宮﨑駿「君たちはどう生きるか The Boy and the Heron」★★★☆☆ | テレビ・本・映画・観劇・観戦等日記

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★★★★★:皆に勧めてまわりたい|
★★★★☆:人に聞かれれば勧める|
★★★☆☆:人に勧めることに責任とれない|
★★☆☆☆:見ないことを勧める|
★☆☆☆☆:時間の無駄 やめろ|
☆☆☆☆☆:存在自体を否定したい|
+:+1/2星|-:-1/2星

宮﨑駿「君たちはどう生きるか The Boy and the Heron」★★★☆☆

 

戦争末期の少年(宮崎駿?)の冒険ファンタジー。監督も言っているように訳わからない。

アニメの内容とタイトルとの関係がわからない。日本語タイトルと英語タイトルの関係がわからない。

どういう意図があったのかわからない。

 

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君たちはどう生きるか
The Boy and the Heron
監督    宮﨑駿
脚本    宮﨑駿
原作    宮﨑駿
製作    鈴木敏夫
出演者    山時聡真[1]
菅田将暉
柴咲コウ
あいみょん
木村佳乃
木村拓哉
大竹しのぶ
竹下景子
風吹ジュン
阿川佐和子
滝沢カレン
國村隼
小林薫
火野正平
音楽    久石譲[2]
主題歌    米津玄師「地球儀」[3]
撮影    奥井敦
編集    瀬山武司
制作会社    スタジオジブリ
製作会社    スタジオジブリ
配給    日本の旗 東宝
アメリカ合衆国の旗カナダの旗 GKIDS
公開    日本の旗 2023年7月14日
上映時間    124分
製作国    日本の旗 日本
言語    日本語
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『君たちはどう生きるか』(きみたちはどういきるか、英語: The Boy and the Heron)は、2023年(令和5年)公開のスタジオジブリ制作[注釈 1]による日本のアニメーション映画。宮﨑駿の原作・脚本・監督による冒険活劇ファンタジーで[4]、宮﨑の長編監督作としては2013年公開の『風立ちぬ』以来10年ぶりの作品となった。タイトルは、吉野源三郎の同名小説『君たちはどう生きるか』に由来しており、原作ではないが同小説が主人公にとって大きな意味を持つ[5]。

太平洋戦争中、母親の死をきっかけに田舎に疎開した眞人という少年が、新居の近くで廃墟となった塔を発見し、人間の言葉を話す謎の青サギと出会い、彼と共に幻想的な「下の世界」へと足を踏み入れるストーリー。

公開前も公開後もほぼ情報を明かさず、予告も制作しない手法を取った。また、『魔女の宅急便』以降制作に携わっていた日本テレビやディズニーなどが関与せず、かつ2023年10月6日に日本テレビホールディングスの子会社となる前のスタジオジブリ作品では唯一となる単独出資映画となった。

日本時間で2024年3月11日[注釈 2]に授賞式が行われた第96回アカデミー賞で、日本映画としては『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりとなる[6]アカデミー長編アニメ賞を受賞した。

ストーリー
現実世界における塔との出会い
太平洋戦争が始まってから3年目に、眞人は実母・ヒサコを火災で失う[7]。軍需工場の経営者である父親の勝一はヒサコの妹、夏子と再婚し、眞人は母方の実家へ工場とともに疎開する。疎開先の屋敷の近くには覗き屋の青サギが住む塔が建っていた。この塔を不思議に思った眞人は土砂で半ば埋もれている入り口から入ろうとするが、屋敷に仕える[8]ばあやたちに制止される。その晩、眞人は夏子から塔は、大伯父によって建てられ、その後大伯父は塔の中で忽然と姿を消したこと、大水が出たときに塔と母屋をつなぐ通路が落ちて迷路のようなトンネルが見つかり、危なかったので夏子の父親(眞人の祖父)によって入り口が埋め立てられたことを告げられる。

