ヘルパンギーナ | 川村優希オフィシャルブログ「川村優希の 優希100%なカルテ」Powered by Ameba

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内科、予防医学、アンチエイジングを専門とする医師です。

ヘルパンギーナが全国的に流行していますね。
毎年7月下旬ころに流行のピークをむかえるヘルパンギーナ。
2014年にも大流行しましたが、今年もかなり流行しています。
主に5歳未満の乳幼児がかかるいわゆる“夏風邪”の代表的な疾患です。

東京都では7月11日~7月17日に報告された患者数が定点あたり患者報告数は5.89人(東京都全体)となり警報基準を超えました

東京都感染症情報センターより
定点医療機関あたり患者報告数


2016年もここに来てぐーんと増えているのがわかりますね。



保健所別都内流行マップ

赤いエリアが広がってます/ _ ;


インフルエンザの時期などにもよく「定点あたり」というフレーズを聞くと思いますが、定点あたりの報告数というのはいったい何かと言うと
医療機関の中でも選定された定点医療機関からの報告数を定点数で割った値のことで1医療機関あたりの報告数という意味です。
定点医療機関は毎週特定の感染症の患者数を報告しなくてはいけません。
東京都の場合は都内264個所の小児科が定点医療機関と定められています。


数値の話をしていくと、定点あたりの報告数を保健所単位で集計し、ヘルパンギーナの場合では定点あたり6.0人/週を超えると警報開始となります。
A保健所管内の3つの定点医療機関からヘルパンギーナの患者21人の報告があった場合、定点医療機関あたりの報告数は「7」となります。これは警報報開始基準値の6を超えているため、A保健所管内では警報レベルを超えたことになります。

また、警報レベルの保健所の管内人口の合計が東京都全体の人口の30%を超えると都の警報基準となります。
今回は保健所別の患者報告数が警報レベルを超えたのは、31保健所中16保健所で、管内人口の合計は、東京都全体の55.3%になりますので東京都全体として警報基準を超えたことになります。


感染症は定点把握と全数把握がありますが、定点把握は身近に存在するような感染症の流行状況を知るのに用いられて、他の地域や全国レベルでの流行状況を比較しやすい基準となります。

こういう基準で感染症というのは把握されて、流行地域で迅速に注意喚起できるような仕組みをつくっているんです。



ヘルパンギーナについて少し書きます。
ヘルパンギーナはコクサッキーウイルスというウイルスが原因となり、感染後2-4日の潜伏期間の後に突然の発熱があり、続いてのどの痛みが出現します。
のどの粘膜が発赤して、口腔内に直径1-2mmほどの小さな水疱ができる疾患です。
水疱は破れて痛みも伴います。だいたい数日で解熱し1週間程度で治癒します。

良好に経過することがほとんどですが、発熱に伴い熱性けいれんがあったり、口腔内の痛みで食事が取れなかったり脱水症状になったりするケースもあります。。

感染経路はウイルスが含まれた咳やくしゃみを吸い込んだり手についたウイルスが口に入ったりすることで感染するので、予防法としては手洗いうがいをしっかりすることが大切です。
症状がおさまった後も2-4週間は排泄物にウイルスが含まれるため、しばらくたっても油断せずにトイレ後やおむつ交換のあとの手洗いの徹底が重要です!


大人がかかることは稀であるため私もいまは診察する機会がないのですが、子供がいる患者さんや友人からこの時期になると聞かれることが多いため、ヘルパンギーナと聞くと「あぁもう夏が来たんだな」と思います(*^^*)



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色々書いていたら、「ヘルパンギーナはコクサッキーウイルス」というのを覚えるために『パンツが減るコックさん』という質の悪いゴロを学生の頃考えていたことを思い出しました。
普通に覚えたほうが早い!!Σ(・□・;)



今日じゃないけれど写真は夏でも胸にべったりとくっついてくるこゆきと^^;

さて、午後も頑張っていきましょう!