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ゆうすけくんのてきとーブログ

かわいいコーギーのゆうすけくんのお父さんが、
美味しいと思ったもの、趣味
そして、ゆうすけ君との思い出を書いているブログです。

 一死満塁。

 打席には、本藤賢二。

 南陽ベンチの声が、少しずつ遠くなっていく。

 球場のざわめきも、風の音も、グラウンドを踏むスパイクの音も、どこか遠い。

 本藤はバットを構えた。

 三塁には健太郎。

 二塁には悟。

 一塁には龍。

 南陽は、一点を追っている。

 打てば、試合は動く。

 打てなければ、終わる。

 秋と同じだった。

 一死満塁。

 最後の打席。

 あの時も、あと一本で試合が変わる場面だった。

 土佐中央。

 遠山直哉。

 最後に見た球。

 振ったバット。

 空を切った感触。

 打席の中で、本藤は一度だけまばたきをした。

 違う。

 今は、あの時ではない。

 マウンドにいるのは、遠山ではない。

 相手は、土佐中央ではない。

 ここは、秋ではない。

 本藤はバットを握り直した。

 聖愛女子のマウンドには、新居陽奈。

 一年生のエース。

 丁寧な投球で、ここまで南陽を無失点に抑え続けている投手だった。

 須奈子がマスクの奥から本藤を見る。

 今大会の本藤の記録はない。

 だが、名前はあった。

 秋大会まで、一年生ながら南陽の四番を打っていた選手。

 本藤賢二。

 聖愛女子のベンチでは、控えの選手が資料をめくっている。

 今大会の打席はない。

 けれど、秋までの実績はある。

 二塁の保奈美も、グラブを膝に当てたまま本藤を見ていた。

 一年の時のデータはある。

 けれど、今の本藤は分からない。

 大会に出ていなかった打者。

 それでも、この一死満塁で送られてきた打者。

 陽奈がマウンドから本藤を見る。

 須奈子がマスクの奥で目を細める。

 楊監督はベンチで頭を掻いた。

「秋まで一年生で四番を打っていた子だね」

 ぼやくような声だった。

「今大会の打席がないのに、ここで出てくる。これは、嫌な代打だね」

 逃げる場所はない。

 満塁。

 押し出せば同点。

 甘く入れば逆転。

 勝負するしかなかった。

 初球。

 須奈子は外角低めに構えた。

 陽奈が投げる。

 本藤は動かなかった。

 球は低めいっぱいに決まる。

「ストライク!」

 南陽ベンチの声が一瞬止まった。

 岡部はベンチの前で、バットを握っていない自分の手を見ていた。

 託した。

 自分で決める場所を、譲った。

 それが正しかったのかは、まだ分からない。

 ただ、もう戻せない。

 本藤は打席の中で、表情を変えなかった。

 見送った。

 それだけだった。

 二球目。

 須奈子は内角へ構えた。

 陽奈がうなずく。

 投げる。

 本藤のバットが出た。

 金属音。

 打球は三塁側へ切れる。

 ファウル。

 玲那が三塁線の外で、その打球を見送る。

 カウントは追い込まれた。

 ワンストライクから、ツーストライク。

 南陽ベンチの空気が硬くなる。

 護はベンチで、思わず拳を握った。

 あのバッティングセンターで見た本藤のスイングを思い出す。

 何も言わず、ただ打ち返していた男。

 野球をやめた人間のスイングではないと、誰もが思った。

 けれど、今は違う。

 投げているのは機械ではない。

 相手がいる。

 守っている選手がいる。

 走者がいる。

 試合がある。

 本藤は息を吐いた。

 遠山の球ではない。

 機械の球でもない。

 目の前の一球を見る。

 それだけでいい。

 三球目。

 須奈子は低めに構えた。

 陽奈は丁寧に投げ込んでくる。

 外へ逃げる球。

 本藤のバットは動かなかった。

「ボール!」

 須奈子がミットを止める。

 陽奈は顔をしかめない。

 カウントはワンボール、ツーストライク。

 まだ投手が有利。

 だが、本藤は打席の中で少しだけ足元をならした。

 悟が二塁ベース上から見ていた。

 中学の頃から見てきた構え。

 城東のサトケン。

 そう呼ばれた時の、本藤の立ち方。

 悟は何も言わない。

 声を出せば、何かが壊れる気がした。

