テレビ・本・映画・観劇・観戦等日記

テレビ・本・映画・観劇・観戦等日記

★★★★★:皆に勧めてまわりたい|
★★★★☆:人に聞かれれば勧める|
★★★☆☆:人に勧めることに責任とれない|
★★☆☆☆:見ないことを勧める|
★☆☆☆☆:時間の無駄 やめろ|
☆☆☆☆☆:存在自体を否定したい|
+:+1/2星|-:-1/2星

このアメーバの世界の片隅でブログやっています。
拙いブログですがどうぞよろしくお願いします。

五社英雄「226(にいにいろく)」★★★★☆


重厚な作りで事件の全貌がよく理解できた


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<映画>

作品名:226(にいにいろく)

監督
五社英雄

脚本
笠原和夫

キャスト
野中四郎:萩原健一
安藤輝三:三浦友和
香田清貞:勝野洋
村中孝次:竹中直人
磯部浅一:本木雅弘
栗原安秀:佐野史郎
ほか、当時の日本映画界を代表する豪華キャストが集結。

あらすじ
1936年(昭和11年)2月26日、積雪の東京。若き皇道派の青年将校たちは、国家の窮状を救うべく「昭和維新」を掲げ、重臣殺害を伴うクーデターを敢行する。
本作は、決起からわずか四日間で、彼らが「義軍」から「反乱軍」へと転落していく過程を、五社英雄監督らしい耽美かつ重厚な映像で描く。家族との別れ、天皇への忠誠と絶望、そして最期に下された非情な決断。事件の政治的側面だけでなく、若者たちの純粋すぎる情熱と悲劇的な末路を浮き彫りにした歴史大作。

意義
本作の意義は、二・二六事件を「国家の悲劇」としてだけでなく、そこに生きた「若者たちの群像劇」として最大級のスケールで映画化した点にある。史実に基づきつつも、豪華キャストによるエモーショナルな演技が、教科書の記述だけでは伝わらない当時の空気感や緊迫感を現代に再現している。また、黛敏郎による音楽が作品の悲劇性をより一層高めており、日本映画史に残る歴史劇の一つとされている。

反響
公開当時、そのあまりに豪華な配役と圧倒的な映像美が大きな話題を呼んだ。メモにある「重厚な作りで事件の全貌がよく理解できた」という感想は、本作が事件の流れを時系列に沿って丁寧に追い、かつ個々の将校の葛藤を丹念に描いていることの証左といえる。三日間にわたって『脱出』『銃殺』、そして本作と鑑賞されたことで、事件を多角的に、かつ最も深く俯瞰できる「総仕上げ」にふさわしい一本となった。

ネタバレ・総評
物語は、青年将校たちの自決や処刑をもって幕を閉じる。彼らが求めた「維新」は成らず、逆にこの事件をきっかけに日本は軍部独裁と戦争への道を突き進むこととなる。
「歴史の深淵に触れることができた」という日記の言葉通り、若きエリートたちがなぜ命を賭してまで決起し、なぜ敗れ去らねばならなかったのか。その問いは、今を生きる私たちにも重い余韻を残す。

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小川コータ「発明で食っていく方法、全部書いた」★★★★☆


同業者の著作で非常に面白い 参考になった

ただし米国制度や印紙代の記述にミスを発見

・米国は先発明主義(◯先願主義)

・出願の印紙代15000円(◯14000円)
 

どうして、間違えたんだろう?

 

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<書籍>

作品名:発明で食っていく方法、全部書いた。(フリック入力をマイクロソフトに売却して人生100回分稼いだ発明家が明かす、発想法からマネタイズまで)

著者
小川コータ(発明家、弁理士、ミュージシャン)

内容・構成
iPhoneなどのスマホで標準となっている「フリック入力」の基本特許を考案し、マイクロソフト社に売却した実績を持つ著者による、発明の「発想法」から「権利化」、そして「マネタイズ(収益化)」までを網羅した指南書。
単なる技術開発の話にとどまらず、いかにして日常生活の不便から「発明の種」を見つけるか、そしてそれをどのように知財戦略として構築し、巨大企業との交渉に繋げるかという、極めて実戦的なプロセスが公開されている。

