腰椎椎間板ヘルニア | 大阪市住之江区にある【ゆう鍼灸整骨院】

大阪市住之江区にある【ゆう鍼灸整骨院】

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みなさん一度は耳にしたことがあると思います。世間一般でいう『腰のヘルニア』。正式には【腰椎ヘルニア椎間板ヘルニア(よう-つい-つい-かん-ばん-)】といいます。
どの疾患でも重要ですが、腰の疾患、特に腰椎椎間板ヘルニアを語る上で重要なのが【脊椎】です。






〜脊椎とは〜
背骨のことを『脊椎(せき-つい)』といい、この脊椎は『無脊椎動物』と呼ばれるタコなどの生き物以外の『脊椎動物』と呼ばれる生き物であるヒトはもちろんそれだけでなく犬や猫などの動物にも存在します。

この脊椎は
脊椎の首の部分である『頚椎(けい-つい)』
脊椎の胸の部分である『胸椎(きょう-つい)』
脊椎の腰の部分である『腰椎』
腰椎の下で骨盤の部分にある『仙椎(せん-つい)
一番下の尾てい骨と呼ばれる『尾椎(び-つい)』
の5つに分類されます。

さらにそれぞれの脊椎は1つではなく、通常全部で26〜34個と言われています。
その内訳は
頚椎が7つ
胸椎が12こ
腰椎が5つ
仙椎が5つ
尾椎が3〜5つ
仙椎は5つですが、この5つは全てひっついており、『仙骨(せん-こつ)』と呼んで1つに数えられることもあります。
尾椎も3〜5つが癒合されて『尾骨』と1つとして数えられることが多いです。
仙骨と尾骨をそれぞれ1つとして数えたら場合には脊椎は合計26こ。
仙椎が5つ、尾椎も5つとして数えた場合には脊椎の合計が34ことなるワケです。

稀に先天的に頚椎が8つあったり腰椎が6つあったりする人もいますが、基本的には上記の数字が脊椎の数となっています。
そして、この脊椎の1こ単位の骨を『椎骨(つい-こつ)と呼びます。




〜椎骨の構造〜
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椎骨の前側は楕円形のような形をした「椎体(つい-たい)」、後ろ側は弓のような形をしているので「椎弓(つい-きゅう)」と呼びます。
椎体と椎弓の間に「椎孔(つい-こう)」と呼ばれる穴があり、椎骨が連なって椎孔も連なるとその穴がトンネルになり「脊柱管(せい-ちゅう-かん)」と呼ばれ、中には脊髄が通ります。

椎体と椎体の間には『関節円板』や『椎間板』と呼ばれる椎弓には上下の椎骨との関節面があり、
「上関節突起(じょう-かん-せつ-とっ-き)」「下関節突起」 、横に伸びる「横突起(おう-とっ-き)」、後ろに伸びる「棘突起(きょく-とっ-き)」と呼ばれる突起が存在します。
ちなみに、普段身体の表面から触れている背骨はこの椎弓にある棘突起です。

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脊椎は背骨のことでその背骨は身体の中心を通っており、家でいうと大黒柱のようなもの。
しかし大黒柱のように1本ピシッと丈夫にたっているワケではなく、1つ1つの椎骨が積み木のように積み重なってたっています。
積み木を上に34こ乗せていく場合、動かさないように慎重にゆっくり乗せ、振動を与えないようにしないとガラガラガラッと崩れてしまいます。
でも人や動物が歩いたり走ったりしたくらいでは、背骨がガラガラ崩れて倒れてしまうことはありません。
何故積み木のように積み重なっている背骨が崩れないのか。
それは積み木とは違って脊椎の周りには靭帯や筋肉などの組織が存在し、それらの組織が脊椎を支えているからです。




〜脊椎を支えている靭帯〜
椎骨の周りにはいくつかの靭帯が存在します。
・前縦靭帯(ぜん-じゅう-じん-たい)
この靭帯は脊椎前面を上下に縦についている帯状の靭帯。後頭骨の底部から仙骨前面までついています。
・後縦靭帯(こう-じゅう-じん-たい)
椎体と椎間板の後面で脊柱管の前方を縦に走行している靭帯。前縦靭帯とともに、椎体と椎間板からなる柱を支えています。
・横突間靭帯(おう-とつ-かん-じん-たい)
隣接する椎骨の横突起同士を結んでいる靭帯。脊髄神経後枝の内側枝と外側枝を隔てています。
・棘上靭帯(きょく-じょう-じん-たい)
第7頚椎(頚椎の上から7番目)から仙骨までの棘突起先端を結ぶ靭帯。
・黄色靭帯(おう-しょく-じん-たい)
椎弓同士を結ぶ靭帯。脊椎が屈伸した際、椎弓間の距離が変わっても常に緊張している靭帯。

これらの靭帯の他、脊椎周りについている筋肉によって積み木のような椎骨は崩れずに保てています。











ここからが腰椎椎間板ヘルニアの説明の本番です。
周りの靭帯や筋肉に保たれている脊椎。その脊椎を構成している組織のうちの1つである『椎間板』。
その組織が腰椎椎間板ヘルニアにとって最も重要な組織となっています。





〜椎間板とは〜
椎間板は脊椎を構成している組織の1つで、椎体と椎体の間に存在している円板状の線維軟骨。椎骨にかかる衝撃を吸収するクッションになったり、椎骨の微妙な動きを可能にし、靭帯とともに脊椎を保持する役割をしています。
椎間板はゼラチン状の髄核とコラーゲンを含む線維輪によって構成されています。





