腸を制する者は性を制する

 

 体のスタミナを保つためには、「腸活」とも呼ばれている腸の手当てが何より大切です。

 腸は、栄養補給の第一の関門です。まず、ここに体の欲する食材を十分に補給しなければなりません。

 栄養素の中で、精力を高める食材は何といっても肉です。肉類には三大栄養素をはじめ、ミネラル、ビタミン類が豊富ですから、体の筋肉やホルモン、それに自律神経の働きや新陳代謝を盛んにしてくれる作用があります。したがって、スタミナ不足や精力減退を感じた時には、肉が最高の特効薬になります。

 古い話ですが、私の知人に週に十人のパートナーと夜を楽しんだ男がいましたが、彼は毎日ディナーで400gのステーキを食べていました。

 また、愛するパートナーと長い人生を楽しむためには、スタミナの持久力が必要です。そのためには、魚の蛋白質と大豆の植物性蛋白質を毎日補うことが大切です。

 最近の研究では、大腸には長寿菌が繁殖していて、それが健康長寿を支えていることが明らかになりました。この別名、「酪酸菌」とも呼ばれている菌は、何よりも食物繊維が大好物です。それに、どちらかというと、肉食よりは日本食を好む傾向があります。なぜなら、肉の多食は、インドールやスカトールなど、蛋白質が悪玉菌によって分解される時に出るガスを発生させ、がんの発生を早める危険があります。

 それに対して、伝統的な日本食の魚や大豆の蛋白質は腸にやさしく、体の免疫力や持久力をつけるために役立ちます。

 つまり、性欲の旺盛な年代は肉食を多用し、一方、丈夫で長持ちする性生活は、魚と大豆で育む。そうすることによって、幾つになっても第二の青春を楽しみながら人生を全うできるはずです。「腸活は性を制する」と知り、食生活に気をつけましょう。