2024年8月20日

 

 

映画 キングダム 大将軍の帰還

2024年7月12日 幕張イオンシネマ

 

 

 見たのはもう1か月以上前だ。今でもまだ上映中ではなかったか。

 

 

 娯楽作品の常として毀誉褒貶はあるようだが、興行成績は上々らしい。

 個人的にはシリーズが進むに連れて興味も深まった。花マルあげてもいいくらい。

映画 KINGDOM 運命の炎 | 小人閑居して不平を鳴らす (ameblo.jp)

 

 

大沢たかお。今回作はこの人のためにあった。んふ。

 

 

吉澤亮。このノーブルな佇まいが、嬴政(後の始皇帝)にぴったりだった。

 


山﨑賢人は熱演。他の作品で見せる表情と、この作品では人格が一変する。なかなかいい俳優さんですね。

 

 

 主役級をずらりとそろえて贅沢な作り。全員が同じ場面で共演しないとはいえ、これだけのメンバーのスケジュールを押さえるのは大変だろう。だからかどうか、映画シリーズとしてはこれで一区切りという話が。ちょっと残念な気もする。

 

 キャストは膨大なため省略。みなそれぞれ印象に残った。


 高嶋政宏、佐藤浩市、草刈正雄といったベテラン俳優や小栗旬、玉木宏、山本耕史など主役級の人気俳優はさすがの存在感を発揮し、さらに山田祐樹のように、出番これだけ?という出演者も多かった。前作まで含めて片岡愛之助、杏、長澤まさみ等も印象深い。

 今作の要潤はかっこよかったし、吉川晃司は役にぴったりはまっていた。満島真之介、橋本環奈、岡山天音、三浦貴大らも十分活躍していた。

 女優陣でも既述の杏、長澤まさみはもとより、清野菜名のアクションは見事でした。私はよく知らなかった女優ながら、新木優子は姿が美しい。

 

 飛信隊の副長 渕を演じた田中美央という俳優さん、けっこう好きです。”ゴジラ‐1.0”での駆逐艦「雪風」艦長とは全く異なる雰囲気。艦長役ぴったりだったな。

 

  書き切れなかった俳優のみなさんごめんなさい。


 これは劇場の大画面で見るべきです。


2024年8月19日

 


デ・キリコ展
東京都美術館 2024年6月27日

 

【予言者】1914-15年 ニューヨーク近代美術館

 

 写真は全面不可で、以下の写真は展示が終わった後に設定されているフォトスポットでのもの。都美術館恒例ですね。

 

【不安を与えるミューズたち】1950年頃 マチェラータ県銀行財団パラッツオ・リッチ美術館

 

【オデユッセウスの帰還】1968年 ジョルジュ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

 

【白鳥のいる神秘的な水浴】1958年 ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団

 

【バラ色の塔のあるイタリア広場】1934年頃 トレント・エ・ロヴェレート近現代美術館

 

 

 で、形而上絵画って何なの?元々哲学の概念である形而上学を絵画にあてはめたというのは何だろう。現象としてはシュルレアリスム絵画の先駆と言われるが、どこまで突き詰めて用語を使っていたんだろうか。案外当時流行していた言葉を借用しただけかも・・て素人の言うことじゃないね。

 

 

 

 デ・キリコってデを省いてキリコと言ったりしませんか。手塚治虫の『ブラック・ジャック』にDr.キリコというのが登場したのを覚えている。関係ないか。

 

『シダネルとマルタン展』というのが数年前に開催された。このシダネルって、ル・シダネルが正しいと思う。シダネルって言っちゃうのは、正にデ・キリコをキリコと言っているに等しいのではないか。

詳細は以下に添付の通り

 

 

2024年8月18日

 

 

落語芸術協会 春雨や風子改め 雲龍亭雨花 真打昇進襲名披露興行

 2024年7月10日 お江戸上野広小路亭

 

 

 

 

 

 

 真打昇進披露の千秋楽というわりに、開演当初の入りは半分以下と寂しい限り。披露口上のころにはかなりの賑わいだったとはいえ、上野広小路のキャパはせいぜい70席だからすぐ近所の上野鈴本には比べようもない。

 

 くわしい経緯はここでは省略するが、芸協(落語芸術協会)は鈴本には出禁を喰らっているので(芸協から断ったという説も)、披露興行といえども例外ではない。他の定席(新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場)では対等の扱いを受けているから、将来席亭が代わる等の状況があればまた変化が起きることを期待したい。

