広西六堡茶の本山茶:黒石村六堡茶...六堡茶の歴史 | 船橋市茶文化資料室

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悠々茶館主催【茶書を読む月茶会】書籍
2020-2024/2中国唐代・陸羽『茶経』
2024/3~現代・『茶の民族誌ー製茶文化の源流』

人生には山があり谷があるのと同じように、広西六堡茶も百年盛衰の歴史がある。

六堡茶は中国広西省(正確に広西チワ族自治区)梧州市蒼梧県六堡鎮で作られ、現代黒茶の一種とみられている。梧州市蒼梧県辺りの茶の栽培、製造そして飲用はかなり古いと言われているが、六堡茶という名として国内外に知られるようになったのは清の頃である。19世紀後半、イギリスのマレーシア植民地支配が始まり、ペラのラルートを中心としたスズ鉱山開発が進められていた頃、沢山の閩粤労工(福建省と嶺南の中国移民)がスズ鉱山労働者となった。新しい土地に行った労工達は、マレーシアの水や食事に合わず、お腹を壊したり体調不良になったりしたという。ところで同じ労工の中で広西省から来た人達が問題なく元気に過ごしている不思議な現象がある。調べてみたら、広西省からきた人達は皆あるお茶を飲んでいることがかわった。そのお茶はどんなものと聞くと梧州六堡郷(今の六堡鎮)で作られたお茶という。そこで「六堡茶」は「僑銷茶」(華僑専売茶)としてマレーシアで大流行し、19世紀後半から民国初期までの六堡茶の販売量が急増した。この時期は六堡茶の繁盛期と見られる。日中戦争から新中国成立直後の間は六堡茶が衰退傾向。21世紀に入り、プーアル茶人気に触発され、地方政府(地方国営企業を含め)が六堡茶発酵技術への研究開発によって「紅濃陳醇」を特徴とした六堡茶が再度人気を博したのである。

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今週日曜日の茶会準備に3月広西を旅した時の六堡茶を試飲中。

今回は伝統六堡茶(農家茶)を中心に購入することにした。家にある「廠貨」(メーカーさんの六堡茶)と一緒に飲み比べしてみたいと考えている。まず六堡茶のコア産地、黒石村の六堡茶から。

産地:広西チワ族自治区梧州市蒼梧県六堡鎮塘平村黑石山間部

製造:2018年春夏

茶種:伝統六堡茶(六堡茶生茶)

外観:散茶。緑茶如き。均一度が高い。墨緑色。微かなスモーキーフレーバーがある。

購入先:南寧茶市場六堡茶専門店

価格帯:中高(350元/500g、今日のレートで約6000円で500g)

茶器:宜興急須130cc。二人用。

茶の量:3g  茶の温度:熱湯。洗茶1回。一煎目浸出時間:50秒

水色と茶殻

茶殻からみる摘採

一煎目から5煎目までの水色変化。味が薄くなってきたが、写真の色はさほど変化がないようだが、

 

☆感想☆

「渥堆」をしていないため、黒茶より緑茶の味。

六堡茶(ロッポウチャ)の後発酵工程、所謂「冷水渥堆発酵工程」が開発される前にこの地域にあったお茶の作り方?現場をみていないのでこれ以上推測できないが、六堡茶への理解を深める一品である。

 

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悠々茶館2019年「茶経を読む茶会」のお知らせ

7月の開催日と詳細

開催日:7月14日日曜日(7月第2週目の日曜日)時間:午後1時半~

内容:

前半は陸羽『茶経・三之造後半』を読みます。

後半は嶺南のお茶第二弾:象州茶(広西の伝統六堡茶と恭城打油茶、桂平西山茶等等)

開催場所:船橋中央公民館

時間は13:30~ (会費1500円)

お問合せ:funabashi_chinese_lesson@yahoo.co.jp  件名:「7月茶会のお問合せ」でお願いします。

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