転校初日、勝一の車に送られて登校した眞人は学校でうまく馴染めず[注釈 3]、帰り道で地元の少年らから殴る蹴るの暴行を受ける。その後、眞人は道端の石で自分の頭を殴って出血を伴う大ケガを負い、屋敷で手当を受けるが自室で寝込んでしまう。翌朝、部屋につきまとう青サギを退治に木刀を持って庭の池の淵に出た眞人に、青サギが突然襲いかかる。人の言葉をしゃべる青サギから「母君のご遺体を見ていらっしゃらないでしょう。あなたの助けを待っていますぞ」[9]と話しかけられ、操られた魚やカエルたちに全身を包み込まれたが、眞人を探しに来た夏子とばあやたちに助けられる。

眞人のケガを地元の少年らによるものと思い込んだ勝一は、怒りをあらわにし学校側に苦情を訴える。一方で夏子は妊娠によるつわりに苦しみ、何度も眞人の顔がみたいと周囲に話すが、眞人は母親にそっくりな夏子を受け入れることができず[10]、見舞いに訪ねるもそっけない態度をとってしまう。ある日眞人は、砕けた木刀の代わりに弓矢を自作していると、ふと屋敷の窓から夏子が森の中へと消えていく姿を見かける。自室に戻り、落ちていた青サギの抜け羽を材料に矢を作り直しているとき、ヒサコが昭和12年に、眞人のために残した吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』を見つけ、それを読み進めるうちに涙を流す。

その日の夕暮れ、夏子の失踪に屋敷中が大騒ぎになる中、眞人は使用人のばあやキリコとともに、夏子を探しに森へ入ると塔の裏口にたどり着き、青サギの声に促されるまま足を踏み入れるが閉じ込められてしまう。塔内で待ち構えていた青サギに、偽物のヒサコを見せられて怒った眞人は、青サギの弱点である青サギの羽根「風切りの七番」を矢羽根にした矢を放ち、青サギの嘴を穿つ。すると青サギは半鳥人の姿(サギ男)から戻れなくなってしまう。塔の最上階にたたずむ謎の人物に命令され、眞人とキリコばあやは「下の世界」へいざなわれていく[8]。

下の世界との遭遇
「下の世界」に落ちた眞人はペリカンの大群に襲われ、「我ヲ學ブ者ハ死ス」と刻まれている墓の門を開けてしまうが、通りすがりの若い船乗り・キリコに助けられ、成り行きでキリコの仕事を手伝う。「下の世界」のキリコは魚を捕ることを生業としており、殺生ができない「下の世界」の住人に与えるため、また人が生まれる前の魂たち・ワラワラを飛ばすのに魚の内臓が滋養になるという。仕事を終えた月夜、眞人はキリコの部屋の庭の隅にある便所を出ると、目の前で多くのワラワラたちが風船のように一斉に飛び始めた。すると、それを狙ってペリカンたちがワラワラに襲い掛かり、捕食を始めた。そんな中、舟に乗って現れた火を操る少女・ヒミが自らの力を使って花火を打ち上げ、ペリカンたちを撃退する[11]。ワラワラたちも巻き添えになる中、止めろと叫ぶ眞人だったが、ヒミがいないとワラワラたちは上の世界へ行けずすべて食われてしまうとキリコはつぶやき、ヒミに感謝の言葉を投げかける。眞人は床についたあとも寝付けず、物音を聞いて再び庭に出てみると、便所の横で花火の巻き添えで瀕死状態となった老ペリカンと出会う。老ペリカンは、「我が一族はワラワラを食うために連れてこられた」「この世界の海には魚がほとんどおらずワラワラを食べるほかなすすべがない」「ここは呪われた海だ」などを眞人に語った後、力尽きてしまう。どこからともなくやってきた青サギを横目に、眞人は丁重に老ペリカンを埋葬する。翌朝、青サギに手伝わせて水くみをしていた眞人だったが、青サギと和解するようキリコに諭されながら[12]、二人が協力して夏子を探しに行くよう提案され、お守りの人形を渡されてキリコのもとを離れる。

現実世界の勝一たち
一方、現実世界では、眞人と夏子、それに加え女中のキリコも一斉に失踪してしまい、工場従業員も動員した大捜索が行われるも発見には至らずにいた。勝一がうなだれていると、ばあやの一人が塔の正体を勝一に告げる。塔は大伯父がはじめから造ったわけではなく、明治維新の少し前に、池に謎の飛翔物が落ちて出現した石の塔であり、その20年後に大伯父が森の中で発見し、石の周りを建物で隠したという[13]。また、生前のヒサコが屋敷で神隠しにあったことがあったが、その1年後には同じ姿で、失踪時の記憶を失ったまま、元気な様子で帰ってきたエピソードも勝一に話す。それを聞いた勝一は、すぐに刀を身につけ、捜索道具を衣服に押し込み、屋敷を出て塔の方へと向かっていた。

