2024年9月25日
8月は暑くて出歩く気がしなかったのだが、9月はけっこう出かけている。暑いけど。
またまたまとめて最近のコンサートをご紹介。
◆9月3日 第33回Kissポートクラシックコンサート サントリーホール
ブラームス:大学祝典序曲 op.80
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 op.125「合唱付き」
指揮:大友直人 オーケストラ:東京交響楽団
ソプラノ:森麻季 メゾ・ソプラノ:花房英里子
テノール:福井敬 バリトン:大西宇宙
こんな季節に第九かよ の第二弾かな。合唱団はアマチュアながら管弦楽は東京交響楽団、指揮は大友直人マエストロ、ソリストは森麻季さん初め錚々たるメンバーで、これがサントリーホール大ホールで聴けるのなら文句はありません。
合唱団は港区の有閑マダムを中心としたメンバーらしく、今年の初めから練習に励んできたそう。聴衆の半分くらいは合唱団の友人知人だったのかな。
女声が男声の倍くらいいて、でも惧れていた破綻は全くなく、ちゃんと感動いたしましたよ。
◆9月5日 N響ウェルカムコンサート NHKホール
スッペ:喜歌劇「軽騎兵」序曲から
ドビュッシー:「イベリア」ー祭りの朝
マーラー:交響曲第1番「春」第2楽章
チャイコフスキー:ロココ風の主題による変奏曲 第6、7変奏*
プロコフィエフ:バレエ音楽「石の花」結婚組曲ー結婚の歌
ブラームス:交響曲第4番ー第3楽章
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」ーバーバ・ヤガーの小屋、キエフの大門
指揮:下野竜也
チェロ:辻本玲*
オーケストラ:NHK交響楽団
N響の定期公演のさわりを紹介する半分プロモーションみたいなコンサート。私のような永遠の初心者にはありがたい。N響の手抜きのない演奏が、75分というコンパクトなコンサートで堪能できて、それで1,800yenというお値打ち価格で楽しめるのはすばらしい。
私の初心者としてのイメージは、N響は日ごろ指揮者に挑みかかるかのような姿勢が見えていたのだが、この日は実に宥和的な印象。
一方下野竜也マエストロは、短躯にして手足も短い。ところがその指揮ぶりは美しいとしか表現できないものだった。正確にして誠実な指揮。マエストロが大きく見えました。
◆9月8日 東京フィルハーモニー交響楽団 午後のコンサート Bunkamuraオーチャードホール
スッペ:歌劇「軽騎兵」序曲
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
マスネ:タイスの瞑想曲*
サラサーテ:ツイゴイネルワイゼン*
エルガー:弦楽セレナーデ
エルガー:行進曲「威風堂々」第4番
エルガー:行進曲「威風堂々」第1番
指揮:尾高忠明
ヴァイオリン:竹内鴻四郎*
オーケストラ:東京フィルハーモニー交響楽団
前に尾高忠明マエストロと東京フィルのコンサートを聴いたのはいつだったか。その時も今回も尾高マエストロがおっしゃるには、「東フィルは日本一のオーケストラです」。
なんでも、首都の名前の後にフィルハーモニーと名前のついているオーケストラが、その国の最高のオーケストラなのだと。ベルリンフィル、ウィーンフィル、ニューヨークフィル、そして東京フィルなのだということでありました。この日は「東フィルは世界一です」とまでのたもうた。
まあたしかに、東フィルの演奏はいつも整っていて、安心して聴いていられる気はいたしますね。
竹内鴻史郎さんは、若いのにすごかった。しかもこのシリーズがプロデビューなんだとか。尾高マエストロも絶賛しておりましたよ。御意。
◆9月15日 サラダ音楽祭 メインコンサート 東京芸術劇場
ラター:マニフィカト
ドビュッシー:交響詩「海」ー3つの交響的スケッチ
ラヴェル:ボレロ
指揮:大野一士
ソプラノ:前川依子
合唱:新国立劇場合唱団
ダンス:Noism Company Niigata
