「ルポ路上生活」
(國友公司著 彩図社)
ホームレスは一体、どんな生活をしているのか?
まえがきに書いている、著者の長年の疑問でした。
そして2021年夏、時期的にタイミングだと判断した著者は長年の疑問を解決すべく2ヶ月、路上生活を行いました。
その2ヶ月の生活状況が書かれているのが、本書です。
果たしてその真相はいかに…
まず読んでいて思ったことは、
意外に食べ物には困っていない
ということ。
今回、著者が暮らした主な場所は
新宿、上野、荒川河川敷
なのですが、よく炊き出しの話が出てきます。
実際にそれのはしごを行うのですが、それを数件行っていると、むしろお腹いっぱいという状態になるとか。
もちろん支援者の方には感謝しているとは思っているようですが、そういった方々のおかげで食べ物には困らず、暮らしていけるようです。
ただ
この支援がなくなると路上生活者は困窮するので、これからも続けてほしい
という願いが書かれていました。
ほかには
こだわりの強い人も存在する
ということを感じました。
僕がこの状況なら、
・炊き出しや支援物資は感謝しながらもらう
・生活保護を受けられるのなら受ける
という手段を取ると思いますが、中には
行政や宗教には頼りたくない
という方もおり、そういった支援を敢えて断っている方もいるようです。
そこまでこだわらなくてもいいような気もしますが、こればかりは個人の人生方針というものがありますので、強要はできません。
色々な方がいるのだと、痛感しました。
感想としては
路上生活者の状況が想像と全く違っていた
というのが本音でした。
個人的には
・お腹をすかせて苦しんでいる
・夏は暑く、冬は寒くてつらい
というイメージがありましたが、実際は違うとのこと(夏はやはりつらいようですが)。
それでもできるなら路上生活はしたくないので、生活保護を申請し、アパートに…
と思ってしまいます。
このあたりも個人の考え方次第、なのかもしれません。
本書は路上生活のリアルを知ることができた、参考になる1冊でした。
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