 ただ、見ていた。

 四球目。

 須奈子はもう一度、外角低めに構えた。

 引っかけさせる。

 前進守備の内野へ転がせば、ホームで一つ取れる。

 うまくいけば、併殺で試合が終わる。

 陽奈が投げた。

 外角低め。

 丁寧な球だった。

 甘い球ではない。

 本藤は踏み込まなかった。

 無理に引っ張らなかった。

 身体を開かず、バットを遅らせる。

 来た球に逆らわない。

 金属音が鳴った。

 打球は右中間へ伸びた。

 朝倉美帆は、楊監督の采配で前進守備ではなく定位置にいた。

 一死満塁。

 外野が前に出ていれば、同点の走者を止められるかもしれない。

 だが、頭を越されれば、その時点で終わる。

 定位置なら、前に落ちても長打にはさせない。

 三塁走者の生還は許しても、二塁走者は三塁で止める。

 楊監督は、そこまで計算していた。

 健太郎が三塁からスタートを切った。

 悟も二塁から迷わず走る。

 打球を最後まで見てからではない。

 本藤のバットが外角の球に逆らわず出た、その瞬間だった。

 悟は、もう走っていた。

 打つ。

 本藤は打つ。

 そう信じていたから、迷わなかった。

 龍は一塁から打球を見たまま、走り出す。

 白球は右中間の芝へ落ち、大きく跳ねた。

 美帆が追いつく。

 素早く拾い、送球の動作へ移る。

 定位置だからこそ、追いつけた。

 定位置だからこそ、送球も遅れていない。

 中継へ投げる。

 健太郎はもうホームを踏んでいた。

 同点。

 南陽ベンチが爆発する。

 だが、まだ終わっていない。

 二塁走者の悟が三塁を蹴っている。

 美帆の送球が中継へ入る。

 楊監督の計算では、ここで止まるはずだった。

 少なくとも、止められるはずだった。

 だが、悟は止まらなかった。

 須奈子がホーム前に立つ。

 送球が返ってくる。

 悟は表情を変えず、ただ走る。

 須奈子が捕る。

 悟が滑り込む。

 土が舞った。

「セーフ!」

 その声が響いた瞬間、南陽ベンチが飛び出した。

 南陽、二対一。

 サヨナラ。

 本藤は一塁を回ったところで、足を止めた。

 記録は、右中間へのサヨナラ二点タイムリー。

 だが、本藤は拳を突き上げなかった。

 叫びもしなかった。

 ただ、一塁ベースの先で、ゆっくりと息を吐いた。

 秋の最後の打席。

 空を切ったバット。

 動かなくなった時間。

 そのすべてが消えたわけではない。

 けれど、少なくとも今、本藤は打席の中にいた。

 逃げなかった。

 振った。

 打った。

 南陽の選手たちが本藤のもとへ駆け寄る。

 健太郎が真っ先に声を上げた。

「本藤! 最高や!」

 岡部も遅れて走ってくる。

「女子高相手だから戻ってきた疑惑、少し晴れましたね!」

「少しかよ!」

 健太郎が突っ込む。

 本藤は何も言わなかった。

 ただ、ほんの少しだけ口元を緩めた。

 護はベンチの前で、その光景を見ていた。

 すごい打球だった。

 あのバッティングセンターで見たスイングが、試合の中で生きていた。

 機械に向かって打っていた背中ではない。

 今の本藤は、仲間の中にいた。

 聖愛女子の選手たちは、しばらく動けなかった。

 陽奈はマウンドで立ち尽くしていた。

 須奈子がホーム付近で、土のついたミットを見下ろす。

 最後の球は悪くなかった。

 外角低め。

 狙い通りの球。

 打ち取るための球だった。

 それを、打たれた。

 須奈子はマスクを外し、陽奈の方へ歩いた。

 陽奈は泣いていなかった。

 ただ、唇を強く結んでいた。

「ごめん」

 陽奈が小さく言う。

 須奈子は首を横に振った。

「悪い球じゃなかった」

「でも、打たれた」

「うん」

 須奈子は少しだけ笑った。

「だから、悔しいね」

 陽奈はうなずいた。

 美帆は右中間で、まだグラブを握っていた。

 追いついた。

 送球も遅くなかった。

 それでも、悟は還ってきた。

 保奈美は二塁の守備位置から、静かにホームを見ていた。

 データのある打者。

 けれど、今大会の記録がない代打。

 最後に、その一振りで試合を変えられた。

 玲那は三塁付近で、本藤の背中を見ていた。

 七回に自分が飛び込んで奪った一点。