意義
本作の意義は、著者が「弁理士(知財の専門家)」でありながら、自ら「発明家(プレイヤー)」として巨額のライセンス料を手にしたという、類まれなバックグラウンドに基づいている点にある。専門知識と実利の両面から語られる内容は、個人発明家にとってこれ以上ない「成功のロールモデル」を提示している。また、発明を「特別な才能」ではなく「技術的な仕組み」として言語化している点も画期的である。

ネタバレ・総評
「フリック入力」という世界標準のインターフェースを生み出した著者が辿り着いた結論は、派手なアイデアよりも「いかに権利を確定させ、相手が必要とするタイミングで提示するか」という戦略の重要性である。
「人生100回分稼いだ」という刺激的なコピーの裏側にある、緻密な知財戦略と粘り強い交渉の記録は、すべての方にとって知的な刺激に満ちたものとなっている。

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小林恒夫/立野信之「銃殺 2.26の叛乱」★★★☆☆

登場人物の心情がいまいち捉えきれず、物語に没入しきれなかった。

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銃殺 2.26の叛乱

 

解説
立野信之の「叛乱」を「雲切獄門帳」の高岩肇が脚色「パレンバン奇襲作戦」の小林恒夫が監督した二・二六事件秘話。撮影は「暴力団」の仲沢半次郎。

1964年製作/96分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年6月20日

あらすじ
昭和六年。満州事変勃発以来、軍閥は次第に勢力を強め、政治の実権を握っていった。しかし政界、財界には醜悪な疑獄事件が相ついで起り、世相は混乱していた。祖国の将来を憂える、安東大尉以下青年将校達は、指導者矢崎大将を中心に一挙革新の機を伺っていた。これを察知した、永井軍務局長等反対派は、矢崎大将を罷免し、同時に大将の崇拝者、相川中佐をも追いやろうとしたが、却って相川派のために、永井は暗殺された。革新派、指揮官の立場にある安東は、自分達の行動が、事実上天皇の軍隊と対決しなければならないことを憂い、そのために部下を不名誉な叛乱軍の名の下にさらさねばならぬことを恐れて断行に苦しんだ。しかし、そんなこととは知らぬ青年将校達は、安東の柔弱さをなじるのだった。そんな時、部下の塚本一等兵が、家族の貧苦を知り、いたたまれずに脱走し、数日後親子心中を計った。この事件を知った安東は、今の政治では、このような悲劇はあとを絶たないことを悟り、直接行動にうったえることを決意した。二月二六日早朝、降りしきる雪の中を安東隊は侍従長官邸を襲い、岡部総理、高垣蔵相、斎田内大臣、渡見教育総監を殺害し、さらに警視庁をも占領した。しかし天皇は、重臣達を殺害したことから彼等を叛乱軍と呼び、矢崎大将をはじめとする、幹部達は安東隊を裏切り責任を、安東に押しつけ、鎮圧軍をおくった。安東隊は山手ホテルにたてこもったが、部下の命を案じた安東は単身鎮圧軍の前にとび出し、部下の救命を願った。しかし望みは果せず、一同は一網打尽となり、陸軍衛戌刑務所へ送られ全員銃殺となった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)
スタッフ・キャスト
監督
小林恒夫
脚色
高岩肇
原作
立野信之
企画
関政次郎 坪井久智
撮影
仲沢半次郎
美術
田辺達
音楽
木下忠司
録音
小松忠之
照明
桑名史郎
編集
田中修
スチル
田中真紀夫
安東大尉鶴田浩二
安東文子岸田今日子
磯野浅二佐藤慶
栗林中尉江原真二郎
野田大尉大村文武
天野大尉北川達也
新木中尉亀石征一郎
村山孝一南廣
渋谷真助関山耕司
坂口中尉高城裕二
相川中尉丹波哲郎
大庭少佐南原宏治
岩佐原田甲子郎
鈴木侍従長志摩栄
鈴木侍従長夫人桧侑子
山上少将神田隆
矢崎大将浜田寅彦
小島陸相沢彰謙
松山参謀次長外野村晋
永井運務局長菅沼正
新田大佐久保比佐志
久米曹長井川比佐志
永見曹長相馬剛三

