2024年9月30日

 

岡本秋暉 百花百鳥に挑んだ江戸の絵師

ー摘水軒コレクションを中心に

(千葉市美術館)

 

 これは会期中3回行った。

 ものすごく感動したというわけではなく、展示の入れ替えがあるため、全部を見ようと思うと最低3回行く必要があって、若干意地になって通ったということであります。 

 

 

 

 まぁ以下の写真をご覧いただくとわかる通り、「孔雀の絵師」というキャッチフレーズがぴったりでありますね。

 その割に、孔雀が大きく羽根を広げた構図がないのはなぜなんだろうという気がしなくもない。たまたま本展での展示ではそういう構図がなかっただけで、実際にはそういう画面の作品もあったのだろうか。知らんけど。

 

◆岡本秋暉 “百花百鳥図” 

 

同上(拡大)

 

 

◆岡本秋暉 “孔雀図”

 

同上(拡大)

 黒一色の墨絵でありながら、華やかな色彩を感じさせる抜群の技量。何年前であったか、円山応挙の“松に孔雀図襖”を見た時、白黒の画面であるはずなのに色彩を強く意識したため、近づいたり距離をとったり何度も確かめたことを思い出す。

 

 

◆岡本秋暉 “芙蓉孔雀図”

 

同上(拡大)

 

 

◆岡本秋暉 “白梅孔雀図”

 

同上(拡大)

 

 

◆岡本秋暉 “孔雀図”

 

同上(拡大)

 

 

◆岡本秋暉 “渓流孔雀図”

 

同上(拡大)

 

 

◆岡本秋暉 “蝶に孔雀図”

 

同上(拡大)

 

 

 

 ここからは、同時開催の『摘水軒コレクション名品展』からのピックアップである。

 摘水軒と言われてぴんとこなかったが、展示作品を見ると見覚えのあるものがたくさんあり、これはいつどこで見たものだったか、と思うものが多数。

 

 もっぱら各地の美術館に所蔵品を貸し出して鑑賞に供する形をとっているようにお見受けする。

 

 

◆鳥文斎栄之 “立美人図”

 

同上(拡大)

 

 

◆祇園井特 “美人図(大首絵)”

 

同上

 美化された美人図ではない、個性を前面に出した独特の存在感はこの時代には出色。

 

 

◆無款 “珍禽図”(部分)

 

同上

 

同上

 

 

◆長澤芦雪 “狗子図”

 

同上(拡大)

 師匠の丸山応挙の子犬の絵によく似ておりますね。

 

 

◆岡田半江 “長春図”

 これ孔雀?

 

◆中村芳中 “鹿図”

 これはどこかで見た覚えがある。すっとぼけた味のある好きな絵です。

 

 

◆無款 “猫金魚花鳥図”

 吉祥画に近い趣。摘水軒のコレクションに収められたからこうして人々の鑑賞に供されているが、そうでなければ時代の波に埋もれた作品なのかもしれない。

 

 

◆酒井梅斎 “孫悟空の図”

 自分の毛をむしって息を吹きかける術で出すはずの分身が、シャボン玉の中にたくさん現れている。この発想はどこからきたものか。

 

 

◆柴田是真 “葡萄栗鼠図”

 ひと房に多くの身をつけるブドウも、多くの子を生むリスも、多産や長寿を含意する子孫繁栄の象徴であると。そのリスが食べかけのブドウもろとも真逆さまに落下していくのはどう解釈すればよいのか。

 

同上(拡大)

 

同上(拡大)

 

 

◆葛飾北斎 “雪中鷲図”

さすがの北斎

 

同上(拡大)

 

 

いや~堪能いたしました。さすがに4回目は遠慮いたしました。

 

 

2024年9月29日

 小生千葉市美術館の年会員になっている。『ちばしびフレンズ』という。

 同美術館の企画展は必ず訪れている。その私が、このNerhol展にはあまり気を惹かれなかった。だいたいそんな人知らないし。

 それでも、自宅から最も近い美術館だし、年会員だから何度行っても無料だし、何よりヒマなので行ってみた。9月11日のことである。
 

”水平線を捲る”

 

 

 これはなかなか興味深い展覧会でした。

 

 Nerhol(ネルホル)とは、グラフィックデザインを基軸とした田中義久と、彫刻家である飯田竜太により2007年に結成されたアーティストデュオだそう。まるで音楽のアーティストみたい。

 

 

 その技法は独特で、何百枚も重ねた写真を掘っていくことで画像に揺らぎが生じる。

 

 ◆初期には、人物の連続写真を貼り重ねて彫るポートレートが主体であった。 

 

 

 

