ドクター志賀のワクチンと免疫の羅針盤 No.159
「コロナ禍、依然として入退院に苦慮する患者さんたち」
①わが国のコロナの死亡者数、100人台から減少せず
わが国のコロナ感染はかなり減少したことは事実ですが、まだ4万人台からなかなか減少しません。もう少し詳しくデータを挙げてみますと3月25日の感染状況は、次の通りです。
1日の感染者数 47,470人
重症者 733人
死亡者数 115人
このデータを見て気になるのは、死亡者の数です。依然として1日百人以上の人が亡くなっています。
②変異株の主流は、オミクロン株、BA.2
全国感染の第6波では、コロナの主流はオミクロン株BA.2に移ったと考えられています。ウイルス全体の約40%を占めているのではないか、と推測されています。海外では、既にBA.3が猛威を振るい始めている所もあり、油断はできません。
③感染から死亡までの期間は5波のデルタ株感染の約2倍
とにかく、オミクロン変異株の感染力は強く、また、感染すると重症化して死亡するまでの期間が極めて短いのが特徴です。とくに70代の人は感染後の重症化が速いのでくれぐれも注意が必要です。
④首都圏の介護施設、病院はクラスター(感染爆発)で入院患者は缶詰め状態
コロナの報道は、マンネリ化の傾向があり、あまり記事にもなりません。老健、特老、病院などでのオミクロン感染が拡大を続けています。
どこの病院も入院患者の移動がままならず、文字通り缶詰状態におかれています。病院の入院患者の長期入院は国の方針に反する現象でもあるのですが、コロナ感染の患者は感染が完全に収まるまで他の施設への転院や、在宅医療への切り替えが出来ず、病院のベッドは満床で機能不全に陥っている病院が出てきています。
この現状を国民はつぶさに知って感染予防に役立たせなければならないと思います。