただけなのだと思うと文が切なすぎる。



周りは分からないし誰にも受け入れられないかもしれないけど2人だけがちゃんと分かっていて
2人にとって幸せならただそれだけでいいんだと思えるラストだった気がする。




「何事も慣れた方が楽」

「人は見たいようにしか見てくれない」


そんな台詞が印象に残る映画だった。




映画だけでは見えない部分も多いはずなので原作読んでもう少し理解を深めようと思う。





一人で見て正解だったな~


最近映画はほとんど一人だけど。





では今日はこの辺で。




また更新します~