韶関の旅⑦乳源にあるヤオ族の博物館ー「世界過山瑶博物館」 | 船橋市茶文化資料室

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「世界過山瑶博物館」は県の中心部にあり、乳源県内にある雲門寺までもそれほど遠くない。ただ乳源県にはもう一つ博物館ー「民族博物館」があるので最初間違ってそちにいってしまった。幸い両者の博物館はそれほど離れていないので車で15分ほどかな、運転手がナビに「乳源、博物館」を入れたのはまずかったみたい。フルネームで入力!すぐ目的地に着いた。

周りの風景。山々に囲まれ広々とした街並み。

「世界過山瑶博物館」広場

両サイドに県民文化センターのような施設と売店。

地方に行くとよくあることで立派に作られた観光地に人がいない。採算がとれているかな

博物館の建物正面にて。設立は2013年12月。別名は「盤王記念館」。入り口に12本の柱があり、向かって左は男6人、右は女性6人を表し、柱の模様はヤオ族刺繍の男女模様が絵描かれている。12という数字はヤオ族の12苗字を表す。

ヤオ族についての物語がある。槃瓠(ばんこ)という神犬が敵の王を討ち取る手柄を立て、漢族の王女と夫婦になり、その間に生まれた6男6女がヤオ族の12姓の始祖となったとか。その槃瓠(ばんこ)は「盤王」となったかな。その辺、詳しくないが

入って正面に族祖の「盤王像」がある。盤王像の足元の所に12個の札がある。それはヤオ族の12姓が書かれている

鶏など肉類の供え物が置かれている。仏教とは違う信仰であることがわかる。

ヤオ族の歴史かな

乳源についての紹介

略訳をしてこのような内容(青字):「乳源はヤオ族と漢民族が雑居している県である。千年以上の歴史の中、「過山瑶」文化、客家文化、仏教文化、畲族文化、古道文化など多元的な文化背景がある。」

ヤオ族は支系が多く、乳源にはお主に「過山瑶」というグループが住居している。

織物に長けているヤオ族

代表的な刺繍模様。

貴重な史料も展示されている。歴代県史。

ヤオ族の手書きお経。

瑶族経書--瑶歌。文字記録をしない民族のため、願いや日常生活の気持ちを歌で表現している。その一部は残されているとか、

清の時代のヤオ族経書。手書き。

氏族の家譜

書籍

歴代県誌

乳源県内のヤオ族村の分布。東北部に集中していることがわかる。

県内のヤオ族集落村(=ヤオファミリーの人口が多い鎮)は、「必背鎮」、「游渓鎮」、「政研新村」、「八一瑶族新村」、「東坪鎮」である。「必背鎮」には行こうとしたが、大雨の為通行止めで行けなかった。

乳源県に東漢や隋朝の遺跡群があることは初めてした。中原との交流がかなり古くから行っていたことが証明された。

遺跡からの出土品。年代は「東漢」

陶器の狗。同じく「東漢」

ヤオ族の日常生活。竈。

もう一枚。陸羽が言う「甑、或木或瓦,匪腰而泥」の蒸し器にそっくり。

因みに呉覚農の蒸し茶印象図はこんな感じ

醸造にも長けている

竹製品。水筒と弁当箱

韶関は客家の人が多く「客家語」はメイン。「客家」の生活道具も展示されている。

最後に乳源ヤオ族の医者ー「瑶医」の話。

畲族のことも

訳:「乳源の畲族は洛陽鎮深洞藍屋村に住み、村皆「藍」という姓を持つ。長い間漢族と雑居し、客家話を話す。漢族の文字を持ち、服装や生活習慣は漢族とさほど変わらない。。。。現在は藍氏17代、400年の歴史を持つ。」

 

感想

  • お茶について殆ど触れることがなかったのは残念だが、韶関を訪ねることがあったらお勧めしたいところです。
  • 住所:広東省韶関市乳源瑶族自治区乳城鎮南環西路 民族風情園内
  • 周辺の観光スポット:雲門寺・西京古道・南華禅寺など