テーマ:医薬品の品不足に四苦八苦している日本の医師たち

 

①昨年来ジェネリック品不足40%減

 薬が順調に手に入らなくなったという情報は、8月頃よりありました。今では国の方針でもある医薬品の80%はジェネリックというスローガンの元に、どこの病院でもジェネリックが相当使われています。また、先発医薬品のブランドに比べると、価格が安いということもあって、年金の目減りが大きい高齢者にはジェネリックを飲む人が増えています。

 しかし、その頼りのジェネリックが今年に入っても相変わらず不足状態がつづいています。

 

②その品不足の原因は複雑です

 5月に入って、マスメディアの三大紙の一つが、ジェネリック不足に警鐘を鳴らす特集を組みました。

 それによると、大きな原因を次のように分析しています。

・行政処分を受けた後発医薬品メーカーの事業撤退などが最大の原因

という見出しのもとに、その不正の概要を伝えています。

 それによると、あるメーカーが爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入。245人が健康被害を訴え、そして2人が死亡しました。

 それを契機として国は、ジェネリック製造のメーカーに立ち入り検査などを実施し、それによって業務停止命令、業務改善命令などがなされ、その結果、全国的にジェネリック医薬品の不足状態が加速しました。

 

③薬の出荷調整で予想外の薬が不足をきたしている

 薬と言えば、肺炎や心臓病、がんなどの治療薬を思い出すかもしれませんが、実は超高齢化社会になって、栄養不足を補わなければならない薬も、この高齢化社会を支えるためになくてはならない薬なのです。

 例えば、栄養がかたより、ビタミン不足が高じると口内炎などが頻発し、高齢者の栄養管理が難しくなります。

 薬といってもこうした状態の時に使う薬は、1剤5円とか6円しかしません。しかし、この安い薬を飲むことによってビタミンB2やビタミンB6などの不足を補うことができますから、口内炎などを免れることになります。

 今、病院で手に入らないこうした栄養剤は薬局やスーパーなどで手に入れることになりますが、5円や6円では手に入りません。かなり懐が痛むはずです。よく薬は「薬にもなるし、毒にもなる物質」だといわれ、出来れば薬など飲まないにこしたことはないという意見もあります。

 しかし、一日5円から10円の薬で健康長寿を保ち、痛くて物が食べられなくなる口内炎を防げれば、高齢者の顔に笑みがうかぶはずです。そして「笑う門には福来たる」の格言のとおり、路地裏まで幸せな老人たちの声が響いてくるに違いありません。