鍼灸治療 | 大阪市住之江区にある【ゆう鍼灸整骨院】

大阪市住之江区にある【ゆう鍼灸整骨院】

大阪市住之江区緑木1-1-2田中ビル1F
地下鉄四つ橋線北加賀屋駅徒歩3分
営業時間 月~金 9:00~12:00、15:00~20:00
        土  8:30~13:00
       日・祝   休診 
※予約優先制  ☎06-6682-3171

鍼灸治療(しん-きゅう-ち-りょう)といっても色々な考え方があり、またその数だけ治療の仕方もたくさんあります。

よく耳にする鍼灸治療ってそもそもどんな治療法なのか。

今回はそれを紹介させていただきます。



鍼灸治療と聞くと、まず東洋医学が頭に浮かぶかと思います。

東洋医学とは『心身のバランスを整え、病気を未然に防ぐという予防的な考えを中心とした医療体系』です。

基本的には【未病(み-びょう)】と呼ばれる病気になる前の段階で体調を整えていきます。


その東洋医学では、人が生きていくうえで大切な3つの要素【気】・【血】・【水】がスムーズに巡ることで健康が保たれると考えます。

【気】は西洋医学でいうところの自律神経系のことを指します。血と水を運ぶ役割をし、全身をくまなく巡らせます。

【血】は血液や内分泌系のことで、栄養を運んだり、老廃物を押し出して体内の環境の調節を行います。

【水】は免疫系の役割があり、身体に潤いを与え、ウイルスや細菌から身体を守ります。

これら気・血・水が全身を巡る通路を【経絡(けい-らく)】といい、さらにその経絡上には気・血・水を調整するポイントがあります。そのポイントを【経穴(けい-けつ)】と呼び、いわゆる【ツボ】のことを指します。

ちなみにヒトの全身にある361穴の経穴はWHO(世界保健機関)で効果があると認められています。




そんな鍼灸治療は気・血・水に作用してどんな効果を発揮するのでしょうか。

簡単にいうと鍼灸治療は、【自然治癒力】を高める治療です。

経穴に鍼(はり)や灸(きゅう)をし、身体の気・血・水の流れを良くして体調を整えていくのが鍼灸治療。

鍼・灸ともに免疫力を上げたり、崩れてしまった心身のバランスを整えたりして自然治癒力をアップさせます。

鍼灸治療は鍼治療と灸治療を合わせていいますが、鍼と灸はそれぞれ方法が違う治療となっています。




鍼治療とは、髪の毛くらいの細さのステンレス製の鍼をツボに刺し、ツボを刺激して気・血・水の流れを調整し、体調を整えます。

特に鎮痛作用・自律神経の調整による内臓の活性化・免疫作用をアップする効果があるといわれています。

素材もステンレス製なので、金属アレルギーの方も安心ですし、サビることもなく、よほど乱暴に扱わない限り折れることもないので安全です。

また、当院では1本1本小分けに密封、滅菌された使い捨ての鍼を使用しているので感染などの心配もありません。


灸治療は、灸の温熱やモグサ(灸の葉)の成分が経穴から体に浸透して、気・血・水の流れを調整し、体調を整えます。

冷え症の症状・肩こり・腰痛・婦人科の悩み

それ以外にも免疫作用アップ・病気の予防改善・体質改善などの効果もあるといわれています。灸はヨモギの葉の裏の綿毛だけでつくられているので、副作用が少なく体にやさしいのもメリットのひとつです。

