今回は、「馬のなみあし倶楽部」で馬を飼い始めた経験をベースに実際に馬を飼うための段取りをご紹介します。基準は、ミニチュアポニーなどの小さな馬ではなく、一般的なサイズの馬を飼うのを前提にしていきます。
最初に必要になるのは、馬を飼う土地です。どのくらいの面積が必要でしょうか。必要な設備から逆算していきます。
馬房
馬の家。ご飯を食べたり、水を飲んだり、寝たりと長い時間過ごす場所です。サラブレットは、頭から尾までの長さは2m60㎝、足から頭までの高さが1m80㎝あるので、それ以上のサイズが必要になります。
当牧場は、縦2m70㎝×横3m60㎝高さ2m50㎝にしています。
できるだけ風通しを良い作りにして、病原菌の繁殖を防ぐことが風邪などの病気の予防につながります。
壁面は主にベニヤ板が多く使われていると思います。厚みは5mm程度。
床面はコンクリートやゴムマットなど糞尿が浸透しないようにするのが一般的です。
また、その上に馬の床ずれを防いだり、糞尿を吸収させたりするために敷材を敷きます。最近は、おが粉が主流になってきているようですが、おが屑、麦かん(ばっかん)という麦わらや稲わら、乾燥牧草や落ち葉、もみ殻を敷く場合もあります。
手軽に手に入りやすく使いやすいのはおが粉だと思います。材木店などで購入する事ができます。
馬場
馬の運動場。馬は元々、草原で過ごしていたので駆け回るのが大好きです。JRAが行った放牧実験では、2ha以内で十分だという結果がでました。2haは約6000坪です。日本で、そのような土地を用意するのは簡単ではありません。それでも、調馬索などを用いたり、騎乗して運動させるためには最低でも直径15mの丸馬場がほしいところです。
馬のなみあし倶楽部では、外周約100mの馬場があります。これから更に拡張する予定です。
馬場にも敷材を敷きますが、主に砂が多く、ウッドチップの場合もあります。最近はそれ以外にも合成素材と砂の混合を用いている所も増えてきています。
馬のなみあし倶楽部では、搬入搬出や管理などが楽なウッドチップを利用しています。
洗い場・蹄洗場
馬を洗ったりブラッシングしたりする場所。必須ではありませんが、あれば重宝します。色々な乗馬クラブを見てきましたが、サイズは様々です。
馬のなみあし倶楽部では、縦2m70㎝横1m80㎝にしました。
サンシャインパドック
小さな放牧地。馬がリフレッシュする場所です。走り回れないくらいの小さなものが一般的です。
これも必須ではありませんが、あると重宝します。馬のなみあし倶楽部では縦8m×横8mのサンシャインパドックがあります。
堆肥場
毎日、糞尿が排泄されるので、どこかに移すにしても一時的に管理する場所が必要になります。馬糞の貰い手や行先を馬の購入前に探しておく事をお勧めします。
馬のなみあし倶楽部の堆肥場は、縦4m×横4m高さ1mくらいです。馬1頭で1~2ヶ月は溜めておけます。
倉庫
馬具、エサ、敷材(おが粉など)、清掃用具を入れておく倉庫が必要です。
馬のなみあし倶楽部では、ビニールハウスや空き馬房を使っています。
その他
馬のなみあし倶楽部では、縦8m×横8mくらいの小屋を使っています。
必要な施設を考えると、一般的な馬を飼うには200坪、乗馬クラブをやるには600坪くらいは必要だと思います。
追記
記事を読んできただきありがとうございます。
この記事は馬のなみあし倶楽部を中心にしたものだったので、様々な条件や状況に合わせた方法などをそれぞれ詳しくご紹介してこうと思っています。
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