 それを、最後に返された。

 表情は変わらない。

 けれど、土のついたユニフォームのまま、玲那は小さく息を吐いた。

 楊監督はベンチで頭を掻いた。

「いやあ、打つか。あれを」

 ぼやくような声だった。

 だが、悔しさは隠れていない。

「嫌な代打だったねえ」

 そう言って、楊監督はゆっくりと立ち上がり、悔しがるベンチの選手たちを労った。

 整列の声がかかる。

 南陽の選手たちは慌てて列に戻った。

 本藤も、少し遅れて列に入る。

 聖愛女子の選手たちも並ぶ。

 スコアボードには、南陽二、聖愛女子一。

 最後まで、どちらが勝ってもおかしくない試合だった。

「ありがとうございました!」

 礼の声が重なる。

 陽奈は顔を上げていた。

 聖愛女子の選手は誰も下を向いていなかった。

 負けた。

 だが、弱かったわけではない。

 そのことは、南陽の誰もが分かっていた。

 整列が終わると、悟が本藤のところへ歩いてきた。

 本藤はバットを持ったまま、グラウンドの端に立っている。

 悟は本藤の前で止まった。

「待ってた」

 本藤は少しだけ目を伏せた。

「……悪い」

 悟は首を横に振った。

「次だ」

 本藤は何も返さなかった。

 ただ、スコアボードを見た。

 南陽二。

 聖愛女子一。

 勝った。

 けれど、終わりではない。

 次の相手が、もう待っている。

 土佐中央。

 秋に止まった時間は、まだ完全には動き出していない。

 遠山直哉。

 あの時、本藤のバットを空へ振らせた投手。

 そして、龍がもう一度ぶつかる相手。

 本藤はバットを握り直した。

 さっきまで手にしていたのは、岡部のバットだった。

 託されたバット。

 戻る場所を示されたバット。

 岡部が近づいてきて、手を差し出す。

「本藤君、バット返してください」

 本藤は黙って返した。

 岡部はそれを受け取り、にやりと笑った。

「これで僕のバットは、サヨナラ打を打った縁起物になりました」

「お前が打ったわけちゃうやろ」

 健太郎が言う。

「細かいことは気にしない」

 岡部はそう言って、バットを肩に担いだ。

 そのやり取りに、南陽の選手たちが笑う。

 本藤はその輪の中にいた。

 大きく笑うわけではない。

 多くを話すわけでもない。

 それでも、もうベンチの隅にはいなかった。

 護はその姿を見て、静かに息を吐いた。

 南陽の四番が、戻ってきた。

 その日の帰り際、本藤は一度だけグラウンドを振り返った。

 誰かに声をかけるわけではない。

 何かを誓うわけでもない。

 ただ、見た。

 そして、前を向いた。

 次は、土佐中央。

 本藤賢二の止まっていた時間は、ようやく少しだけ動き出した。

土曜日のバースライトはスタートが今ひとつで最後方からの競馬。

道中は内へ入れてじっと我慢という感じです。

このあたりは2600を続けて使ってきていたので、そういう展開もあるかなあとは思っていました。

勝負所で上がって行ってほしいと思うのですが、前との差は詰まらず。

すぐ前にいた2番の進路取りに影響されて馬群の中へ。

内に切り替えるのですが、勝ち馬からは遠く及ばずの5着。

しかしながら、普通に後方からの競馬はできたのかなとも思える競馬でした。

ただ、勝ち馬には脊振山特別で勝っているんだよなあ……。

展開一つということですかね。

ぶっちゃけ、今のクラスは何とかなるかもしれませんが、成長が無ければその上で苦しくなりそうなので、自分の形を見つけてもらいたいところですね。

少しずつ力をつけていってもらえれば。

最後に吉田隼人騎手とは、手が合っているように思えました。

最後の進路取りはもう少し何とかならなかったかとは思いますが、

しまいは脚を使えていましたし、今後、このコンビは継続してもらいたいところです。

 

本当はレース後のコメントにある、連闘を期待していたんだけどなあ。

まあ、無理せず先を楽しみにということで。

火曜日は大腸ポリープの検査結果など、病院巡り。

幸い大きな異常はなく、2〜3年に一度内視鏡検査を勧めますくらいだった。

病院の待ち時間に積読となっていた馳星周氏の黄金旅程を読み終える。

レイデオロをモチーフにこういうの書いてみたいなと思う。

いや、スキルヴィングをモチーフに夢の続きを書くのか?