少年と青サギ、夏子を探す旅
「下の世界」で夏子を探す旅に出た眞人と青サギであったが、その道中で眞人は青サギの飛行能力を取り戻すために、枝を削って嘴の穴にあてがって塞いでやる。青サギは、夏子がいる塔に行くためには鍛冶屋の小屋を通らなければならないと眞人に言うが、すでに小屋は人を食うといわれる獰猛な人間大のインコの集団に占拠されていた。青サギが囮となってインコたちを引き付けている間に小屋の扉を開けて入ろうとする眞人だったが、中はほかのインコたちで溢れていた。待ち構えていたピンクのインコに「お待ちしておりました」と告げられ、奥へと案内される。そこで眞人はインコたちに囲まれ、あと一歩で殺されそうになるが、突如上がった炎の中から現れたヒミが周りのインコたちを焼き払う。ヒミのワープする力を使って二人はヒミの家へ移動、一緒に食事を済ませると、そこから夏子がいる石の塔へ向かう。自分の世界で見た塔と同じだと気づいた眞人に対し、ヒミはどの世界にも石の塔はつながっていると教える。夏子がいる産屋への道すがら、回廊で眞人がいた現実世界へ通じる「132」と書かれたドアを見つける。その直後、二人は回廊の前後から迫るインコ軍団に挟まれてしまい、やむを得ずドアノブを握りしめたままドアの外の現実世界へと逃げ込む。その時、目の前から捜索にきた勝一と遭遇すると、戻ろうとして再び開けたドアの隙からインコ軍団が現実世界へなだれ込む。インコは現実世界に入ると人型の巨大な姿から、普通のインコの姿になってしまい、勝一は眞人がセキセイインコになってしまったと落胆する。

混乱の隙をついて再び「下の世界」に戻った二人は夏子のいる石で囲まれた産屋までたどり着き、一人で産屋の中へ入った眞人は、夏子に一緒に元の世界へ帰ろうと訴える。しかし、石の特別な力によって眞人は産屋の外へ押し返され、気絶した眞人とヒミはインコたちに捕らえられてしまう。

大伯父との邂逅
眞人は夢の中で大伯父と邂逅し、「下の世界」の均衡は、塔の主たる大伯父が悪意を持つという石でできた積み木を積んで日々バランスをとり続けていること、そして眞人に年老いてしまった自分の後を継いでほしいことを語る。目覚めた後、インコたちの調理場で囚われの身となっていた眞人は、インコに変装した青サギに助けられる。インコたちの王であるインコ大王とその手下たちに捕まったヒミは、塔がインコであふれたためこの世界のすべてをインコのものへと帰すための取引のダシに使われ、大伯父のいる塔の上へ連れて行かれるところを、眞人と青サギは塔の外壁をよじ登って後を追っていく。外壁の窓から塔内へ侵入した眞人たちだったが、インコ大王に足場の階段をサーベルで切り落とされ[14]、二人は階段もろとも墜落してしまう。塔の上の不思議な光の通路を抜けて天界の大伯父の元に到着したインコ大王は、大伯父に眞人たちが産屋に入るという禁忌を犯したと告げると、大伯父は少し時間をもらえないかと答え、眞人に後を継がせたいのだと言う。

