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ミスター・パーフェクト (Mr. Perfect) 2011年 146分 
主演 プラバース & カージャル・アグルワール & タープスィー・パンヌー 
監督/原案 K・ダサラードゥ 
"結婚は、完璧な2人が行なうものだと思っていた。でも今わかったんだ…"

 

マラヤーラム語版予告編

 

 

 オーストラリアにて、インド人移民同士でゲームアプリ開発チームを立ち上げたヴィッキーは、幼い頃から「勝負に負けても、周りに合わせて妥協せよ」と諭す父親に反発して「周りの意見なぞ聞かない。自分の戦略で勝機を得る」をモットーにしている野心的かつ傲慢な青年。
 仕事仲間や雇い主にもその姿勢を貫かせた完全主義を強いて、自身の夢を実現するために少しでも齟齬が生じるような不安要素は、切って捨てるリーダーになっていた。

 会社が軌道に乗った事で4年ぶりにインドの実家に帰省したヴィッキーは、家族の勧めで突如見合いをするハメに。
 幼なじみのプリヤーの住む農村へと家族全員で訪ねに行くが、当初はお互いが嫌々の見合いの上に「田舎娘」と「外国かぶれ」でそりも合わず衝突ばかり。しかし徐々に2人は自分を見つめ直し相手を認め直す事でその仲を縮め、婚約が成立するかと思われた矢先…オーストラリアの友人が結婚によって夢を断たれたと知ったヴィッキーは、順調に進んでいたプリヤーとの見合いを「住む世界が違うから」といきなり拒否してしまう!!

 

 

挿入歌 Aggipulla Lanti (私はマッチ棒のような女の子 [簡単じゃないわ。もし見下した態度を取ったなら…])

*「デコッ!」と 口に出して 言ってみたいテルグ語(自由律。

 


ニコニコ 「バーフバリ(Baahubali)」2部作の主演男優プラバースによる、テルグ語(南インド アーンドラ・プラデーシュ州とテランガーナー州の公用語)の大ヒットラブコメ映画。
 同年に同名タイトルでタミル語(南インド タミル・ナードゥ州の公用語)吹替版が、13年にはマラヤーラム語(南インド ケーララ州の公用語)吹替版、ヒンディー語(インドの連邦公用語。主に北インド圏の言語)吹替版「No.1 Mr. Perfect」も公開。インドの他、クウェート、米国でも同日公開され、ロシアでも公開されているよう。

 日本では、2019年にIndoeiga.com主催の「魅惑のテルグ映画 ~ プラバース編2」にて英語字幕版で上映。2024年の「テルグ映画の祭典『テルコレ』~TFCテルグフィルムコレクション~」で日本語字幕付きで上映。東京他で一般公開された。

 とにかく、前半の牧歌的ラブコメがカワイイ! カージャルがカワイイ!! とにかくカワイイ!!!
 やたらデカいプラバース演じる自己中な都会人ヴィッキーと、農村でインドの伝統を愛しながらポジティブに暮らすカージャル演じるプリヤーとの丁々発止が小気味良く、テルグマサーラーのパターンをある程度踏襲しつつ、ファミリー向けに爽やかな恋愛劇を前面に押し出した佳作。
 アクションシーンもあるけれど、いつものテルグ映画のような痛いシーンは皆無だし(冒頭の水中アクションなんか「そんな痛いのか?」って感じだしぃw)、社会の暗部を描くようなシリアス展開もないのほほんとした楽しい物語展開と華やかな画面構成が、とにかくカワイイ。見てるとずっとカワイイしか言葉が出て来ない映画ですわ。

 まあ、爽やかな前半に対して後半に始まる第2の恋愛劇は、なんか説教臭さが前面に出て来てしまう上に、意外性ゼロで基本に忠実なロマンス劇進行と特に深みのない人物描写で、前半感じていた楽しさがトーンダウンしてしまうのが惜しい。まあ、基本に忠実ってのは悪い事ではないけれど。
 あと、流血アクションが少ない代わりなのかなんなのか、唐突に挿入されるコメディーシーンにわりと流血ネタが多用されてるのが「え? いいの?」って感じではある。流血成分皆無な物語へのフォロー…だったり?(んなわけないw)