◆近年は、帰化植物についても同様のアプローチにより作品を生み出している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横から見るとこんな具合。

 

 

 

 

◆さらに、アーカイブ映像やインスタレーション的創作にも対象を広げている。

 

 これは、千葉市美術館の建物(旧川崎銀行(後に三菱銀行と合併)千葉支店;千葉市指定有形文化財)の1階の“さや堂ホール”で展開された作品。


 蓮を素材とする和紙で床を覆い、見えなくなることで現れる世界への可触性について鑑賞者に問いかける(本展目録より)。ちょっと何言ってるかわかりません。


 
 

 

 関連作品として、他のアーティスト作品で千葉市美術館の館蔵品を多数展示。河原温、李禹煥、山口長男、白髪一雄、等々。そういえばいつか見たなという作品の数々だった。ただ、それが今回Nerholとの共通性があるとして登場することがよくわからなかった。

 

 たとえば白髪一雄(ほかの作品も掲げたかったが、館蔵品にも関わらず写真撮影不可)。




 本展目録の解説によれば“Nerholは特定の時間を作品に閉じ込めるが、そうすることで翻って時間の無限性をあらわにしている。それを「捲る(めくる)」と表現したことが企画展のタイトルの由来であり、本作の形態とも重なる”のだそうだ。ちょっと何言ってるかわかりません。

 

 うーむ。これが音楽作品であればどのように表現されるのだろうか。誰かチャレンジしてみてくれませんか。

 

 

 
 

2024年9月27日

 

◆牛さんダイニングレストラン モグ

 近所(と言っても徒歩は無理)のステーキ屋のランチメニュー。2度目の登場かな。

 上右から時計回りにマンゴージュースとオニオンスープ、前菜プレート、ミニデザート、メインディッシュのステーキ。この他コーヒー、紅茶、がセルフサービスでお代わり自由。これで合計¥1,400はびっくり‼️

 

 

◆コメダ珈琲(たぶん池袋西口)

 池袋演芸場に行ったときに、時間調整で行ったんだと思う。

落語三昧#66 最近行った寄席 まとめてご紹介 | 小人閑居して不平を鳴らす (ameblo.jp)

 例によってあまり空腹でない時のコーヒーショップの軽食。コメダ珈琲もすっかり東京に定着したね。左のシロノワールはこれでミニ。

 

 

◆うなぎの成瀬

 鰻を安価で提供するチェーン店。近所に半年前くらいにできたので家族で行ってみた。このヴォリュームでなんと¥2,900‼️ 味は上出来でしたよ。

 焼きは完全な東京風かつあっさり味なので、名古屋人はけなすだろうな。

 

 

◆華龍(アリオ蘇我)

 これも家族で。ここは安くて量が多い。これはランチメニューの点心定食。定食といってもご飯はない。焼き餃子、揚げ春巻、小籠包、焼売とスープである。1,000円以下です。ビール飲みたかったけどこの日は運転手だったので・・残念。

 

 

◆串亭(みなとみらい)

 大恐竜展を見た後、みなとみらいの串カツ屋のランチメニュー。串カツ屋なんだから串カツ定食(5-6本)にすればよかったかな。次来た時はは串カツにしよう・・と思ったら、帰宅後レシート見てビールがついていないことに気づく。ちょいと行きづらくなってしまったよ。

本日の美術館めぐり  巨大恐竜展 | 小人閑居して不平を鳴らす (ameblo.jp)

 

◆花旬庵(日比谷シャンテ)

 これは自前の写真ではなく店のウェブサイトから。これは穴子天そばだったと思う。天ぷらはいいできでしたね。場所柄サラリーマンの昼飯どころといった風情。よろしいんじゃないでしょうか。

 

 日比谷シャンテで映画(「ボレロ永遠の旋律」)を見た後かな。

ボレロ三題 ピアノ三重奏+日本舞踊+映画 | 小人閑居して不平を鳴らす (ameblo.jp)

 

 今回はひとりランチじゃないのが多かった。 

 

 ごちそうさまでした

 

2024年9月26日

 

 美術とは言えないが、ミュージアムということで。

 

巨大恐竜展

 

 夏休み中は混むだろうと思い、9月明けてから行ってきた(9月5日)。

 男の子はみんな恐竜が好き。私も子どものころ、自宅にあった小学館の「恐竜図鑑」を飽きずに眺めていた。

 

 わが家の子どもが小さいころは、幕張メッセとか、毎年のように開催される恐竜展に出かけたものだ。曰く「南米最大級の恐竜;アルヘンチノサウルス」、「アジア最大級の恐竜;マメンチサウルス」やら「史上最大級の翼竜」とか、「最大級」であって「最大」と言い切らないところがせこいなと思った次第。