階段の瓦礫の中から抜け出した眞人たちも光の通路を抜けて大伯父の元へ向かうが、それを見たインコ大王があとを尾行する。天界の宮殿でヒミと再会した眞人は二人で大伯父の元へ向かう。草が生い茂る石の積木でできた丘にいる大伯父の元へたどりつくと、大伯父は「ここに13個の悪意で穢(けが)されていない石がある。3日に一つずつ積み上げて争いのない平和で美しい自分の世界を作り、世界のバランスを取ってきた自分の役目を引き継いで欲しい」と眞人に懇願する。大伯父曰く、自分の積み木はもう持たない、そして自らの血を引継ぎ、悪意のない人間しかこの仕事は出来ないとのことだった。しかし眞人は石で殴ってできた頭の傷を指して、「この傷は自分でつけました。僕の悪意の印です[15]」と言って拒否し、元の世界へ夏子と一緒に帰ることを大伯父に話す。このやり取りの様子を背後から覗いていたインコ大王が、積み木に自分たちの命運が委ねられていることに激高すると、とんでもない裏切りだと言って横から手を出し、悪意で穢されていない石をでたらめに積んでこれを叩き切る。すると、この世界の均衡を保つ積み木が崩れ、「下の世界」は崩壊を始める[11]。

「下の世界」からの脱出
崩壊の始まった塔へたどり着いたキリコによって夏子は救出され、天界から脱出してきた眞人たちとも「時の回廊」で合流する。眞人は、元に戻れば火事で死んでしまう運命にあるヒミに、自分たちの時代へ一緒に来るよう訴えるが、実母ヒサコ本人であるヒミは「これからあなたのお母さんになるんだから」と明るく答えて眞人をなだめる[11]。夏子もヒミと会い、ここで別れを告げた後、眞人と夏子、青サギは現実世界へ通じる「132」のドアから、ヒミとキリコはヒミの少女時代につながるドアから、それぞれの元の世界に戻る。

現実世界への帰還
「下の世界」の崩壊により避難してきたインコたちやペリカンたちも眞人たちの現実世界に出現し、塔はすべて崩壊する。青サギに「まだ向こうのことを覚えてんですかい」と問われた眞人は、ポケットの中のキリコの人形や、大伯父のもとへ向かう際に積み木の丘で拾った石に気付く。青サギはその記憶もじきに忘れると言い[12]、眞人の前から姿を消していく。そしてキリコの人形がばあやのキリコへと変わる。

ようやく日本は終戦を迎え、眞人にも弟が出来た。終戦から2年が経って一家は疎開先から東京へ戻ることになり、玄関先で待つ一家の呼び声で、身支度を済ませた眞人は自室から出ていく。「おわり」の表記はない[14]。