 監督を務めたK・ダサラードゥ(本名コンダパッリ・ダサラート・クマールまたはコンダパッリ・ダサラードゥ・クマール)は、1971年アーンドラ・プラデーシュ州(現テランガーナー州)カンマムのブラーミン家系に生まれた脚本家兼映画監督。
 TVドラマの脚本やダイアログ担当の仕事でキャリアを積み、数本の映画のアソシエート・ディレクターで映画界に入る中で、00年のテルグ語映画「Shubhavela」「Chitram」で脚本に参加。その後、02年に「Santosham(幸福)」で監督デビューしてナンディ・アワード注目作品銅賞を獲得。同年に南インド撮影協会賞も受賞しているそう。本作は5本目の監督作で、フィルムフェア・サウス作品賞・監督賞にノミネートされている。

 ヒロイン プリヤーを演じているのは、テルグ語映画界を中心に大活躍している女優兼モデルのカージャル・アグルワール。1985年マハラーシュトラ州ムンバイ生まれで、父親が繊維業の個人事業主、母親が菓子職人(現在は、彼女のマネージャーでもある)の家に育つ。妹に、やはりテルグ語&タミル語&マラヤーラム語映画界で活躍する女優ニーシャ・アグルワールがいる。
 ムンバイの大学で広告マーケティングを修了。モデル業を通して数々のCM出演を経験し、04年のヒンディー語映画「Kyun! Ho Gaya Na...(一体なにが起こったの…!)」のカメオ出演で映画デビューの後、07年のテルグ語映画「Lakshmi Kalyanam」でテルグ語映画&主演デビューする。これ以前に撮影されて公開延長になっていたタミル語映画主演作「Pazhani」が、08年に公開されてタミル語映画にもデビュー。09年のテルグ語映画「マガディーラ(Magadheera)」でフィルムフェア・サウスのテルグ語映画主演女優賞ノミネートしてトップスターの仲間入り。10年の「Brindavanam(ブリンダーヴァナム屋敷にて)」でCineMAAテルグ語映画主演女優賞を獲得する。以降、テルグ語映画を中心に、タミル語映画、ヒンディー語映画の3言語界で活躍中。16年のカンナダ語映画「Chakravyuha」では、劇中歌"Yenaithu"を担当して歌手デビューもしている。

 日本ロケのヒンディー語映画「若者の国(Youngistaan)」とかにも、外国でゲームクリエイターとして成功する若者像が出て来てるけど、本作のヴィッキーの活躍も、ネットゲームを中心にしたプログラム技術で稼いでまっせってノリなんかな。まあ、日本でも世界でもIT技術で活躍しているインド人勢力を考えれば、わりと現実を反映した姿なんだろうけど…(にしても、身体能力から学識からビジネスセンスから、そこまで全部がハイレベルな必要はあるんですかね…ってツッコミは野暮かw)。
 仕事人間のヴィッキーが、恋愛が始まるとあっちこっちデートで出かけていって仕事してる様子がないのもご愛嬌。他のインド恋愛ものも同じようなノリだけども、そりゃあ本作の魅力全開カージャルみたいな人とイチャイチャ出来れば、仕事なんてどーでもよくなりますわなあ。ワタスもそんな人生おくってミターイ!!(ダメ人間発言)

 


挿入歌 Dol Dol Dol Bhaje (ドラムが鳴った [さあ、結婚の祭が始まるぞ])

 


受賞歴2012 South Indian International Movie Awards 女性プレイバックシンガー賞(シュレーヤー・ゴーシャル / Chali Chaliga)
2012 Santosham Awards 批評家選出主演女優賞(タープスィー)
Hyderabad Times Film Awards 女性プレイバックシンガー賞(シュレーヤー・ゴーシャル / Chali Chaliga)
Nagi Reddy Memorial Award テルグ語ファミリーエンタテインメント賞

 

 

(。・ω・)ノ゙ MP を一言で斬る!
「シャネルやらグッチやら、これ見よがしなヴィッキーの着てるブランドプリントシャツは一体…?w」


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