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<映画>

**作品名:銃殺(じゅうさつ) 二・二六事件**

**監督**
小林恒夫

**キャスト**
安藤大尉:**二本柳寛**
野中大尉:**高倉健**
香田大尉:**今井健二**
磯部元一等主計:**佐藤慶**
村中元大尉:**河野秋武**

**あらすじ**
1936年に発生した「二・二六事件」を、陸軍内部の派閥抗争と青年将校たちの苦悩に焦点を当てて描いた社会派ドラマ。
昭和維新を掲げ、腐敗した政治と貧困に喘ぐ国民のために決起した青年将校たち。しかし、彼らの純粋な理想は、冷徹な軍上層部の政治的駆け引きによって次第に追い詰められていく。事件発生から、反乱軍として鎮圧され、非公開の特設軍法会議を経て処刑に至るまでの過程を、冷徹な筆致で描き出す。

**意義**
本作の意義は、二・二六事件を単なる歴史上のクーデターとしてではなく、組織に翻弄される「個人」の悲劇として描き出した点にある。特に、事件後の裁判過程において、彼らが何を信じ、何に絶望して銃殺刑に処されたのかという「内面」の描写に重きを置いている。1960年代の東映が放った、硬派な実録歴史劇の一作である。

**反響**
前作『二・二六事件 脱出』と同じ小林恒夫監督・高倉健出演のコンビだが、エンターテインメント性を重視した『脱出』に対し、本作は非常に重苦しく、内省的なトーンで統一されている。そのため、メモにあるように「心情が捉えきれない」という戸惑いは、当時の観客の一部からも「群像劇として焦点が絞りづらい」「思想的背景が複雑」といった評価として現れている。

**ネタバレ・総評**
物語は、青年将校たちが自分たちの行動を「義」と信じながらも、最終的に天皇の「御心」に背いた反徒として処理される悲劇を淡々と追う。劇的な逆転劇はなく、タイトル通り彼らが「銃殺」される結末に向かって物語は沈んでいく。
「登場人物の心情が捉えきれない」と感じられたのは、彼らが抱えていた国家観や忠誠心が、現代の視点からはあまりに極端で、共感の余地を見出しにくいからかもしれない。

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小林恒夫「二・二六事件 脱出」★★★★☆

殺されなかった岡田総理の脱出劇 スリルがあり面白い

 

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<映画>

 

作品名:二・二六事件 脱出

 

監督

小林恒夫

 

キャスト

野中大尉:高倉健

香田大尉:今井健二

安藤大尉:神田隆

木戸幸一:河野秋武

鈴木貫太郎:織田政雄

岡田啓介:小沢栄太郎

 

あらすじ

1936年(昭和11年)2月26日に発生した、皇道派青年将校らによるクーデター未遂事件「二・二六事件」を背景とした異色の実録サスペンス。

反乱軍に襲撃された首相官邸。時の総理大臣・岡田啓介は殺害されたと思われていたが、実は義弟の松尾伝蔵が身代わりとなって犠牲になり、岡田自身は官邸内に潜伏していた。反乱軍が占拠し、厳重な監視下に置かれた官邸から、総理をいかにして救い出すか。変装、密告、そして命がけの隠密作戦。一刻を争う緊迫した状況下での「脱出」に焦点を当てた、スリル溢れる異色のドラマ。

 

意義

本作の意義は、歴史的な大事件である「二・二六事件」を、政治的な背景だけでなく「脱出サスペンス」というエンターテインメントの枠組みで描き出した点にある。多くの二・二六事件関連作品が青年将校たちの悲劇や思想に焦点を当てる中、本作は「生き残るための戦い」を主軸に据え、東映実録路線特有の荒々しさと緊張感を持って構成されている。若き日の高倉健が反乱軍側の将校を演じている点も、後の彼のキャリアを考えると非常に興味深い配役である。

 