そうなれば、どちらかというとザ・ロイヤルファミリーになりそうであるが……。

スキルヴィングの夢の続きといえば、あのダービー以来、夢の時間という思いができていない。

今年のキャロットクラブの募集は

ダービーに挑む

をテーマに申し込みをしたいと考えている。

というわけで、隠居は少し伸びそうだ。


いい加減ダイエットをしようと思うが、なかなか道は遠そうである。

とりあえず、鶏の胸肉スープを主食に取り組んでみようと思う。


土曜は1日まったりと過ごすが、日曜が仕事だったりする。

休みの翌日に仕事というシチュエーションは不思議と創作が捗るもので、堅物サウスポーがあと少しで一つの区切りまで来そうだし、整えているコンカフェにハマるおじさんの話も完結近くまできた。こちらは完結したら、カクヨム、なろうに投稿するつもりです。


本当はこのくらいのペースで自分で書く物語も進めたいんだけどなあ

というわけで、今週の予想へ

日曜仕事だったので、印と買い目だけです


新潟記念

◎ゾロアストロ

◯ロデオドライブ

△ドゥレッツア

△ダノンシーマ

迷ボーンディスウェイ


馬券は印の3連単BOX

◎◯の頭厚めで


中京2歳S

◎サンタンジェロ

◯ジーティーマイカ

△バクソウシャチョウ

△シスキンブルーム

△ビスケットサンド


馬券は3連単フォーメーション

◎◯→印全部→印全部


今日取り上げた2冊の本をお勧めしておきます。



土曜札幌11R札幌日刊スポーツ杯に愛馬バースライトが吉田隼人騎手で出走します。

 

前走が魔さかの大敗で、長距離戦という適性舞台が見つかったと思ったのに、結局は馬が気分良く走れるかという感じがするのです。

今回、吉田隼人騎手に替わってどうかというところですね。

あと、除外で1週伸びたのですが、こちらに関しては急仕上げ気味だったので、むしろいいのではないかなと思います。

それより心配は馬場ですねえ。

ダートに見切りをつけることになった一戦が、湿ったダートでした。

芝でも渋ると厳しいかな?と思ったりします。

相手関係ですが、アリスメティークが強敵ですねえ(苦笑)

馬主さんを知っているからというわけではないのですが、このクラスでは普通に上位の馬だと思います。

バースライトは切れる脚がないので、3走前のような競馬が理想だと思います。

なので、スタートを決めて、アリスメティークよりは前で競馬をしてほしいと思っていますし、スムーズな競馬を吉田隼人騎手に期待したいですね。

 

セラフィックコールはデキが上向けば東京記念から始動もあるとのこと。

ただ、暑い時期に無理はさせたくないという表現もあるので、本当に馬次第というところですかねえ。

個人的には東京記念→どこか一戦→東京大賞典を希望しているのですが。

 

ミダースはまだまだ先は長いです。

とりあえず定期健診で順調な回復と診断されればいいのですが。

 

サラスヴァティーは心音の問題がクリアできれば復帰に向かうとのこと。

まずは10月の結果待ちというところでしょうか。

何事もありませんように。

 

レイジングサージはいい意味で開き直ってくれたなと思います。

正直、厳しい状況なのは覚悟していますが、ここから無理にデビューを目指してもパンクするだけでしょう。

この馬のペースでどこまで仕上がるか。

デビュー戦は見に行こうかな……。

 

カーリーウィップは天栄で軽めの調整。

まあ、まだ焦る時期ではありませんから、年内デビュー位を目標に仕上げていってもらえればと思います。

 

ラディオーサは右前の浮腫みはマシになってきたとのこと。

やはり、体質は強くなさそうですね。(だから、勢司先生とこなんでしょうけど)

こちらも、なんとか年内にデビューしてもらえればというとこですかね。

 

カトマンズゴールドは更新がありませんでした。

来週には方針が示されるでしょうし、勝てていない3歳の鬱憤を晴らす走り、いや、勝利を期待したいです。

 

明日出走のバースライトは、また明日に!