サル痘が人類に感染

 

 天然痘は、1980年に絶滅して、もう予防接種の必要性もない、と言われてきました。

ところが、サルに発生する天然痘が人類にも伝染を広げている、という症例が出てきて、世界中が騒然としています。

 

発生状況は、瞬く間に拡大

 

 5月7日、イギリスで天然痘によく似た症状の患者が発生しました。

この1人の患者が出てから、あっという間に世界に感染が広がっています。

 

カナダ      13人

イギリス      9人

スペイン      7人

アメリカ      7人

ポルトガル     5人

フランス      1人

イタリア      1人

スウェーデン    1人

オーストラリア   1人

北アイルランド  人数不明

 

これだけ感染が拡大していると、世界は狭くなっていますから、余程の水際対策を強化しないとわが国も油断は出来ません。

 

ウイルスは極めて天然痘と類似

 

 天然痘ウイルスとサル痘ウイルスは、いずれもポックスウイルス科のオルソポックスウイルス属に分類されています。

 

症状は以下の通りです。

A.発熱

B.頭痛

C.筋肉痛

D.リンパ節などの腫れ(腫脹)

E.その他、手の平や足の裏の皮膚に発疹が出ることもある

 

現在、CDC(疾病対策予防センター)は、予防注射の必要性があるかどうか、検討に入りました。

 

江戸時代、将軍家を悩ませた難病

 

 天然痘は、人類にとって最大の天敵として恐れられてきました。

わが国でも、感染が広がり、将軍家の中にも世継ぎが次々と倒れた例があります。

また、エジプトのミイラにも皮膚の瘢痕から、天然痘で死亡したことが判明したことがあります。

 

 このように、死んだはずのウイルスが、また蘇ってくるとは、地球は危機的な状態に足を踏み入れた感が否めません。

 

 戦争などやっている場合ではないのです。

 

 人類は、その知恵を結集して、今こそ生命を守るために、一致団結しなければなりません。

 

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