音頭をとるからオンドマルトノ | 神田勇哉のブログ

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フルーティスト 神田勇哉の日記

定期演奏会でした。



今回は東京フィルの1000回記念定期演奏会!

という事で、ビッグに開催。




プログラムは

メシアンのトゥランガリーラ交響曲。


メシアンというと、フランスの近代音楽の大家だが、

改めて世間一般に浸透してるなにか有名なナンバーがあるか?というと別にない。


頭が良すぎて凡人には理解出来ない領域までぶっ飛んでる感がある天才の1人である。


(関係ないけどパリのコンセルヴァトワールにメシアンのポスターが飾ってあって、顔に落書きされていたのを思い出す。笑)




このトゥランガリラはメシアンの曲の中ではもっとも演奏される作品で、


聞いてみるとモロ現代音楽なんだけど、

構成や音がキッパリと整理されていて

聞きやすいといえば聞きやすい。


そしてオンドマルトノの音が聞こえてくると

一気に昭和の時代にタイムスリップするから

電子音てのは面白い。笑


YMOなんかも、今聞くとすっごいレトロだけど、

きっと当時は死ぬほどカッコよかったのだろう。





マエストロのチョンさんは

「彼は私が今まで出会った人の中で

もっとも偉大で、器の大きい人間だった」

と言っていた。



そしてこうも言っていた。


私がこのトゥランガリラのCDを出す事になって

試作の段階でメシアンに聞いてもらったら


ピアノパートと

オンドマルトノのパートを

もっと音量あげてくれ、

と言われた。と


考えてみたら

メシアンがこの曲をこの編成で書いた理由が


彼の奥さんがピアニストで

そのいとこがオンドマルトノ奏者であったって事で

「なるほど」と理解したって…



それって🤣

めっちゃ縁故パワーじゃん。


どこが器の大きな人間なんだ。笑🤣


こういう本に書かれない生の話ってのは面白いね。

ワハハ




東フィルSNSより



この偉大な曲に立ち会えて

数回練習と本番させて貰った感想としては


音使いと楽器使いをミニマルの様に配置して音を味わう風だった。


「感情」とか「ストーリー」とか

一つの楽器の「モデュレーション」とか

あとは演奏者の「歌」とか

そういう要素があんまりないので、


ある程度システムをカチッと作ったら後は

歯車として正確に演奏するのみ、

って感じで、そこまでは深みを感じられなかった。



でもそれはチョンさんも

「若いエネルギーの曲」と言ってたし

実際30代後半の作品であるので、


この後のメシアン音楽はもっと広がりを見せるのかもしれない。



私はマニアでは無いし、演奏機会もないので、

分からないが。


日本では読売日本交響楽団が、数年前まで、

マエストロ、シルヴァン・カンブルランと

長い時間をかけてメシアン作品を全曲演奏した事で話題になった。


交響曲なのに何時間もかかる曲や

オーケストラ編成なのにフルートが10本必要だったり

かなりぶっとんでいたらしい。

すごい世界だ。😂




関係ないけど、

東京芸大の文化祭の

作曲科の出す飲食店の名前は

「飯庵」でメシアンらしい。笑


よく考えたな🤣