管弦楽:東京都交響楽団
プログラムの最後のBoleroはダンスとのコラボ。つい最近、日本舞踊とボレロのコラボを見たばかりだが、その時は生演奏ではなく、音源による日舞パフォーマンスだった。
比べるのもご無礼ながら、この日のダンスの圧勝でありましたね。序盤、格別どうということはない、という受け止め方をしていたところ、徐々に盛り上がるにつれて「わけもなく感動した!!」。してやられました。
コンサートの前のランチでワインを。
向こうに見える三角形の建物が東京芸術劇場。
◆9月16日 デア・フェルネ・クランク第7回演奏会 サントリーホール
スクリャービン:交響曲第4番ハ長調「法悦の詩」合唱付き
マーラー:交響曲第2番ハ短調「復活」
指揮:角田鋼亮
ソプラノ:森谷真理
メゾソプラノ:池田香織
オーケストラ:デア・フェルネ・クラング
合唱:デア・フリューゲル・コーア
これはなんでチケット買ったんだったか。マーラーを聴いたことがほとんどない、やけにチケットが安い(3,000円)、昼間のコンサートで帰路の負担が少ない、といったあたりが動機でありましょう。
いや、これアマオケなんだ。指揮者は角田鋼亮マエストロだし、ソリストは当然プロフェッショナルだし、オケがアマチュアだと知ってれば買わなかったかもしれない。
ちゃんと堪能いたしましたよ。客席は半分強の入りか。ステージがやたら満員状態で、これって”千人のコンサート”じゃないよね、と思うくらいだった。
コントラバスは10台、ホルンも10人、ヴィオラも、チェロも12人?ヴァイオリンは数えるのもおっくうなくらい。これって曲の趣向に合わせたのか、オケメンバーを全員ステージに上げるという方針なのか判然としなかった。
それだけいても、というか、それだけいたからと言うべきか、ホルンはまとまりがつかず、人数のわりに存在感がないうえにソロパートは安定感に欠けて興趣を削いだ。トランペットもフォルテは悪くはないが、弱音の部分は微妙。ひきかえ、オーボエ、フルート、クラリネットのプリンシパルは見事。
とはいえ、たとえば市川市交響楽団もアマオケにしてはたいへん上手だが、こちらも遜色ない。角田マエストロの指導の力も大きいのでありましょう。
十分以上に堪能させていただきました。ブラボーとは言えないけど、ゴメンね。
◆9月21日 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 ティアラこうとう定期
ハチャトウリアン:バレエ音楽「スパルタクス」より「ガディスの娘の踊り~スパルタクスの勝利」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調作品35*
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
指揮:出口大地
ヴァイオリン:中野りな*
オーケストラ:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
え、フィギュアのさかもっちゃんて、ヴァイオリンも弾けるの?
というくらい中野りなさんはスケートの坂本花織に似ている・・かな。
写真からはそんな印象を受けたが、実際の姿は驚くほど細くて華奢で、守ってあげたいような気持を抱かせる。本人は「だいじょうぶです」と言いそうだけど。
弱冠はたち。真っ赤なドレスで演奏する姿は堂々としており、豊かな表情は聴衆に語りかけるごとくであった。
出口大地マエストロの振るコンサートは何度 目だろう。世代的には阪田知樹、岡本誠司、高木竜馬、務川慧悟あたりと同じくらい。中野さんともども若い才能が迸る気持ちのよい演奏だった。
あ、そう言えば出口さん左利きなんだよね。演奏する方は違和感とかないのかな。クラシック音楽って左利きの人は不利な気がするが、小さい頃から矯正するから問題ないんだろうか。
シンバルやトライアングル、ハープなどは左利きそのままでもいけそうだけど、誰か事情ご存じありませんか。
ふー疲れた