手首や指の痛み | 大阪市住之江区にある【ゆう鍼灸整骨院】

大阪市住之江区にある【ゆう鍼灸整骨院】

大阪市住之江区緑木1-1-2田中ビル1F
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※予約優先制  ☎06-6682-3171

普段生活をしていると動作や仕事内容によっては、当然ですが『痛めやすいところ』がでてきます。その中でも一番多いのが腰。腰痛は日本人のうち、ほとんどの人が生涯に一度は経験すると言われておいます。もはや腰痛は国民病といっても過言ではありませんが、腰の他にも痛めやすい部位は首や膝、肩などが挙げられます。そんな痛めやすい部位の中の1つに手首も挙げられます。
例えば『重い荷物を持つ』『物を摘む』『ネジを締める』『手首をよく回す』など、そんな動きの多い方は要注意です。また、『スポーツをしていて転ける』『走っていて人とぶつかる』などが原因で手首や指の怪我をしてしまう方も多くおられます。

転けたときを思い出してみてください。ヒトは本能で無意識に頭を守る動きをします。転けたときに頭から地面に着くという人はいません。意識がない場合以外はほぼ全てのケースで手から地面に倒れ込みます。すると一番衝撃を受けるのは、最初に地面に着く【手や手首】または【指】です。ということは、その部位は転けた時に一番痛めやすいということになります。
今回はそんな手首や指の疾患を紹介していきたいと思います。









転けた場合に痛めやすい手や手首ですが、『手首の痛み』や『指の痛み』と聞いて、一番はじめにパッと頭に浮かぶのが【腱鞘炎(けん-しょう-えん)】かもしれません。
誰もが見聞きしたことのある疾患ですが、いったい腱鞘炎とはどんな状態なのでしょうか。
簡単にいうと『「腱鞘」が「炎症」を起こしている』状態のことです。
腱鞘とは『腱が通るトンネル』のこと。腱が長い手や足には腱鞘が多くあり、関節包が細長く腱を取り巻いたものを『腱を納める鞘』で腱鞘と呼びます。中には滑液があり、腱の動きを滑らかにすることによって関節をスムーズに動かせることができます。そのおかげて物を掴んだり摘んだり、握ったりの動作が円滑に行えるわけです。しかし腱鞘に炎症が起こってしまうと、それらの動作を円滑に行うことができなくなります。ここから腱鞘炎について詳しく説明していきます。

腱鞘炎の原因は大きくわけて2つあります。
1つ目は手や指の使いすぎによって腱鞘が肥厚したり傷ついたりしてしまった状態。腱と腱鞘が擦れて炎症が起こってしまっているものです。『仕事でパソコン作業が多い』『楽器の演奏をよくする』『家事やスポーツで手首をよく使う』ような人に起こりやすい腱鞘炎。
もう1つは更年期や妊娠中、産後の女性ホルモンのバランスの乱れによって浮腫んでしまうことが原因といわれています。
浮腫んだことで腱と腱鞘が擦れやすくなり、擦れた結果炎症を起こしてしまいます。



指の腱鞘が炎症を起こしてしまうと患部に痛みや腫れ、熱感が生じます。そして進行すると腱鞘が腫れ上がって内部が狭くなり、指の曲げ伸ばしの時に腱がカクッと引っかかってスムーズに動かせなくなります。この状態を【バネ指】と呼びます。このバネ指、状態のひどい方は曲げるときのカクッという音が周りの人にも聞こえるくらい大きいときがあります。
『カクカク鳴るし、腫れてるし、痛みもある』という人は疑ってみてください。


指ではなく、手首の親指側に起こる腱鞘炎で【ドケルバン病】と呼ばれるものがあります。【狭窄性(きょう-さく-せい)腱鞘炎】とも呼ばれ、腱鞘炎の代表的な疾患です。
手を広げて親指を反らせたときに2本の筋が浮き出ますが、その腱の部分で起こる腱鞘炎のことをいいます。親指を握り込んで、そのまま手首を小指側へ曲げると痛みが出ますが、ひどいと痛みで親指を曲げることもできなくなります。


腱鞘炎は症状がひどいと注射を打ったり、悪化してしまうと病院で手術をすすめられることもあります。『手術はしたくない』『注射が痛いから何か方法がないか』と当院に来院される患者さんも多くおられます。
当院では超音波治療やレーザー治療で症状を改善させ、専用のテーピングや固定などで症状が悪化しないようにできるだけ手の負担を軽減させます。症状が出始めたら早めにご相談ください。