反響

歴史の裏側にあったとされる奇跡的な救出劇をスピーディーに展開させており、公開当時から「手に汗握る娯楽作」として高い評価を得た。メモにある「スリルがあり面白い」という感想は、本作が意図した「歴史劇としての重厚さ」と「サスペンスとしての面白さ」の両立が成功していることを裏付けている。単なる歴史の教科書的な描写に留まらない、映画的な興奮を味わえる一作として、今なお根強いファンを持つ。

 

ネタバレ・総評物語のクライマックスでは、反乱軍の目を盗み、弔問客や変装を駆使して岡田総理を官邸から連れ出す決死の作戦が展開される。史実通り、岡田総理は無事に脱出に成功するが、その過程でのハラハラさせる演出は白眉。ラストは、一時の混乱が収束に向かう中での権力構造の非情さも描き出し、単なる成功談に終わらない後味を残す。今日がちょうど「2月26日」当日であることから、事件の重みと映画のエンタメ性がより強く感じられる視聴体験となったのではないだろうか。

 

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ドラマ/貴戸湊太「そして、ユリコは一人になった」★★☆☆☆


退屈で引き込まれず つまらない

流し見しても(流し見したから?)引き込まれるところがない


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<映画・ドラマ>

作品名:そして、ユリコは一人になった

演出
下山天、杉山嘉一

原作
貴戸湊太「そして、ユリコは一人になった」(宝島社「このミステリーがすごい!」大賞・U-NEXT・カンテレ連動企画「名もなき毒」シリーズ)

キャスト
嶋村ゆり子:玉城ティナ
矢坂百合子:岡本夏美
美月:小越勇輝
松沢:紺野彩夏
由利族:柴田杏花
神崎:森迫永依

あらすじ
「ユリコ様伝説」が語り継がれる白百合学園高校。学園のトップに君臨する「ユリコ様」という存在になれるのは一人だけであり、その座を巡って争う者や、ユリコという名を持つ生徒たちが次々と不幸に見舞われていく。
新学期、新たに「ユリコ様」の座が空いたことで、学園内は疑心暗鬼に包まれる。親友を救うために立ち上がった嶋村ゆり子は、学園に隠された残酷なルールと、連続する不可解な事件の真相に迫っていく。閉ざされた女子高を舞台にした、美しくも禍々しい学園ミステリー。

意義
本作の意義は、宝島社の「このミステリーがすごい!」大賞の関連企画として、若手実力派俳優を起用し、スタイリッシュな映像美で本格ミステリーを連続ドラマ化した点にある。スクールカーストや集団心理の危うさを、「ユリコ様」という架空のシステムを通して描き出し、深夜ドラマならではのエッジの効いた演出を試みた。

反響
玉城ティナのミステリアスな存在感や、独特の世界観を支持する声がある一方で、設定の奇抜さに物語が追いついていないという指摘も少なくない。メモにある「退屈で引き込まれない」という感想は、視聴者の間でも「設定は面白いがテンポが遅い」「登場人物に感情移入しにくい」といった評価として散見される。特に、論理的な謎解きよりも雰囲気や様式美を重視した演出が、本格的なサスペンスを期待した層には物足りなく映った可能性がある。

ネタバレ
物語の結末では、一連の事件の黒幕が明らかになるが、それは単なる個人の犯行ではなく、学園全体が長年維持してきた「ユリコ様」という偶像崇拝の歪みが爆発した結果として描かれる。最終的に多くの犠牲者が出るが、タイトルが示す通り、最後に「一人」が生き残る形となる。しかし、その結末もカタルシス(解放感)よりは、後味の悪さや虚無感を残すものとなっており、好みが大きく分かれるポイントとなっている。

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フレッド・ピーボディ「すべての政府は嘘をつく」★★★☆☆


