〇健康長寿の食事法
平均寿命が100歳に到達するのも夢ではなくなりましたが、それまでの人生を、大病に罹らず、認知症とも無縁で、楽しく過ごしたいものです。この、いわゆる健康長寿をめざすためには、どんなことに気を付けたらよいでしょうか。そのためには、何といっても平素の食生活が大きな影響力をもっている、と言えると思います。
65歳の高齢者と呼ばれる年齢に差しかかったら、意識的に三度の食事に気くばりをすることです。それからの35年間、食事に関心を持つのと持たないのとでは大きな差が生じます。
〇小鉢料理のすすめ
健康長寿のための栄養法としては、七つの栄養素を、三回に分けて毎日確実に摂取することが必要です。
三大栄養素の蛋白質、脂肪、炭水化物、それにビタミン類とミネラル、さらに食物繊維を忘れてはいけません。これに加えて、最新の医学では、第七の栄養素と言われる、ブロッコリーなどの野菜に含まれる抗酸化物質のスルフォラファンを、忘れずに毎日摂取することが推奨されています。
しかし、これだけの栄養素をきちんと経口摂取することは、年を取ってくるとだんだん難しくなってくるかもしれません。
そこで登場するのが、小鉢料理です。毎日食べなければならない栄養素を含む料理を、あらかじめ決めておいて、それで忘れずに食べるようにするのです。それでは、具体的にどんな小鉢料理を食べるのか考えてみることにしましょう。
〇大豆、根菜、海藻、を小鉢で食べる
①畑の肉の大豆の小鉢
豆腐、納豆、高野豆腐、冷奴、白和え、を日替りで一品食べる
②根菜を忘れずに加える
切り干し大根、きんぴらごぼう、とろろ芋、里芋、八ツ頭、の一品料理
③海藻でミネラル補給
浅草海苔、ひじき、わかめ、昆布、メカブ、モズク、の料理の一品
④野菜、キノコをたっぷりと摂る
ブロッコリー、かぼちゃ、トマト、舞茸、椎茸、エノキ、ナメコなど
これらの小鉢を、朝、昼、晩に五、六品目用意する。あとは、主食のご飯と具沢山のみそ汁、それに鶏卵は一日二個まで、できれば、これに蛋白質の補給を考えて、鮭、一切れの半分程度、それから魚介類の刺身を加える。
ともかく、主菜、副菜を加えて、従来の日本の食卓に並べられた、一汁三菜ではなくて一汁六、七菜にすることが長寿食の基本なのです。