あらすじ
十六世紀後代、スペインはフィリップ二世の治下に、新大陸に広大な植民地を営み海洋には世界最大の艦隊と商船を以て覇を唱えて居た。
ところが一島国たるイギリスはイギリス君エリザベス女王に統べられて、外に向かって国威発揚の途にあった。
フィリップ二世はエリザベスとは姻戚関係にあり、両国は表面極めて親密であったが、フランシス・ドレイク等のイギリス軍将士は海賊となって、スペイン植民地を劫掠し、スペイン商船を拿捕して、イギリスの国庫充実を計った。
スペイン海岸はイギリス海賊を捕らえると新教徒たるイギリス人を異教徒として宗教裁判に附し、容赦なく焚殺して報復した。
時も時ドレイクは大胆にもスペインカヂス港を襲ったのでスペイン大使は厳重抗議し、エリザベス女王を国交断絶を以て脅かそうとしたが女王は屈しなかった。