陰謀論盛んな今では、内容が古く感じられる 


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<映画>

**作品名:すべての政府は嘘をつく(原題:All Governments Lie: Truth, Deception, and the Spirit of I.F. Stone)**

**監督**
フレッド・ピーボディ

**製作総指揮**
オリバー・ストーン ほか

**キャスト(出演)**
グレン・グリーンウォルド
ジェレミー・スケイヒル
エイミー・グッドマン
マット・タイービ
ノーム・チョムスキー

**あらすじ**
「すべての政府は嘘をつく。何も信じてはならない」――。
かつて、ワシントンD.C.で権力者の嘘を暴き続けた伝説のジャーナリスト、I.F.ストーン。彼の精神を受け継ぎ、巨大資本や政府のプロパガンダに屈することなく真実を追い求める独立系ジャーナリストたちの姿を追ったドキュメンタリー。
ベトナム戦争、イラク戦争、そしてスノーデン事件。政府が発表する公式見解の裏に隠された欺瞞を、彼らはいかにして暴いてきたのか。主流メディア(メインストリーム・メディア)が権力の監視役としての機能を失いつつある現代における、ジャーナリズムの真の役割を問う。

**意義**
本作の意義は、民主主義の根幹を支える「調査報道」の重要性を再認識させる点にある。特定の企業スポンサーを持たない独立系メディアが、いかにして国家権力に立ち向かうかというプロセスを可視化した。情報の出所を疑い、自ら検証することの必要性を説く、メディア・リテラシーの教科書的な側面も持っている。

**反響**
公開当時は、エドワード・スノーデンによる内部告発後の熱気もあり、権力に抗うジャーナリストたちの孤高の戦いが大きな共感を呼んだ。しかし、メモにあるように、2020年代後半の現在から見ると、SNSによる情報の断片化や、逆に「陰謀論」が溢れかえりすぎて何が真実か判別不能になった社会状況(ポスト真実)において、本作が扱う「政府の嘘」という構図自体が、当時よりも複雑かつ、ある種古典的なものに映るという指摘もなされている。

**ネタバレ・総評**
映画の結論は、特定の「答え」を提示するものではなく、「疑い続けろ」という姿勢そのものを称えるものである。しかし、2026年の視点で見れば、彼らが命がけで暴いた「嘘」以上に、意図的に歪められた「オルタナティブ・ファクト」が世界を覆っている現状がある。
「内容が古く感じられる」という感想は、情報の受け手側がすでに「政府やメディアは嘘をつくものだ」という前提を内面化しすぎてしまった、現代社会の冷笑的な空気感を反映しているとも言える。

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ガイ・リッチー「スウェプト・アウェイ」★★★☆☆

 マドンナ主演の「流されて」リメイク

少しマイルド過ぎる印象 リメイクする意味あったのだろうか


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<映画>

作品名:スウェプト・アウェイ(原題:Swept Away)

監督・脚本
ガイ・リッチー

キャスト
アンバー:マドンナ
ジュゼッペ:アドリアーノ・ジャンニーニ
(※オリジナル版主演ジャンカルロ・ジャンニーニの実子)

あらすじ
傲慢な富豪の妻アンバーは、夫や友人たちとプライベートヨットで休暇を楽しんでいたが、雇われ船員のジュゼッペを執拗にいびり続けていた。しかし、ボートの故障により二人は無人島に漂着。立場は逆転し、サバイバル能力のないアンバーは、ジュゼッペに従わなければ生きていけない状況に追い込まれる。文明から切り離された島で、二人の間には奇妙な愛憎関係が芽生え始める。

意義
1974年のイタリア映画『流されて…』を、当時の人気監督ガイ・リッチーが当時の妻マドンナを主演に迎えてリメイクした作品。オリジナル版が持っていた強烈な階級闘争や政治的風刺という毒素を抑え、より現代的でスタイリッシュなロマンス・コメディへの変奏を試みた点に制作の意図がある。

反響
公開当時は批評家から厳しい評価を受け、ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)で最低作品賞、最低主演女優賞など5部門を受賞するという不名誉な記録を作った。メモにある「リメイクする意味があったのだろうか」という感想は、多くの批評家やオリジナル版のファンが抱いた「原作の持つ野性味や社会批判の鋭さが失われ、単なるマドンナのプロモーションビデオのようになっている」という批判と合致する。

