(今日の毎日新聞より)
フットボールの母国に「足を使わないフットボール」を伝え、広めた日本人男性がいる。東京在住の高橋弘さん、40歳。日本電動車椅子サッカー協会の会長だ。
(中略)
元々はフランスで重度身体障害者用に考案されたスポーツ。スピード感にあふれ、電動車椅子を旋廻させてのシュートもある。
プレースタイルにお国柄が出るといい、パスをつなぎにつなぐのがフランスなら、イングランドはボールを奪うべく電動車椅子をガンガンぶつけるタックルが特徴だ。
米国での大会に参加した時のこと。
対戦チームに人工呼吸器を装着した米国選手が数人いた。日本ならば本人が望んでも周囲が試合出場を止めるはず。
障害があっても好きなスポーツをしたい、その楽しさもリスクも自分が引き受ける。彼等の文化の違いが感じたという。
パリで来月2日に開幕する第2回ワールドカップに向け、日本代表チームが29日、飛び立った。
人には明かせぬ苦労もあったはずの道のりを淡々と語る高橋さんの顔を思い浮かべ、前回大会の4位を上回る成績をと願わずにはいられない。