ドクター志賀のとっておき情報 No.155

 

テーマ① 高齢者に仕事と住居の提供を

テーマ② 北陸のある町で画期的な試み

 

アルバイト付、介護付サービス住宅

 ずいぶん複雑そうな制度に聞こえますが、これからの高齢化社会に実にふさわしい制度だと思います。

 まず、この町では日本全国から、多少お金の余裕のある高齢者に介護サービス付住宅への入居者を募集しました。

 入居条件は、一定の保証金が払えること、毎月の介護住宅の使用料が払えることです。

 月々の施設にかかる費用は、食費、住居費、見守り料などを含めて20万円。その内半分の10万円の年金があることが条件でした。

 

月々15万円のアルバイト料、保証の制度に支払いの不安消える

 実は、この介護施設では、入居した人の全ての人に労働意欲があれば、月15万円の収入が保証されるアルバイトが付いているのです。

 その仕事とは、施設の高齢者の介護サービスです。

 部屋の掃除、入浴の見守り、散歩、買い物の同伴など。

 ADLが低下した入居者の世話をすることで、その労働量に見合ったアルバイト料が支払われる仕組みになっているのです。

 何年か経って介護が必要になると、新しく入ってきた元気な高齢者が順番に面倒をみてくれます。

 ADLとは、身の回りのことがどれ位自分で出来るかという物差しだと思えばよい、と思います。

 このようにして、普通の街中(まちなか)にある介護施設の人手不足と経営難を、施設側はこうして入居者の労働で補います。

 一方、施設の入居者は、自活が出来るうちは、他の入居者の世話をし、お互いに助け合って人生を全うすることになります。

 すばらしいアイデアだと思いますが、高齢者がこれから生きていくための参考になるのではないかと思います。