 

 子どもの頃は、ティラノサウルスとブロントサウルスが二大スターだったか。ティラノサウルスの立ち姿とか、ブロントサウルスの歩行姿勢とか、学術研究が進むにしたがっていろいろ変わってきたし、さまざまなニューフェイスが登場してもはや覚えきれない。

 

 アンキロサウルスがアンギラスだとか、プテラノドンがラドンだとか、東宝が苦心して学術的背景を設定していたが、そんなの関係ないでしょ。ゴジラの第1作では、ゴジラサウルスが生きていたのは100万年前だという話が出てくる。ぶったまげ~

 

 初代ゴジラは身長50m、体重2万トンという設定だった。ブロントサウルス(今はディプロドクス科の下にディプロドクス亜科とアパトサウルス亜科という分類になっていて、ブロントサウルスはアパトサウルス亜科の1種ということらしい)は体長22m以上、体重は14t以上と推定されている。ということは、ゴジラの体長で2万tもあればもはや自重を支えられないということになるね。

 

 ある時東宝がキングコングの逆襲という映画でゴロサウルスという怪獣を登場させ、これが妙に現実的な姿かたちと体重の設定がなされており、実際に存在したアロサウルスの末裔だという触れ込みだった。これが体長18m、体重8千tと公表されていて、これでも自重でつぶれそうではあるものの、ゴジラに比べればひとケタ違う重さだったのは不思議なことだった。

 

 その点、大映は最初からゴジラとの差別化を図ったのか、ガメラは体長60m、体重は80tの設定で、現実的な数字にたぶん大映特撮陣は胸を張っていたに違いない。まあでも、ガメラが空を飛ぶというのはちょっと・・。

 後年ゴジラも熱戦放射を推進力にして空飛んだから似たようなものか。

 

 もはやかなりのマニアでないと覚えていないと思われる、松竹の宇宙大怪獣ギララは、60m、1万5千tだからゴジラ寄り。

 

 ここまでくるとどうでもいいけど、日活の大巨獣ガッパは体長60m、体重6千t(オス)、同じく50m、5千t(メス)だから東宝と大映の間をとって先駆者に敬意を表している。

 

 

 

 それはさておき

 

 経路案内の信じ難い不親切さ。

 パシフィコよこはまは巨大な展示場で、この展示もいくつもあるホールの一部を占めているに過ぎない。東京フォーラムや幕張メッセに似ている。

 さて、その巨大会場のどこから入ればいいのか表示が極めて少ない。

 

 おおぜい歩いていたので着いて行ったら全く無関係の催事であった。しかたなくその会場の関係者らしき人に訊いてみると、迷っているのは私ばかりではないらしく、さっきも聞かれたんですけど・・とそのかたも知らないようす。

 

 気を取り直して

 

ここまでは順調に辿り着ける。

 

会場向かい側のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル。

 

やっと会場に着いた

 

◆トゥリアサウルス 後期ジュラ紀 スペインアラゴン州

 

 

◆ステップマンモス 新生代 中国 福井県立恐竜博物館

 肩までの高さ約5m、体重は20tに及ぶというから、現生種のアフリカ象よりはるかに大きい。一般的なマンモスはそれほど大きくないと思っていたので、この骨格を見たときは驚いた。

 

 

◆ナガスクジラ 現生 福井県 福井県立恐竜博物館

 

 

◆ショニサウルス(頭骨) 後期三畳紀 カナダ 北九州市立自然史・歴史博物館

 

 

◆プテラノドン 後期白亜紀 アメリカ 福井県立恐竜博物館

 

 

◆エピオルニス 新生代古第三紀前期始新世 マダガスカル 福井県立恐竜博物館

 飛べない鳥として最大級(推定500kg)

 

 

◆パラプゾシア 後期白亜紀 ドイツ 徳島県立博物館

 

◆スピノサウルス

 

同上

 

 

◆ディロン 前期白亜紀 中国遼寧省 

 

 

◆ティラノサウルス 後期白亜紀 アメリカモンタナ州 

 

 

◆これはたぶんベロキラプトルかな

 

 

 

◆トリケラトプス 後期白亜紀 アメリカ 福井県立恐竜博物館

 

 

◆パタゴティタン 全長37m 体重57t

 

同上

 

 

 

 

 

◆ディプロドクス 後期ジュラ紀 アメリカワイオミング州 長野県古生物学博物館

 

同上

 

◆アマルガサウルス 前期白亜紀 アルゼンチン ネウケン州 群馬県立自然史博物館

 

