フレイルに気を付けよう No.373 12月30日発

 

 最近、フレイルという概念が盛んに老年医学の分野で論議されています。

 フレイルの語源はFrailty(フレイルティ)という英語です。

 これは虚弱、老衰、脆弱を意味しています。医学上の造語ですが、最近よく使われます。

 フレイルとは健康な状態と、介護を必要とする不健康な状態のはざまにある状態のことです。

 フレイルの状態に陥っているかどうかを見極める方法が5つあります。これは、世界の老年医学界で使われている基準なので挙げてみます。

 1.握力の低下 2.体重の減少 3.疲れやすい 4.歩行速度の低下 5.身体活動量の低下

 これらを提唱者の名をとってFriedの5項目と言います。そして、これはフレイルの基準として診断に活用されています。これらの項目の多くに気付いた時には、その回復のために次のような対策を講じてください。

*フレイルからの脱出の3原則

 それは、栄養と運動、それに社会への参加です。

 栄養は、三大栄養素とミネラル、ビタミン、それに食物繊維、さらには第7の栄養素、スルフォラファンを十分に摂ることが必要です。

 運動に関しては、体の筋肉を落とさないために、散歩やインターバル速歩法、それに筋トレ、スクワットなどが必要です。

 それに三つ目の社会への参加とは、要するに引きこもり生活をしないことという意味を含んでいます。ともかく孤独になることは避け、できるだけ対人関係を豊かにして、また、地域の催しものなどに積極的に参加することが大切です。

 もう一つ、フレイルから脱出するために大切なことがあります。

 廃用症候群との違いですが、フレイルの危険因子の一つが廃用症候群だと考えればよいと思います。

 

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本の一部より