ネタバレ・総評
結末はオリジナル版を踏襲しており、救助された二人は現実の世界へと戻る。アンバーは島での出来事を「真実の愛」として受け入れようとするが、結局は元の豪華な生活と身分に引き戻され、ジュゼッペとの絆は断ち切られる。ハッピーエンドに改変しなかった点は評価されることもあるが、全体的なトーンが「マイルド」になったことで、ラストの虚無感や残酷さもオリジナル版に比べると薄味になっている。

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リナ・ウェルトミューラー「流されて… 」★★★☆☆+

 

無人島での喋り倒すロマンスなしの展開が面白い ふたりとも本音を言いたい放題 困難があっても元気なお喋りは止まらない 漂流物 無人島でも2人は綺麗 お化粧バッチリ 最後は現実に戻るということかな ロマンスなし


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<映画>

作品名:流されて…(原題:Travolti da un insolito destino nell'azzurro mare d'agosto)

監督・脚本
リナ・ウェルトミューラー

キャスト
ラファエラ:マリアンジェラ・メラート
ジェンナリーノ:ジャンカルロ・ジャンニーニ

あらすじ
地中海をヨットでクルージングする富豪の妻・ラファエラと、彼女に雇われ、こき使われている小作人出身の船員・ジェンナリーノ。傲慢なラファエラを忌々しく思っていたジェンナリーノだったが、ボートの故障で二人は無人島に漂着してしまう。
文明社会の身分制度が崩壊した無人島で、立場は一転。生きる術を知るジェンナリーノが主導権を握り、ラファエラを支配しようとする。反発し合い、激しい言葉をぶつけ合う二人。極限状態の中で剥き出しになる人間の本音と、奇妙な主従関係の変遷を描いた社会派コメディ・ドラマ。

意義
本作の意義は、1970年代のイタリアにおける「階級闘争」と「男女の対立」を、無人島という密室空間で痛烈に風刺した点にある。政治的・社会的な信条が異なる男女が、本音を叩きつけ合う姿は、単なるロマンス映画の枠を超えた人間喜劇となっている。2002年にガイ・リッチー監督、マドンナ主演でリメイク(邦題:スウェプト・アウェイ)されたが、このオリジナル版の持つ毒気と力強さは今なお高く評価されている。

反響
公開当時、その過激な内容と社会風刺が大きな話題を呼んだ。メモにある「喋り倒す」「本音を言いたい放題」という点は、まさにウェルトミューラー監督作品の特徴であり、観客を圧倒する熱量がある。また、無人島生活という過酷な状況下でも、映画的な美学として二人の容姿や「お化粧」が整っているシュールさも、本作の独特な味として語り継がれている。

ネタバレ・総評
最終的に二人は救助され、現実の世界(文明社会)へと戻っていく。無人島で築かれた奇妙な絆や力関係は、元の階級社会に戻った瞬間に脆くも崩れ去る。メモにある「最後は現実に戻るということかな」という洞察の通り、本作は「島での時間は夢や幻想に過ぎず、社会の壁は容易には超えられない」という冷徹な現実を突きつけて幕を閉じる。ロマンスに逃げない結末が、作品のメッセージをより強固にしている。

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小泉悠・黒井文太郎「国際情勢を読み解く技術」★★★☆☆


対談本。適宜飛ばしながら読む。


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<書籍>

作品名:国際情勢を読み解く技術

著者
小泉悠(東京大学准教授)、黒井文太郎(軍事ジャーナリスト)

内容・構成
ロシア軍事研究の第一人者である小泉悠氏と、国際紛争取材の経験が豊富な黒井文太郎氏による対談本。
ウクライナ戦争の長期化、トランプ政権の再来(あるいはその影響)、習近平体制下の中国、そして北朝鮮の動向など、2025年から2026年にかけての緊迫する世界情勢をテーマにしている。
単なるニュースの解説にとどまらず、フェイクニュースや陰謀論が蔓延する「認知戦」の時代において、どのようにして一次情報を精査し、各国のバイアスを排除して事実を見極めるかという、専門家ならではの「情報の読み解き方(技術)」を伝授する一冊。