〜ヘルニアとは〜
ヘルニアには『飛び出す』という意味があります。
ということは【腰椎椎間板ヘルニア】とは『腰椎にある椎間板が飛び出す』という意味になります。
椎間板自体がズレて後方や斜め後方へ飛び出していたり、線維輪が破れて椎間板の中身であるコラーゲンを含んでいる髄核が後方や斜め後方へ飛び出すことを椎間板ヘルニアといいます。
これが腰椎で起こっているから【腰椎椎間板ヘルニア】、頚椎で起こると【頚椎椎間板ヘルニア】と呼ばれます。
椎間板や椎間板の髄核が飛び出すことによって坐骨神経痛などの症状がでるワケですが、それだけで症状がでるワケではありません。
実際にMRIでヘルニアが確認されても症状がない方もたくさんおられます。

では何故ヘルニアによって神経痛などの症状がでるのか。
それは、飛び出した椎間板が坐骨神経を圧迫することが原因です。
それによって腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状である『坐骨神経痛(ざ-こつ-しん-けい-つう)』がでてきます。






〜坐骨神経痛〜
病院でも『坐骨神経痛ですね』と言われたことのある患者さんはたくさんおられます。
ではこの坐骨神経痛とは一体どういうものなのでしょうか。
坐骨神経とは第4・5腰神経と第1・2・3仙骨神経から構成されている人体で最も直径が太く、最も長い末梢神経です。
坐骨神経は梨状筋(り-じょう-きん)と呼ばれるお尻の筋肉の下から大坐骨孔(だい-ざ-こつ-こう)を出て、骨盤を出たあと,坐骨結節(ざ-こつ-けっ-せつ)と大腿骨の大転子の間を大殿筋におおわれて下がり,膝の裏の膝窩までいきます。その膝窩でさらに脛骨神経(けい-こつ-しん-けい)と総腓骨神経(そう-ひ-こつ-しん-けい)の2枝に分かれます。
脛骨神経はふくらはぎから最後は足の裏、総腓骨神経は脚の前側から最終的には足の甲に至ります。
先程『坐骨神経は第4・5腰神経と第1・2・3仙骨神経から構成されている』と言いましたが、坐骨神経痛が腰から足にかけてどこに出ているかでどの高位の腰椎または仙椎で神経が圧迫を受けているかがわかります。
ちなみに英語で腰椎はLumbar、仙骨はSacrumといいます。その頭文字をとって第1腰椎ならL1、第2仙椎ならS2と表記します。
また、上の椎骨と下の椎骨で構成される椎間孔からでる脊髄神経がありますが
第1腰椎と第2腰椎の間からでる神経をL1/2、第5腰椎と第1仙椎からでる神経をL5/S1と表記するのが一般的です。





〜発症部位と症状〜
"L1/2(第1腰椎と第2腰椎間)でヘルニアが発症した場合"
症状は「腰の上あたり」に痛みが出ることが多いです。
"L2/3でヘルニアが発症した場合"
「足の付け根やそけい部、股関節あたり」に痛みやだるさ、痺れなどがでます。
"L3/4でヘルニアが発症した場合"
大腿前面の部分に痛みや痺れ、だるさがでてきます。
"L4/5でヘルニアが発症した場合"
腰痛もそうですが、ヘルニアが最も発症しやすい高位。この部分は腰を動かすときに一番動きの大きい部分になるので圧力や負荷がかかりやすくなり、痛めやすい部分になります。腰痛で来院される患者さんの大半はこの部分に痛みを訴えますし、ヘルニアの既往歴がある患者さんの中でもほとんどの方がこの部分にヘルニアを発症しています。症状としては、「おしりから太ももの横、膝の下や、外側のすね」が痛んだりしびれたりします。いわゆる『坐骨神経痛』と呼ばれる症状ですが、放っておいて悪化すると親指の力が入らなかったり、足首があげられなくなることがあります。
"L5/S1でヘルニアが発症した場合"
「おしりから太ももの裏、ふくらはぎ、かかと、足の裏や足の小指」にしびれや痛みがでてきます。
この症状も『坐骨神経痛』と呼ばれる症状です。




ザックリですが、ヘルニアについてだいたいのことは知っていただけたと思います。
腰から下の神経痛の原因として最も有名な疾患である腰椎椎間板ヘルニアですが、一般の方で詳しく知っていることは少ないです。
もし下肢に痺れがある方はこれを参考にしてもらえるといいかと思います。






〜治療〜
腰椎椎間板ヘルニアの疑いがある患者さんは普段からたくさん来院されます。
神経痛の原因はたくさんありますが、筋肉の緊張によって神経痛がでている場合は緊張した筋肉をマッサージで緩めてあげるのも効果的です。
しかし腰椎椎間板ヘルニアが原因で神経痛がでている場合、腰に強いマッサージはオススメしません。
飛び出した椎間板または椎間板の中の髄核が神経に当たっている腰椎付近に、マッサージのような脊椎に強い圧迫が加わることをすると余計に症状が悪化してしまう可能性があります。

当院では鍼灸治療や超音波治療、レーザー治療、坐骨神経へ刺激をいれる治療などをメインに進めていきます。
症状が強い方、とれにくい方は根本的に体の歪みをとっていく整体治療を行うことも少なくありません。

正直にいうと、飛び出ている椎間板や髄核を元の位置に戻すことは手術以外では困難です。
ですが、症状を改善することは可能です。
当院でも実際に『飛び出した椎間板はそのままだけど症状は全くなくなった』という患者さんもたくさんおられます。
腰椎椎間板ヘルニアでお困りの方、坐骨神経痛でお困りの方は一度ご相談ください。