歩行中や運動中に手をついて転けると、手首の骨折や捻挫の危険性があります。
手首は意外と繊細なつくりになっています。そんな手首には手根骨(しゅ-こん-こつ)と呼ばれる小さな骨が8つあります。
それぞれ豆状骨・三角骨・月状骨・舟状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鉤骨
という名前なのですが、その骨同士は靭帯などでバラけないように繋がっています。
そのうちの舟状骨(しゅう-じょう-こつ)という骨が転けて手をついたときに骨折しやすく、しっかり治しておかないと後々厄介な疾患となります。
舟状骨は親指側に存在し、その名の通り船のような形をしており、手根骨の中でも重要な骨です。他の手根骨とは違い傾いているため、【舟状骨骨折】の際はレントゲン検査でも見逃されることがあります。
そして骨折していることに気付かずに放置しておくと、「偽関節(ぎ-かん-せつ)」になってしまう恐れがあります。
偽関節とは『骨折した骨が引っ付かず、関節のように動くもの』のこと。ただ、これだけ聞くと『関節増えてラッキー』と思うかもしれませんがそれは大きな間違いです。
偽関節によって痛みを伴うこともありますし、本来動かしたい関節の近くに偽関節があるとそこも動いてしまうので、イメージ通りに関節を動かすことができなくなってしまいます。
そんな偽関節になりやすい骨折はいくつかありますが、舟状骨骨折はそのうちの1つ。
舟状骨骨折が偽関節になりやすい原因は舟状骨のつくりにあります。
骨折を治すための栄養は血液によって送られてきます。舟状骨は血流に乏しい部分が存在します。もともとが血流の悪い部分が、骨折することによって余計に血流が悪くなります。その結果、骨折を治すための栄養が不足してしまうため偽関節の発症率が高くなってしまいます。

親指を反らしたときに筋が2本浮き出てきますが、その筋と筋の間は「タバコ窩」「嗅ぎタバコ入れ」と呼ばれ、そこに舟状骨があります。舟状骨骨折を起こしている場合はその部分に痛みがでてきます。









手首の小指側、手首のシワあたりに骨のない柔らかい部分がらあります。この部分に痛みがでた場合、【TFCC損傷】の疑いがあります。
このTFCCとは『Triangular Fibrocartilage Complex injuries』の略で、日本語で『三角線維軟骨複合体(さん-かく-せん-い-なん-こつ-ふく-ごう-たい)』という意味。
『複合体』と呼ばれるだけあって、このTFCCは色んな靭帯などの軟部組織が合わさったものとなっています。
・掌側橈尺靭帯(とう-そく-とう-しゃく-じん-たい)
・背側橈尺靭帯(はい-そく-とう-しゃく-じん-たい)
・尺骨三角骨靭帯(しゃっ-こつ-さん-かく-こつ-じん-たい)
・尺骨月状骨靭帯(しゃっ-こつ-げつ-じょう-こつ-じん-たい)
・尺側側副靱帯(しゃく-そく-そく-ふく-じん-たい)
・三角靭帯
・関節円板
の7つがTFCCとなりますが、これらの靭帯や関節円板がそれぞれ役割を果たすことによって手首の衝撃を吸収し、負担を和らげています。

しかし使い方や使う頻度によって、TFCCが耐えれる負荷を超えてしまうと損傷し痛みを発生させます。
TFCCを痛めやすいのは、スポーツでは『テニスやバドミントンなどラケットを持つスポーツをしている方』、作業では『ドライバーなどでネジを締めたり手首を回すことが多い方』家事では『料理でフライパンを振るのが多い方』などが挙げられます。
これらは実際にしてもらうとわかりますが、手首の小指側に負荷がかかりやすい動きを強いられます。一回の負荷は微々たるものですが、この動きの回数・頻度が増えれば増えるほど負荷もどんどん増えます。
そしてそれだけ使って痛みがでているということは、普段の生活や仕事で痛めるような動きをすることが多いということ。なかなか手首を完全に休ませることができない状況の方が大半なので、発症すると治りにくい疾患のひとつです。
テーピングや包帯などで固定・保護をして手首にかかる負担をできるだけ減らすことが大切。
治療はもちろん、手首の使い方も重要となってきます。



TFCCと似たような症状の疾患で【尺骨突き上げ症候群】というものがあります。
前腕には2本の骨があり、親指側の骨を橈骨(とう-こつ)。小指側の骨を尺骨(しゃっ-こつ)と呼びますが、通常は手首の部分で橈骨・尺骨共に同じくらいの高さになっています。
ところが骨の変形や外傷または先天的な原因で尺骨の方が長くなってしまった場合、手根骨や軟骨が尺骨とぶつかって炎症や痛みが起こります。





学生の患者さんが『バスケをしてたら』『ドッヂボールでキャッチしたときに痛めた』と【突き指】で来院されることがあります。
一昔前は突き指をしたら『指を引っ張れ!』と言われることが多かったですが、実はこれ危険な処置なんです。
突き指と一言でいっても指がどんな状態になっているかわかりません。
靭帯を痛めている場合、指の背側の筋・腱を痛めている場合、指の掌側の筋・腱を痛めている場合、最悪の場合脱臼している可能性もあります。
そんな状態で指を思いっきり引っ張るとどうなるでしょうか?靭帯や筋・腱が部分的に断裂してしまっている場合、無理矢理引っ張ると断裂している傷口が余計に広がって悪化してしまうことがあります。
脱臼をしている場合。指の掌側に『掌側板』と呼ばれる組織がありますが、引っ張ってまたまた脱臼が治ったとしても、関節に掌側板が噛み込んで挟まってしまうと指の曲げ伸ばしが正常に行えなくなります。噛み込んだ掌側板を治すのは手術が必要なことが多いので気をつけなければなりません。脱臼を治すときは正しい方法で行わないと、余計に厄介な状態になってしまうことがあるので要注意です。









このように手首や指が痛いとき、パッと思い浮かぶだけでもこれだけの疾患があります。
ただ他にも手根骨の脱臼や骨折はたくさんあるので、もし痛めた場合にはいつでもご相談ください。