「嶺南文化」は狭義では広東省地方の文化を指す。広義では南粤、中国南部の「五嶺」(嶺南山脈)より南の全ての地方文化を指す。中国国内では広東省、広西チワ族自治区(俗にいう広西省)、海南島地域を含む。
1993年出版された『嶺南文化』。主編は経済学者の李権時(1895-1982)。
『茶の民族誌』第四章嶺南の茶と民族p233の引用元
個人的な感想だが、中国の学術的な書物は19世紀出版のもの、例えば新しい中国が建国してからの80年代、90年代のものでも、今の綺麗にデザインされている多くの書物より、余程読み応えがある(データは古いが)。当時の学者達の研究心と厳密性を感じる。それは2000年あたりからだろうか、書物はどんどん綺麗に印刷されていくが、中身は宣伝的な内容が増え、読んでいて「良き本に」出合えた感が少ない。それは社会風潮の結果だろうか。
李権時編纂の『嶺南文化』は大変読み応えがある一冊だ。