 

同上

 

 

 

◆カマラサウルス 後期ジュラ紀 アメリカ ワイオミング州 福井県立恐竜博物館所蔵の実物化石の複製

 

これは会場入ってすぐのトゥリアサウルスを裏から見た形

 

 

◆デンバーサウルス 後期白亜紀 アメリカ ワイオミング州 福井県立恐竜博物館

 

 

◆チンタオサウルス 後期白亜紀 中国山東省 福井県立恐竜博物館

 

 

◆クライトンペルタ 後期白亜紀 中国 福井県立恐竜博物館

 

 

◆ガリミムス 後期白亜紀 モンゴルゴビ砂漠 福井県立恐竜博物館

 

 

◆ブラキロフォサウルス 北米の草食恐竜 後期白亜紀 アメリカモンタナ州 福井県立恐竜博物館

 

 

◆トリケラトプス(頭骨) 後期白亜紀 アメリカワイオミング州/サウスダコタ州 福井県立恐竜博物館

 

 いや〜楽しかった。

 

 この後横浜から渋谷まで遠征。オーチャードホールでコンサートでした。

 

 

 

 

 

2024年9月25日

 

 8月は暑くて出歩く気がしなかったのだが、9月はけっこう出かけている。暑いけど。

 

 

 またまたまとめて最近のコンサートをご紹介。

 

 

◆9月3日 第33回Kissポートクラシックコンサート サントリーホール

 ブラームス:大学祝典序曲 op.80

 ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 op.125「合唱付き」

 

 指揮:大友直人 オーケストラ:東京交響楽団

 ソプラノ:森麻季 メゾ・ソプラノ:花房英里子

 テノール:福井敬 バリトン:大西宇宙

 

 こんな季節に第九かよ の第二弾かな。合唱団はアマチュアながら管弦楽は東京交響楽団、指揮は大友直人マエストロ、ソリストは森麻季さん初め錚々たるメンバーで、これがサントリーホール大ホールで聴けるのなら文句はありません。

 

 

 合唱団は港区の有閑マダムを中心としたメンバーらしく、今年の初めから練習に励んできたそう。聴衆の半分くらいは合唱団の友人知人だったのかな。

 女声が男声の倍くらいいて、でも惧れていた破綻は全くなく、ちゃんと感動いたしましたよ。

 

 

◆9月5日 N響ウェルカムコンサート NHKホール

 スッペ:喜歌劇「軽騎兵」序曲から

 ドビュッシー:「イベリア」ー祭りの朝

 マーラー:交響曲第1番「春」第2楽章

 チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 第6、7変奏*

 プロコフィエフ:バレエ音楽「石の花」結婚組曲ー結婚の歌

 ブラームス:交響曲第4番ー第3楽章

 ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」ーバーバ・ヤガーの小屋、キエフの大門

 

 指揮:下野竜也

 チェロ:辻本玲*

 オーケストラ:NHK交響楽団

 

 

 N響の定期公演のさわりを紹介する半分プロモーションみたいなコンサート。私のような永遠の初心者にはありがたい。N響の手抜きのない演奏が、75分というコンパクトなコンサートで堪能できて、それで1,800yenというお値打ち価格で楽しめるのはすばらしい。

 

 

 

 

 私の初心者としてのイメージは、N響は日ごろ指揮者に挑みかかるかのような姿勢が見えていたのだが、この日は実に宥和的な印象。

 

 一方下野竜也マエストロは、短躯にして手足も短い。ところがその指揮ぶりは美しいとしか表現できないものだった。正確にして誠実な指揮。マエストロが大きく見えました。

 

 

◆9月8日 東京フィルハーモニー交響楽団 午後のコンサート Bunkamuraオーチャードホール  

 スッペ:歌劇「軽騎兵」序曲

 ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ

 マスネ:タイスの瞑想曲*

 サラサーテ:ツイゴイネルワイゼン*

 エルガー:弦楽セレナーデ

 エルガー:行進曲「威風堂々」第4番

 エルガー:行進曲「威風堂々」第1番

 

 指揮:尾高忠明

 ヴァイオリン:竹内鴻四郎*

 オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団

 

 

 前に尾高忠明マエストロと東京フィルのコンサートを聴いたのはいつだったか。その時も今回も尾高マエストロがおっしゃるには、「東フィルは日本一のオーケストラです」

 

 なんでも、首都の名前の後にフィルハーモニーと名前のついているオーケストラが、その国の最高のオーケストラなのだと。ベルリンフィル、ウィーンフィル、ニューヨークフィル、そして東京フィルなのだということでありました。この日は「東フィルは世界一です」とまでのたもうた。

