先日のフォーラムの続き(内容)です。 | ネマリンミオパチーに奮闘中

ネマリンミオパチーに奮闘中

ネマリンミオパチーという先天性筋疾患と闘いながら毎晩呼吸器のお世話になって明るく生きてます。

今月、3月4日(日)に開催されたフォーラムの続き(内容)です。


今回の「第一部」では昨年開催されたときの研究内容の活動報告とその後の計画が各先生方から講演がありました。


その内容を簡単に説明いたします、急いでメモしたので全て詳しく記録していないので大まかな内容です。
詳しくはSORDのサイトで後日報告されるかもしれません(もちろんRe:me会員限定になりそうですが)。


信州大学医学部付属病院部長(遺伝子治療部) 福嶋 義光 先生


「遺伝子診断が可能とする、未確定希少疾患及び希少疾患の診断研究事業」


この世の中には、難病といわれる病気は5000~7000ほど有るらしいです。
そのうち、約250~300ほどの希少難病が研究されているようです。


そして、その希少難病を研究されている先生方とSORDのスタッフの連携して「平成24年度 厚生労働科学研究・難治性疾患克服研究事業」という国(厚労省)が希少難病について、初めて予算を付ける動きが出てきたようです。

これは、遠位型ミオパチー患者会の皆さんの署名活動を通して国に働きかけたのも大きな要因の一つと思っています。


そして、この事業に「福嶋先生方とSORDとの共同研究開発」として申請しました。と報告がありました。
申請が受理(予算が付いたら)、また研究が大きく前進しそうです。


共同研究の目的「原因究明・治療法の開発・医療水準を向上」


希少難治性疾患とは「原因不明・根本的な治療法未確立・後遺病を残す・患者数が少ない」

去年のフォーラムでは研究内容の報告が主でしたが、今回は大きく国への申請という具体的な動きが出てきて、嬉しくお話に聞き入りました。



国立遺伝学研究所 人類遺伝研究部門 教授  井ノ上 逸郎 先生

「希少疾患ゲノム情報バンクプロジェクトの現状と今後の展望」


井ノ上のお話では興味があったのはゲノム解析が次世代検査器具によって素早く遺伝子分析ができるようになって、多くの研究者が希少難病を研究しているらしい。


それによると、思わぬ(予期しない)薬効が見つかった薬もある
あの恐れられた「サリドマイド」という薬が「多発性骨髄腫」や「ハンセン氏」病に効くというデータが得られたそうです。


「オーファンドラッグ」希少疾病用医薬品(希用薬)の話。


(以下はネットからの引用です。)


医療上の必要が高いにもかかわらず、難病など対象とする患者数が少ない医薬品のこと。希少疾病用医薬品(希用薬)ともいわれる。
筋ジストロフィー、エイズなど患者数が少ない病気の治療薬は、採算がとれないため、企業の自主努力に期待するのは困難。


そこで厚生省(現厚生労働省)では1993年(平成5)11月から「希少疾病用医薬品」指定制度をスタートさせ、
全国で患者数が5万人未満、必要性、開発の可能性が高い治療薬や医療器具を対象として、企業に研究開発費を助成している。
2008年6月までに薬212種、器具15種を指定した。


アメリカでは1983年に「オーファンドラッグ法」が制定され、
アメリカ食品医薬品局は対象患者が20万人以下の医薬品をオーファンドラッグとし、
税制上の優遇にくわえ7年間の市場独占権を認めているが、
他の一般的な病気にも有効で製薬企業やバイオテクノロジー企業が大きな利益を得るケースが相次ぎ、
過剰保護との指摘もある。


アメリカであった実話を基にした映画「小さな命が呼ぶとき」


奇跡体験!アンビリバボー人生の奇跡SP
でも紹介された。

難病のわが子を救うために 波乱万丈!家族の絆の実話難病のわが子を救うために 5 歳で死亡 治療法のない病.
ポンペ病にかかった娘と息子を救うために、いっかいの サラリーマンだった父親のその他一般人は新薬開発を決意。

映画『小さな命が呼ぶとき』予告編 
 2010年7月、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
http://www.youtube.com/watch?v=Mwbp8XAg6z0

治療薬がなく治らないと言われた「ポンペ病」の薬を作った実話を元にした映画です。

難病に侵されたわが子を救う治療薬の開発のために、
製薬会社まで設立した父親の奔走を描く感動のヒューマン・ドラマ。
ハリソン・フォードが出演と製作総指揮を兼ね、
アメリカであった実話を基に子どもの命を守るためならどんなこともやり遂げる親の覚悟を映し出す。
製薬会社設立を決める父親を演じるのは、
『ハムナプトラ』シリーズのブレンダン­・フレイザー。
監督は、『べガスの恋に勝つルール』のトム・ヴォーン。
無謀ともいえる行動がもたらす奇跡に注目。


糖原病2型(ポンぺ病)は、
4万人に1人の割合で存在するといわれている先天代謝異常症(生まれつき体内で物質の分解や合成がうまく行えない病気)の1つです。
1932年、オランダのポンぺ博士がこの病気の赤ちゃんについて発表したため、「ポンペ病」という名前で呼ばれることもあります。

(引用ここまで)



東海大学医学部 基礎医学系生体防御学 准教授 佐藤 健人 先生

「希少疾患ipsバンクプロジェクトの現状と今後の展望」


佐藤先生のお話ではips細胞の仕組みが分かりやすく解説してもらえました。細胞が山から谷へ流れる様子を表現されていました。


私はそれを「川の流れ」に置き換えてみました。


まず、一滴(幹細胞)が下流に行くほど、水流が増して(分裂増殖を繰り返して)、大きな幅の川になって、それぞれそのまた下流にいくと各々の小さな川に分かれていく(分化)、その一つ一つの川が「筋肉」だったり「血液」だったり、「皮膚」だったりするわけです。


そして、その川から隣の川は決して混じることがない。しかも上流に逆戻りすることもないと考えられていました、京都大学の山中先生が上流の肝細胞まで戻ることに成功したのがips細胞ということです。


これにより、その人の血液(山中先生の場合は皮膚の一部)からips細胞を作って、筋肉の細胞を作成することも可能になるかもしれませんね。

そして、昨年から始まった「希少疾患ipsバンクプロジェクト」によって、7件のips細胞の樹立が成功されたようです。



第二部「新たな希少難病患者支援体制」の詳しい報告は後日紹介いたします。