丸くのした生地を四角くする四つ出し。
これを初めて見た時は、魔法を見ているように感じました。
そばを打ち始めたアマチュア時代は、
多少変形してもあまり気にしていなかったのですが、
プロになると食材を効率的に使うため、
きっちり真四角になるように仕上げたい。
四つ出しの難しいところは、
生地を巻きつけて転がす時に、
何回転がせばこうなるということが分からないこと。
最初のうちは、
1回目は6回転、2回目は5回転という具合に、
回数を決めて行っていましたが、
生地の固さや打つ量によって、
適正な回転数が変わってくるのです。
そこで最近は回転数で決めるのではなく、
生地の変形の度合いを見るようにしています。
それはこんな方法です。
これは1回目の途中。
見ているのは、画像の上部のとがった部分。
ここの角度を見ています。
これではまだちょっと回転が足りなさそうです。
もう少し転がしたところ。
これくらいがいいようです。
あまりとがり過ぎると、角の部分が薄くなり過ぎるので、
この程度にとどめます。
2回目を終えたところ。
左右均等にとがっていて、
ラグビーボール型になるくらいがいいと思います。
ひし形に近くなってくると、転がし過ぎです。
そば打ちの作業って、
不可逆、つまり後戻りができないことが多いのです。
やり過ぎ=失敗につながってしまいますよね。
四つ出しもそんな作業の一つです。