 

 まあたしかに、東フィルの演奏はいつも整っていて、安心して聴いていられる気はいたしますね。

 

 竹内鴻史郎さんは、若いのにすごかった。しかもこのシリーズがプロデビューなんだとか。尾高マエストロも絶賛しておりましたよ。御意。

 

 

 

◆9月15日 サラダ音楽祭 メインコンサート  東京芸術劇場

 ラター:マニフィカト

 ドビュッシー:交響詩「海」ー3つの交響的スケッチ

 ラヴェル:ボレロ

 

 指揮:大野一士

 ソプラノ:前川依子

 合唱:新国立劇場合唱団

 ダンス:Noism Company Niigata

 管弦楽:東京都交響楽団

 

 

 プログラムの最後のBoleroはダンスとのコラボ。つい最近、日本舞踊とボレロのコラボを見たばかりだが、その時は生演奏ではなく、音源による日舞パフォーマンスだった。

 

 比べるのもご無礼ながら、この日のダンスの圧勝でありましたね。序盤、格別どうということはない、という受け止め方をしていたところ、徐々に盛り上がるにつれて「わけもなく感動した!!」。してやられました。

 

 

 コンサートの前のランチでワインを。

 向こうに見える三角形の建物が東京芸術劇場。

 

 

◆9月16日 デア・フェルネ・クランク第7回演奏会 サントリーホール

 スクリャービン:交響曲第4番ハ長調「法悦の詩」合唱付き

 マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」

 

 指揮:角田鋼亮

 ソプラノ:森谷真理

 メゾソプラノ:池田香織

 オーケストラ:デア・フェルネ・クラング

 合唱:デア・フリューゲル・コーア

 

 

 これはなんでチケット買ったんだったか。マーラーを聴いたことがほとんどない、やけにチケットが安い(3,000円)、昼間のコンサートで帰路の負担が少ない、といったあたりが動機でありましょう。

 

 いや、これアマオケなんだ。指揮者は角田鋼亮マエストロだし、ソリストは当然プロフェッショナルだし、オケがアマチュアだと知ってれば買わなかったかもしれない。

 

 ちゃんと堪能いたしましたよ。客席は半分強の入りか。ステージがやたら満員状態で、これって”千人のコンサート”じゃないよね、と思うくらいだった。

 

 コントラバスは10台、ホルンも10人、ヴィオラも、チェロも12人?ヴァイオリンは数えるのもおっくうなくらい。これって曲の趣向に合わせたのか、オケメンバーを全員ステージに上げるという方針なのか判然としなかった。

 

 

 それだけいても、というか、それだけいたからと言うべきか、ホルンはまとまりがつかず、人数のわりに存在感がないうえにソロパートは安定感に欠けて興趣を削いだ。トランペットもフォルテは悪くはないが、弱音の部分は微妙。ひきかえ、オーボエ、フルート、クラリネットのプリンシパルは見事。

 

 とはいえ、たとえば市川市交響楽団もアマオケにしてはたいへん上手だが、こちらも遜色ない。角田マエストロの指導の力も大きいのでありましょう。

 

 十分以上に堪能させていただきました。ブラボーとは言えないけど、ゴメンね。

 

 

◆9月21日 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ティアラこうとう定期

 ハチャトウリアン:バレエ音楽「スパルタクス」より「ガディスの娘の踊り~スパルタクスの勝利」

 チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調作品35*

 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

 

 指揮:出口大地

 ヴァイオリン:中野りな*

 オーケストラ:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 

 

  え、フィギュアのさかもっちゃんて、ヴァイオリンも弾けるの?

 

 というくらい中野りなさんはスケートの坂本花織に似ている・・かな。

 写真からはそんな印象を受けたが、実際の姿は驚くほど細くて華奢で、守ってあげたいような気持を抱かせる。本人は「だいじょうぶです」と言いそうだけど。

 

 弱冠はたち。真っ赤なドレスで演奏する姿は堂々としており、豊かな表情は聴衆に語りかけるごとくであった。

 

 出口大地マエストロの振るコンサートは何度 目だろう。世代的には阪田知樹、岡本誠司、高木竜馬、務川慧悟あたりと同じくらい。中野さんともども若い才能が迸る気持ちのよい演奏だった。

 

 あ、そう言えば出口さん左利きなんだよね。演奏する方は違和感とかないのかな。クラシック音楽って左利きの人は不利な気がするが、小さい頃から矯正するから問題ないんだろうか。

 シンバルやトライアングル、ハープなどは左利きそのままでもいけそうだけど、誰か事情ご存じありませんか。

 

 

 

ふー疲れた