今回は生存確率と存在意義を高める仕組み、という話をしていきたいと思います。
 

「現状からの脱却したい!」
「現状の自分に満足していない!」
「現状よりも不自由なく生きたい!」
 

といった考えを、僕自身を含め多くの人が持ち合わせてるかと思います。
 

これらの思いを解決する、最も有効な手段があります。
 

それは"学習"になります。
 

おそらく学習に対して苦手や抵抗を覚える方、かなりの多数なのだと感じています。
 

ただし学習の価値や特徴を理解して、上手に用いることができれば、信頼の置ける武器に変えることも可能になります。
 

以前こちらの記事で、学習の価値に関して話しました。

 

勉強には目的を達成するための道具的価値と、生きていく過程で立ち塞がる問題を解決する道標的価値を持っています。
 

だから進学を目的にしていなくても、勉強に対して真剣に取り組む意味があるのです。
 

とはいえ勉強という言葉を耳にすると、やっぱり顔が渋くなるのを感じてしまう人もいるかと思います。
 

ある種の呪いの言葉として、頭に残っている場合もあるでしょう。
 

しかし僕達人間は生きている限り、勉強という概念から逃れることはできません。
 

なぜなら人間のみならず多くの生物は、勉強=学習を行うことで生存確率を高めてきたからです。
 

例えばカモは卵から生まれて初めて見た動くものを、親とみなして後に付いてくるようになります。
 

俗に刷込みと呼ばれ、親を追いかけることで食事の仕方といった、生きるのに必要な能力を身につけるのです。
 

またパブロフの犬に代表される、条件反射という学習もあります。
 

ベルの音が鳴るとエサが与えられることを何回か繰り返すと、ベルの音がしただけでもエサが貰えると思ってしまい、犬は唾液をだしてしまうというものです。
 

一見すると役に立たなそうですが、原因(ベルの音)→結果(餌を得られる)のパターンがあることを理解できれば、結果をより効率的に獲得できるようになります。
 

このように生き物達は巧拙に関わらず学習を行うことで、現代まで種族を繁栄させてきたのです。
 

それは人間も例外ではありません。
 

この世に生まれ落ちた瞬間から、僕達は学習することを遺伝子レベルで組み込まれているのです。
 

とはいえ
 

「学習なんて無縁だけどな」
 

と感じている方も多いかもしれません。
 

ですが意識の有無に関わらず、僕達は学習することに身を置いているのです。
 

原始的な学習の一つに、慣れというものがあります。
 

いくら刺激的なことでも、繰り返し触れていると同じ刺激では同様の反応が得られなくなります。
 

好きな料理も三日三晩食べ続けていたら、嫌気がさして当面は食すどころか、視界に入れたくなくなるかと思います。
 

また慣れが有効に働くことで、どれだけ過酷な状況でも適応できるようになり、生き残りの可能性が上がります。
 

さらに人間のように大脳皮質が発達した生き物では、知能行動を取ることができます。
 

知能行動とは未知の事態に遭遇した際に、過去の経験をもとにして適切な行動を選択できることです。
 

例えば雪が降って交通機関が麻痺して、立ち往生してしまった経験があったとします。
 

そうしたら次からは経験を活かして、天気予報で雪が降る時間帯を把握することで、交通機関が止まる前に目的地へと到達するといった対応が取れるのです。
 

このように自分の意思に関係なく、人間は常に学習をしているわけです。
 

ここまでの話で無意識に学習を行うシステムが、僕達には備わっていることを理解していただけたかと思います。
 

ところが僕達には無意識だけでなく、意識的にも学習を促す機能が備わっています。
 

それは"知的好奇心"になります。
 

知的好奇心とは簡単に言うと、
 

「もっと知りたい!」
 

という感情の動きになります。
 

もっと知りたいと心から思うことで、学習に対して意欲的に取り組むことができるようになるのです。
 

なぜ人が知的好奇心を身につけているかというと、これも生存確率を高めることに繋がるからです。
 

「また生存確率かー」
 

と思われた方もいるかもしれません。
 

もちろん知的好奇心で誘発される学習による、生存確率の向上は確かに大切なことです。
 

しかし現代人においては"成長したいという気持ち"の方が、生きる可能性を高めることより関心が高くなります。
 

例えば
 

・成長することで周囲から尊敬される
・成長することで収入が増える
・成長することで今までできなかったことが、できるようになる
 

といったように、成長することで自分や周囲の心が満たされることに価値を見出しているのです。
 

極論を言えば、これらも生存確率を高めることに関連しています。
 

ですが現代の日本において、衣食住に困窮することで直ぐに死を迎える可能性は低いと考えられます。
 

そうなると生存確率を高めるという目的は、あまり意味を持たなくなるわけです。
 

では現代における学習の目的はというと、ただ生き長らえるためでなく、無限にある可能性から自分に合ったものを叶えるという色の方が強くなります。
 

現代で学習を怠ったとしても、生命的に死にいたる可能性は低いですが、個の存在価値という意味では死の寸前まで追い込まれることはあり得るということです。
 

だから僕達が生きている"今この時"をより快適に過ごすためには、鋭敏な知的好奇心が必要不可欠となるのです。
 

また知的好奇心の高まりによる成長に対する意欲の昂りを、仕事に関連させられたとしたら経済的や社会的な不自由さが減り、本来の意味で生存確率の上昇に繋がることも重要な点になります。
 

とはいえ人生に疲れていると、知的好奇心の働きが鈍くなります。
 

僕も会社勤めで仕事が忙しく、時間外の業務が沢山あった時は、物事に対する興味関心が薄れていました。
 

帰ってきても何となくインターネットを眺めて、そのまま眠ってしまうことも多々ありました。
 

もし知的好奇心が低くなっている時には、次の対処法を使ってみてください。
 

それは"過去に熱中したことを思い返し、深くハマった理由を考えてみること"です。
 

新しいことに知的好奇心を働かせようと躍起になると、万が一見つからなかった場合にストレスを抱きかねません。
 

一方で昔の経験から探し出すことには、メリットが3つ存在します。
 

1つ目は熱中した事実として認知しているので、ストレスなく特定できること。
 

2つ目は熱中した理由を思い出すことで、当時の心境が蘇り元気の回復に繋がりやすくなる点。
 

そして3つ目は当時の内容から派生した、新しいことに没頭できることになります。
 

僕の場合だと、書いた作文を読んだ人から嬉しい感想を言われてから暫く、文章を書く課題の時は特段に力が入った経験があります。
 

それを思い出した時、文章や今までの経験とかを活かせないかと感じました。
 

そのことは今こうやって文字を連ねる、1つのきっかけになりました。
 

まずは過去に興味や関心を抱いたことを掘り返して、学習意欲を高めるきっかけを見つけてあげてください。
 

生存確率と存在意義の両者を押し上げるためにも、好奇心と向上心を常に持てるようにしていきましょう!