灸治療と聞くと、『皮膚に直接灸を乗せて火をつける』『熱い』『火傷して跡が残る』イメージがあると思います。

確かにそういう治療法もあり、昔はよく行われていたそうです。

今は温筒灸(おん-とう-きゅう)といい、筒の中にモグサが入っていて、筒内の空気を温めることによって効果を出すものがあり、それは直接皮膚には乗せません。

確かにずっと我慢をすると火傷してしまいますが、熱すぎたらすぐに取り除くことができるので安全です。




そんな安全で身体の調子を整える鍼灸治療ですが、どのような疾患に効果が期待できるのでしょうか。

2002年に世界保健機関(WHO)が様々な疾患や症状に対して有効性があることを認めています。

WHOが鍼灸治療の有効性を認めている疾患は以下の通りです。

●運動器系

関節炎、リウマチ、肩こり、五十肩、腰痛、腱鞘炎、むちうち、捻挫など


●神経系

頭痛、めまい、神経痛、自律神経失調症など


●循環器系

動悸、息切れ、高血圧症、低血圧症、動脈硬化など


●呼吸器・消化器系

喘息、気管支炎、便秘、下痢、胃炎など


●代謝内分泌系

貧血、痛風、糖尿病など


●婦人科系・泌尿器系

生理痛、月経不順、更年期障害、冷え性、膀胱炎、腎炎など


●耳鼻咽喉科系・眼科系

中耳炎、耳鳴り、メニエール病、鼻炎、咽頭炎、眼精疲労など


●小児科系

小児喘息、夜尿症、消化不良、食欲不振など


一般的に鍼灸治療というと、東洋医学の考えのほかに、慢性のコリや腰痛・神経痛など運動器系の痛みに対する治療に使われるイメージが強いかもしれません。


なぜ運動器系疾患に有効なのか西洋医学的に説明すると、鍼の刺激によって痛みを抑制するホルモンが分泌されるからです。


あとは鍼を刺すことで血液の流れを良くし、筋緊張が改善されます。

しかし、上記の通り有効なのは運動器系だけでなく他の多数の疾患にも効果が認められています。もちろん自律神経系の乱れを整え、内臓機能のバランス改善に働きます。

 



「鍼で痛みが改善する」というのは有名な話ですが、【鍼麻酔】といって手術時に一般的な麻酔薬を使わず、鍼の鎮痛作用のみで手術を行うことにも成功しています。


なぜこのように鍼をすることによって身体の痛みや手術時の痛みを抑えることができるのでしょうか。


専門的になってしまいますが

鍼で経穴を刺激すると、その刺激は中枢神経を介して脳に伝えられます。

その際、下行疼痛抑制系の神経物質である【内因性モルヒネ様物質(=生体内に存在するモルヒネに似た物質)】が体内より放出されます。


それが、脊髄後核という脳へ痛みを伝える伝導路に働きかけることで痛みを抑制します。

ちなみにこのメカニズムは動物実験によって立証されています。

ほかにも、アメリカの生理学者が提唱した触覚刺激による痛覚抑制機構『ゲートコントロール説』や、自律神経反射に基づく血流改善による疼痛の抑制などを鍼灸での刺激によって引き出すことができます。






次に自律神経系への効果がでるメカニズムですが、まず重要なのが自律神経には交感神経と副交感神経が存在するということです。

鍼によって末梢から中枢に伝わった刺激は、これら自律神経とホルモン系を介して内臓の機能を調整し、生体の恒常性(ホメオスタシス)の維持に重要な役割を果たしています。

生体の機能が何らかの原因で乱れ、自律神経が失調してくると筋肉の緊張や硬結、血液やその他の循環不全(頭痛・めまい・吐気・倦怠感・手指のしびれ・冷えなど)痛みの症状が現れます。

疲れやすい、疲れがとれない、体が身体がだるいなどの何となく実態の見えにくい主訴は大部分が自律神経失調によるものと思われます。


この中でも自律神経系に及ぼす作用で代表的な血流改善反応を説明します。

筋肉の持続的な収縮・緊張は主に筋が損傷した時や疲労した時に見られます。

この時、交感神経は緊張しており、筋肉内は血液の循環不全(いわゆる血行の悪い状態)になっています。

経穴の刺激は中枢神経を介して交感神経の緊張を緩和し筋肉内の血流を改善させます。

また、筋肉の収縮・緊張部に直接刺激をすることで部位血管を拡張させる知覚神経の反射を利用した方法も報告されています。

血流の増加は筋肉内の疲労物質や発痛物質を洗い流すことでこの原因を除去し、筋緊張を緩めたり、痛みを軽減させたりしています。




『腰が痛い』『頭痛がする』『肩こりがひどい』そんなときに鍼灸治療が有効なのが一般的に知られつつあります。

しかし鍼灸治療はそれだけではありません。


上記のように身体の痛みや神経痛はもちろん、内臓の不調や不眠症、生理不順などの婦人科疾患、美容や慢性的な疲れにも使える治療です。


 