登場キャラクター
眞人(まひと)
声:山時聡真[16][17]、英語版吹替:ルカ・パドヴァン[18]
本作の主人公。小学6年生、11歳の少年[注釈 4]。名字は「牧」。太平洋戦争が始まった3年目に、火災で母を失い、父と共に母方の実家である屋敷へと疎開する。
母を失った影響もあってか性格は寡黙で、継母となる夏子に対しても心を開かず、彼女を母ではなく「父の好きな人」と認識していた。しかし、塔の中へ姿を消した夏子を探すために「下の世界」へと赴き、旅の中で成長していく。
青サギ(サギ男)に対しては得体の知れない存在として敵意を向けていたが、「下の世界」で夏子を探す内に友情が芽生え、やがて友達と認める。
転校先のクラスメイトと喧嘩した後、頭の右側を自ら石で叩いたことで深い傷が残っており、眞人はこれを「悪意の印」と称している。
青サギ / サギ男
声:菅田将暉[16][19]、英語版吹替:ロバート・パティンソン[18]
眞人が疎開した屋敷にいる謎のアオサギ。屋敷の人々からは「覗き屋の青サギ」と呼ばれている。人間の言葉を話し、カエルや魚の群れを操るなど、明らかに普通の鳥ではない行動を見せる。また、羽には不思議な力が宿っている。
普段は青サギの姿で眞人を監視しているが、その正体は嘴の如く大きな鼻をした禿げ頭の小男[注釈 5]。嘴に穴が空くと本来の飛行能力を失う。穴に栓をすれば姿と能力は戻るが、穴を塞げるのは穴を空けた相手に限られる。
「下の世界」の主である大伯父の使いとして眞人の前に現れ、彼に「母(ヒサコ)が生きている」と吹込むことで「下の世界」へ連れて行こうとする。だが自身の羽を使って作成した矢で嘴に穴を空けられてしまい、小男の姿に変化。大伯父の指示やキリコ(若い姿)の助言もあって、夏子を探す眞人に協力することとなり、その旅の中で次第に眞人との友情が芽生える。
「下の世界」崩壊時は眞人や夏子と同じ扉から脱出。眞人に「下の世界」の存在やそこで体験した出来事はいずれ忘れ去られることを告げ、彼に「あばよ友達」と言い残し記憶の何処かへ飛び去った。
ヒサコ
眞人の実母。病院で火災に遭い死亡[注釈 6]。少女時代に塔で行方不明になったことがあり、1年後に失踪前と何一つ変わらない姿で戻ってきた。
生前、成長した眞人のために『君たちはどう生きるか』の書籍を遺していた。
ヒミ
声:あいみょん[16][20]、英語版吹替:福原かれん[18]
本作のヒロイン。火炎を操る力を持った、赤い服の少女。力が万全の時は、炎を伝って別の場所へ瞬時に移動したり、花火を放ってペリカンを追い払うことができる。眞人にバターとジャムを塗ったパンを御馳走する。
その正体は、少女時代に「下の世界」へ迷い込んだ眞人の母ヒサコその人である。「下の世界」が崩壊した際は、妹の夏子に元気な赤ちゃんを産むように伝え、本来いるべき世界(失踪から1年経過した後の時代)へと帰って行った。
キリコ[注釈 7]
声:柴咲コウ[16][22][23]、英語版吹替:フローレンス・ピュー[18]
屋敷に仕える「ばあや」の一人。煙草好きと思われる様子が見られる。
塔に向かう眞人を危険な目に遭わないように止めようとするが、塔に一緒に入った末に「下の世界」へと引き込まれ行方知れずとなる。眞人が元の世界に帰った際、眞人のポケットに入っていた「ばあやのキリコの人形」から元の姿に戻る。
キリコ(若い姿)
声:柴咲コウ
眞人が「下の世界」で出会った男勝りな女性。ばあやのキリコと同じ柄の服を着ている。舟を操って魚を採り、殺生ができない「下の世界」の住人に魚を、ワラワラに魚のはらわたを供与している。強力なお守りとして「ばあやのキリコの人形」を眞人に与える。
最後はヒミと同じ扉から元の世界へと帰っており、彼女もヒミと共に行方不明になっていた若き日のキリコであることが示唆されている。
夏子(なつこ)
声:木村佳乃[16][24][25]、英語版吹替:ジェンマ・チャン[18]
眞人の父の再婚相手で、ヒサコ(ヒミ)の妹。姉のヒサコと瓜二つの容姿。眞人にとっては叔母であり、継母でもある。眞人と出会った時点で妊娠している。
眞人の母になろうと奮闘するが、中々心を開こうとしない眞人の態度に思い悩む。更に妊娠中のつわりもあってか精神的に参ってしまい、何かに引き寄せられるように「下の世界」へ行ってしまう。
「下の世界」では産屋で寝ており、訪れた眞人と再会。眞人に「大嫌い」と叫んで彼を追い払おうとするが、自分を「お母さん」と呼んでくれた眞人の言葉を聞き落ち着きを取り戻す。
最後は眞人と同じ扉から元の世界へと帰り、後に眞人の弟を無事出産している。
勝一(しょういち)
声:木村拓哉(特別出演)[16][24]、英語版吹替:クリスチャン・ベール[18]
