先日は国家試験がありました。
私の学校は全員合格のようでした。



嬉しいはずのことなのに、どうしてか素直に喜ぶことができませんでした。
写真の向こうに映るみんながキラキラしていて、妬ましく思いました。









数ヶ月前は私もこの輪の中にいて、当たり前に勉強して、PTになる夢を叶えようとしていました。



自分の居ない全体写真はこんなに見るのが辛いものかと思いました。



みんなは夢を手に入れ

私は病気を手に入れ

皆んなには輝かしい未来があって

私には絶望的な未来が待っていて。



何がこの結果を創り出したのか、誰がこんな風に仕向けたのか。



神様がこの世界に本当にいるのなら、人の心なんて持ち合わせていないでしょうね。
人の顔をした悪魔だ。



私ならこんな残酷な病気、人に振り分けることなんて出来ない。




ただ、素直にみんなの合格を喜べる自分でいたい。



ALSが私の全身の運動機能は奪えても、心や思考能力を奪う事は決して出来ない。



病気のせいで、私自身まで奪われるわけにはいかないんだよ。


   


私もPTになりたかった。


脳卒中などの中枢神経系の勉強が好きで、将来は中枢患者の多い、回復期に行くのが夢だった。


 脳の支配領域には可塑性がある。
たとえ一度手が動かせ無くなっても、リハビリをする事で脳の領域が書きかわり、他の領域で代償し再び動かせるようになる事が分かっている。



これは、ヌードルさんがリスザルを用いて実験をしてわかった事だった。



はじめは中枢なんて興味なかった。
この授業を聞いて、はじめて、中枢神経系に興味を抱いた。



脳は書き換える事が出来るのかと。



麻痺を経験し、絶望の淵に立たされた方にもう一度、希望を与えられる人になりたいと思いました。



私が、脳を書き換えるんだ、そして麻痺で動かない手足を少しでも動かせるようにするんだ、患者様のQOLをあげたいんだ。



その想いから私はずっと中枢神経系に力を入れて勉強していました。



私が回復期に行きたかったのは、1番回復が見込める時期にリハビリのお手伝いをしたかったからです。



6ヶ月でプラトーになると言われています。
それ以降も回復はしますが、1ヶ月以内が最も回復が見込まれています。



最大の可能性があるときに、最大限の力になりたくて、私は回復期が希望でした。





みんなは、ついにPTになるという夢を掴んだんですね。
全国のPTの国家試験に合格されたみなさんも本当におめでとうございます。