意義
本作の意義は、軍事研究者とジャーナリストという、異なる立場から「インテリジェンス」の重要性を説いている点にある。特に、SNS等で拡散される断片的な情報に惑わされず、衛星画像や公的なシンクタンクの報告書、現地発のニッチな情報をクロスチェックするプロの思考過程を可視化した。複雑怪奇な現代の国際政治を、冷静かつ論理的に分析するための「知的な防具」を提供している。

反響
「軍事オタクと諜報機関オタクによる濃密な座談会」として、国際政治に関心の高い層から強い支持を得ている。特に、トランプ大統領の予測不能な言動やプーチンの戦略をどう読み解くかという具体的な分析が好評。一方で、高度な専門知識を前提とする議論も多いため、読者からは「興味のある章から拾い読みするのが正解」「飛ばし読みでも十分にエッセンスが伝わる」といった声も上がっている。

ネタバレ・総評
本書の結論の一つは、「絶対的な正解はないが、相場観を持つことはできる」というもの。情報を鵜呑みにせず、自分の中に「判断の基準」を作るための訓練の必要性を説いている。小泉氏の持つアカデミックな視点と、黒井氏の持つ現場感覚が混ざり合い、読後には世界情勢の見方が一段階深まる構成。特に最終章で語られる「日本が直面する認知戦の脅威」は、現代の日本人にとって避けて通れない課題として突きつけられる。

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舛友雄大「潤日(ルンリー)現代中国人の日本移住、その光と影」★★★☆☆+
 

日本に移住する中国人のノンフィクションで力作

いわゆる「潤日(日本に生活基盤を移す中国人)」という現象を扱ったノンフィクション

様々なタイプの潤日の中国人にインタビューしている

大変な力作であることは認めるが、個々人の事情は全て異なり(当たり前だが)感想としては、私の知らない色々な人が日本に移住してきているのね、という感想 大金持ちから貧乏人まで様々

途中飛ばし読み(見出し読み)


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<書籍>

作品名:潤日(ルンリー)――現代中国人の日本移住、その光と影

著者
舛友雄大(ジャーナリスト)

内容・構成
「潤(ルン)」とは、中国語の「RUN(逃げる、脱出する)」を由来とするネットスラングであり、中国国内の閉塞感や政治的圧力を避けて海外へ移住する現象を指す。
本書は、2022年以降に急増した「潤日(日本への移住)」という社会現象を、徹底したフィールドワークとインタビューによって解明しようとしたノンフィクションの力作である。
登場するのは、教育環境や自由を求めて資産を移す富裕層「投資経営」層から、ITエンジニア、さらには不法就労に近い形で命がけで渡航してくる困窮層まで多岐にわたる。著者は彼らの渡航ルート、日本でのリアルな生活実態、そして移住後に直面する日本社会の壁や孤独を、丹念な取材で描き出している。

意義
本作の意義は、一括りにされがちな「在日中国人」という存在が、実は思想、経済力、来日動機において極めて多様であることを可視化した点にある。単なる労働力不足の解消や治安問題といったマクロな視点ではなく、個々の人生というミクロな視点から、なぜ今「日本」が選ばれるのかを問い直している。現代中国の歪みと、それを受け入れる日本社会の変容を記録した、極めて今日的なドキュメントといえる。

反響
刊行以来、国際政治や移民問題に関心を持つ層から高い注目を集めた。特に、これまであまり報じられてこなかった「高学歴・高資産層」の日本流入の実態は、多くの読者に衝撃を与えた。
メモにある「個々人の事情は全て異なり、私の知らない色々な人が移住してきている」という感想は、まさに著者が意図した「ステレオタイプな中国人像の打破」が成功している証左でもある。一方で、その多様さゆえに、全体を一つの結論に集約することが難しいという、ノンフィクション特有の読後感(見出し読みを誘発する情報量の多さ)も指摘されている。

ネタバレ・総評
本書が示すのは、移住者たちの「日本はゴールではない」というドライな現実でもある。ある者は日本を欧米への足がかりとし、ある者は日本の静かな生活に永住を誓う。
「大金持ちから貧乏人まで様々」という事実は、日本が彼らにとって「自由を買い取れる場所」であると同時に、「最後の駆け込み寺」にもなり得るという重層的な役割を果たしていることを物語っている。

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