映画「罪の声」
あの有名な昭和の未解決事件・グリコ森永事件をモチーフにした映画。
事件から35年が経った今、犯行に使われた子どもの声が自分の声だと気づくところから物語が始まるのですが、着眼点がすごくて一気に引き込まれました。
もちろん実際の事件をモチーフにしたフィクションなんだけど、生島母子の壮絶な人生に涙し、株価の操作とかも当時の日本なら普通にあり得ただろうな、と。
そして、実際に事件に巻き込まれた子どもがいたのも事実で、あの録音の子は今どうしているのだろうか?と考えたりもしました。
この映画を観て、実際の事件はどうだったかな?とちょっと調べてみたら、丸大食品やハウス食品、不二家なんかも脅迫されていたんですね。
ハウス食品の時は、犯人が指定した場所(高速道路のフェンスに取り付けた白い布が目印)の下の県道に停まっていた不審車両を、何も知らずにパトロールをしていた滋賀県警が職質をかけようとして取り逃がしてしまい、本部長が責任を取って辞職し、焼身自殺をしたそうです。
そして、この焼身自殺をもって犯人から「くいもんの 会社 いびるの もお やめや」と終息宣言が出たのが1985年8月12日。
当時ハウス食品の社長は事件の終息を父親の墓前に報告するために日本航空123便に搭乗、あの520人が犠牲になった墜落事故で亡くなったそうです。
と、昭和の事件について調べたらキリがないので、話を映画に戻しますが、もともと私はUruさんの楽曲が好きで、この映画の主題歌「振り子」を聴くたびに「ものすごい歌詞だなぁ」と思っていました。
「我武者羅に走った汗を ただの塩にしてきた人生も」
この歌詞の重さ、すごくないですか?
今回映画を観て納得したというか、とにかく内容が重いので、もう一度じっくり観たくてもなかなかメンタル的にきつい映画でもありました。