最近では芸能人が美容鍼灸をしているところをSNSにあげたり、世界で活躍するトップアスリートと呼ばれる人たちも身体の状態の治癒・維持するために鍼灸治療を行っていることが多く、アメリカの陸軍や海軍、空軍などの軍隊にも鍼灸治療が導入されているそうです。


 

もちろん、当院でもスポーツをされている患者さん、慢性的な痛みで悩まれている患者さん、体調が良くない患者さん、いろんな患者さんに鍼灸治療を行っています。






鍼灸治療を開始して症状も改善傾向、鍼灸の刺激にも慣れてきた頃『鍼をもっと太くしたら治るの早い?』と聞かれることがあります。


鍼灸治療の結果がでて、効果をわかってもらっている証拠なので嬉しい質問です。


鍼の太さを太くすると刺激が強くなり筋肉の緊張も取れやすく、経穴への刺激も増えますが『鍼の太さを太くしたから治るのが倍早い!』というワケではありません。

むしろ刺激を無理に我慢して力が入りすぎると、余計に筋肉が緊張して、せっかく改善しつつあった症状が少し戻ってしまう可能性もあります。


平気そうな患者さんには、刺激の強さを聞きながら太い鍼に変えていくこともありますが、

基本的には症状が改善していっているようであればそのままの治療法を続けていくことが多いです。



また【小児ばり】と呼ばれるものがありますが、これは自律神経を整えて免疫力や自己治癒力を高め、心身の健康の維持します。


【はり】と言っていますが、【小児ばり】はみなさんがイメージしている【はり】とは違い、刺しません。というか、刺さらない程度の太さのものを使用しますので、まず心配ありません。

なので安心して治療を受けていただけると思います。

夜泣き・イライラする・風邪をひきやすい・熱が出やすい・喘息など

お子さんにこのような症状があるときはぜひ一度ご相談ください。






『鍼灸治療』と聞くと、料金が高いイメージがありますが、健康保険を使って治療をすることもできます。ただ、整骨院のようにいきなり保険での治療を開始することはできません。

まず、はじめに病院で鍼灸治療に対する同意を得てください(同意書の交付を求めます)。

病院に同意書がそなえつけられていない場合がほとんどなので、書類等はこちらでご用意いたします。

医師の発行した同意書・健康保険証・認印を持って、ご来院ください。

その時点から健康保険で鍼灸治療を開始できます。

ほんの少しの手間ですが、煩わしい方はもちろん自費でも鍼灸治療を受けていただけます。


鍼灸保険治療の唯一のデメリットは症状によって保険が使えるものと使えないものがあるということです。

例えば『喘息持ちなので保険で鍼灸治療をししよう!』と思っても残念ながら保険は使えません。

鍼灸治療を保険で受けられる疾患は

【神経痛】【リウマチ】【頸腕症候群(けい-わん-しょう-こう-ぐん)】【五十肩】【腰痛】【頚椎捻挫後遺症】の6疾患です。医師と健康保険の保険者が認めた場合は例外もありますが、基本的にはこの6疾患にしか使えません。

しかし、これらに類似する疾患や慢性的な痛みのある疾患も健康保険で治療を受けられる場合があるので、一度気軽にご相談ください。

例えば『痛むのは足だから保険は使えない』と思っていても、実はその痛みは神経痛かもしれません。なので諦めずに一度ご相談ください。

ちなみに頚腕症候群とは、首から腕にかけて何か異常があるものをいいます。






鍼灸治療について詳しく全てを説明するとこの何十倍も長くなってしまいますが、今回でざっくりとご理解頂けるかと思います。

もしご不明な点があれば、一度お電話またはご来院ください。