 

 5月に落語協会の真打昇進披露興行に出かけた時(林家つる子&三遊亭わん丈 於;紀尾井小ホール)、昇進披露というのはいいものだなとたいへん好感を持ったものだから、今回も同様の空気を期待してきた。

 

落語三昧 #58 国立演芸場 つる子・わん丈 昇進披露興行 | 小人閑居して不平を鳴らす (ameblo.jp)

 

 ん~、微妙

 

 春風や風子改め雲龍亭雨花は、落語会初のシングルマザー入門ということで、真打昇進直前(直後?)にNHKでドキュメンタリーが放映され、実は私もそれで存在を知ったという事情である。

 いささか厚化粧とはいえ(口上の際にどの師匠か忘れたが、「化粧が上手で・・」という発言があった)、美人落語家と言ってもいいだろうから、常連と思しき高齢男性のファンがかなりの数 詰めかけていたようす。

 

 

◆前座 三遊亭ば馬 「たらちね」

 

◆三遊亭遊七 「かぼちゃ屋」

 上方の「みかん屋」を東京に移したもの。前に柳亭市馬師で聴いたが、それと比べるのはかわいそう。

 

◆古今亭今いち 「スキー天国」

 この人の高座は何度目かな。あまり進歩を感じない。

 

◆瞳ナナ 奇術

 

◆三遊亭小笑 「粗忽の釘」

 以前どこで聴いたんだったか。たぶん2年前くらい。その時に比べるとずいぶん印象がよい。どの部分というのはプロの批評家でない私には無理。

 

◆三遊亭遊之介 「三方一両損」

 

◆林家喜之輔 紙切り

 最初に騎馬武者を切った後、客席のリクエストに答える。まず「デコピン」だったか。次のリクエストが不思議なことに「宝船」。正月の寄席の紙切りの定番をここでなぜ。

 どうも常連の方のようで、作品を受け取る時にきちんとポチ袋に入ったご祝儀を渡していた。

 最近ネットオークションで紙切りの作品を出品する輩がいて、けっこうな値段をつけている(木戸銭を上回る)。まさかこういう方の仕業ではなかろうが、セコイことを考える人がいるものだ。

 

◆三遊亭夢太朗 「たが屋」

 

ー仲入りー

 

◆真打昇進披露口上 三遊亭遊吉・三遊亭伸治・三遊亭夢太朗

 

◆コントD51 コント

 

◆三遊亭遊吉 「権助芝居」

 東京落語に多いように見受けるのだが、地方出身者を小馬鹿にしたと捉えられかねないネタ。単純に笑っていられるのも今のうち。

 

◆桂伸治 「ちりとてちん」

 いろんな噺家さんが演じるのを見てきたところ、一番おもしろかったのは誰だろう。桂宮治師かな。

 

◆丸一小助・小時 太神楽

 

◆雲龍亭雨花 「芝浜」

「芝浜」ねぇ・・。自信あったのかな。大師匠たちが年季を積んで腕によりをかけて取り組んできた大ネタをここで披露するか。その意気は買うが、けっこうな心臓だと思う。
 
 ものまねも持ちネタにしているそうで、どっちつかずにならないことを祈る。
 「落語八百席」を展開中だそうだから、一度足を運ぶことにいたしましょう。
 
 

 

2024年8月17日

 

 

 

しりあがりさんとタイムトラブル 江戸×東京
(日比谷図書文化館)

 

 これ、行ったのは6月7日だから2か月以上前。

 

 日比谷図書文化館はだいたい企画ものは興味深い。小ぶりながら見どころのある展示は、学芸員の心意気を感じさせて応援したくなる。今回は浮世絵に題材をとった、しりあがり寿のパロディの数々。

 

 

 とは言いつつ、まあ、可もなく不可もなく、かな。

 偉そーにごめんなさい。

 

◆「千代田区神田秋葉原コスプレノ図」2024年 (九月 神田明神祭札お札参り)1854年 歌川広重 東都名所 年中行事

 

◆「最新料金所」2018年 (深川万年橋下)1830-32年頃 葛飾北斎 富嶽三十六景

 

◆「むずかしいグリーン」2018年 (甲州犬目峠)1830-32年頃 北斎 富嶽三十六景

 