眞人の父親。軍需工場を営んでいる。息子想いであるが、眞人が学校でいじめに遭ったと思った際には敵を取ろうとしたり、眞人に襲い掛かるインコ達に立ち向かおうとしたりと過保護な一面がある。学校にダットサンで乗り付けたり、息子への便宜を計るために学校へ300円(現在価値で換算すると約78万円)寄付するなど、権威的なものや行動を好む。疎開先でサイパン陥落について言及している[8]。
眞人や夏子らが行方不明になった際には、日本刀を持って塔に向かう。
あいこ
声:大竹しのぶ[16][26]
夏子の実家の屋敷の使用人。年老いた「ばあや」たちのひとり。
いずみ
声:竹下景子[16][27]
既出の「ばあや」たちのひとり。
うたこ
声:風吹ジュン[16][28]
既出の「ばあや」たちのひとり。
えりこ
声:阿川佐和子[16][29]
既出の「ばあや」たちのひとり。
ワラワラ
声:滝沢カレン[16]
産まれる前の魂たち。白く丸い姿をしており、小さな目と口、短い手足がある。熟すと体を膨らませることで飛ぶことができるが、ワラワラを飛ばすには魚の内臓の栄養が必要。飛んでゆくことで「上の世界」に行き、人間の新たな命として誕生する。
インコ大王
声:國村隼[16][30]、英語版吹替:デイヴ・バウティスタ[18]
インコの王。他のインコたちと異なり、赤を基調とした服を着ている。頭には王冠を被り、ヒゲを生やしている。ヒミを大伯父のもとへ護送する際、追いかけてきた眞人たちを追い払うために、木製の階段を切り落とす。
世界の管理者である大伯父を閣下とよび敬意を払っているが、最終的に世界(帝国)の命運を積み木に委ねている事を知り憤慨し、自分こそ世界の命運を委ねるのに相応しいと言わんばかりに積み木を組み立てようとしたが、無造作に組み立てたことで崩れそうになり机ごと切り刻んだ結果、「下の世界」全体の崩壊を招く。最後は元のインコに戻り、眞人や夏子と同じ扉から「上の世界」へと脱出した。
セキセイインコ
人間ほどの大きさがあるインコ。元々は大伯父が連れて来た普通のインコだったらしく、「下の世界」の環境に順応し繁殖した。人間のように二足歩行するほか、刃物や包丁を持っており、包丁を研ぐ姿が見られる。人肉に飢えており、捕らえた眞人を料理しようと目論むも失敗に終わる。
「下の世界」崩壊時には眞人や夏子と同じ扉から「上の世界」へと脱出し、元のインコの姿に戻った。
老ペリカン
声:小林薫[16][24]、英語版吹替:ウィレム・デフォー[18]
ワラワラを食らうペリカンの内の一羽。ワラワラを襲っていたところをヒミの花火で焼かれ、全身が焼け爛れる重傷を負う。キリコの家の庭で倒れ、眞人にワラワラを食らわねば生きていけない自分達の境遇を伝え死亡する。
亡骸は眞人によって丁重に弔われる。
ペリカン
「下の世界」に住むペリカンの群れ。「上の世界」へ飛んでいこうとするワラワラを餌としている。インコ同様、彼らも大伯父によって「下の世界」へと連れて来られたことが老ペリカンの口から示唆されている。
「下の世界」崩壊時には、眞人や夏子と同じ扉から「上の世界」へと脱出した。
大伯父
声:火野正平[16][30]、英語版吹替:マーク・ハミル[18]
ヒサコと夏子の大伯父。聡明で頭脳明晰な人物だったが、本の読みすぎで頭がおかしくなったといわれている。塔を建造したが、ある日忽然と姿を消した。
実は浮遊する石との契約で「下の世界」を生み出した創造主「殿様」として留まっており、自分の血を引く者を「下の世界」を維持する後継者にしようと求めていた。
青サギを使いとして「上の世界」に送り、自身の元を訪れた子孫である眞人に「13個の悪意のない石の積み木」を託そうとする。だが最終的に眞人は後継者になることを拒み、ヒミや夏子たちと共に帰ることを選んだことで、眞人の意思を肯定する。直後にインコ大王によって積み木が破壊されたことで「下の世界」が崩壊し、自ら崩れ行く「下の世界」と運命を共にした。
スタッフ
製作    星野康二、中島清文
協力製作    大島宇一郎、西村義明
音楽    久石譲[2]
作画監督    本田雄
美術監督    武重洋二
ハーモニー    高屋法子
色彩設計    沼畑富美子、高栁加奈子
撮影監督    奥井敦
撮影    藪田順二
音響制作    東宝スタジオ、東北新社
音響演出・整音    笠松広司
アフレコ演出    木村絵理子
音響効果制作    デジタルサーカス
ダビングスタジオ    東宝ポストプロダクションセンター
音楽制作    ワンダーシティ
音楽統括    藤澤文女
編集    瀬山武司
助監督    片山一良
ポストプロダクション担当    古城環
制作業務担当    野中晋輔
ペイントプロデューサー    高橋賢太郎
制作協力    スタジオポノック
制作    スタジオジブリ
プロデューサー    鈴木敏夫
製作プロデューサー    宮崎吾朗
原作・脚本・監督    宮﨑駿
配給    東宝