◆「アンテナバリたち」2018年 (武州千住)1830-32年頃 北斎 富嶽三十六景

 

◆「UFOにさらわれた!!」2018年 (磯川雪の図)1830-32年頃 北斎 富嶽三十六景

 

◆「千代田区霞が関 政治家なんかやらかした図」2024年 (霞かせき)1856年 広重 名所江戸百景

 

◆「堂々江戸城天守閣ノ図」2024年 (山下町日比谷外さくら田)1856年 広重 名所江戸百景

 

 

 くすっと笑う程度にはおもしろいのだけれど、発想がものすごくイケてるという印象はない。いわゆるパロディという範疇の作品に感銘を受けることはあまりない。一言で言ってしまえば、元の作品は時代を超えて残るのは間違いない(こうやってパロディの対象となっている)が、パロディ作品が後世に伝え続けられるかどうかはかなり疑わしい。


 

 

 本歌取りが本歌を超えることはないのだ。

2024年8月16日

 

 久しぶりの投稿である。投稿ネタはいくつも溜まっているのだが、最近どうも気がのらない。酷暑のせいばかりでもなく、大げさに言うと老人性鬱病の兆しか、自己否定の傾向が強まり、気力が著しく減退している。

 

 折しも、パリオリンピックでは日本の若者の活躍が目覚ましかった(初老ジャパンも素晴らしかった)。世の中のなんの役にも立っていない老人も少しは励まされた。おいらももう少しがんばるよ。

 

 

 

 

 

”都響スペシャル”

2024年7月5日(サントリーホール大ホール)

 

◆指揮;ヤクブ・フルシャ
◆ヴァイオリン;五明佳廉

◆管弦楽;東京都交響楽団

 

【曲 目】
◆ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26  

 

 ソリストアンコール

◆ピアソラ:タンゴ・エチュード第3番

  
◆ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 WAB104《ロマンティック》(コーストヴェット:1878/80年)

 

 

 

 久々のヤクブ・フルシャ。

 日本でフルシャが振るコンサートに赴くのは、昨年2月NHKホールでのNHK響定期公演以来になる。

 

 これは感激でしたね。


 フルシャは私がプラハに住んでいたころ、チェコフィルの首席客演指揮者からドイツの名門バンベルク響首席指揮者と着実に歩みを進めていた時期と重なり、思い入れの深い指揮者である。2025/26シーズンから英国ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督に就任が決まっている。

 2010年のプラハの春音楽祭のオープニングを当時最年少で振ったことで大いに注目された。私もこれは聴きに行った。

 さてこの日のコンサート。ブルッフのヴァイオリン協奏曲。これは素晴らしかった。五明佳廉という人は不勉強にして初めて知ったものの、優美で繊細な音色は楽器(たぶん1703年製のストラディバリウス『Ex Foulis』)もさることながら、ご本人の情念が十分にこもっており、正に琴線を刺激すること大でありましたね。オケの音量に全く屈することなく堂々たる、それでいて典雅な演奏でした。


 コンチェルトというとソリストに配慮して、自己主張を控えめにする指揮者が多いと受けとめているところ、この日のフルシャは存分に存在感を発揮しているように見えた。といってももちろん独奏者を邪魔することはなく、かつて都響の首席客演指揮者と勤めていたこともあり、都響との親和性が改めて証明された。

 後半はとにかく金管楽器がすばらしかった。出だしのホルンのピアニッシモに始まり、中盤以降のトランペット、トロンボーンを含めた朗々たる響きは、やたらクライマックス感の多いこの曲にはよく合っていた。演奏終了後にフルシャがホルンの首席を真っ先に立たせて聴衆のアプローズを受けさせたのも当然のことかと。

 

 初めてフルシャの指揮を見た時は、律儀で几帳面な動きという感想を持った。師匠格のイジー・ビェロフラーヴェク(2017年日本公演を前に急逝)に似ているという評判で、背格好や佇まいもよく似ていることから、二人は親子ではないかと半分冗談でささやかれていた。

 ところがこの日は、ケレン味も感じさせる一方、指揮者としてまだ若手と言っていい年齢ながらそれなりに風格も備わり、自在にオケを操るさまは正に貫禄を感じさせるタクトであったことよ。

 

 座席はあまりよくはなかったが、総合的に十分満足。

 








 Bravo!!

 







 

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