ニア・ダコスタ「ヘッダ(Hedda)」★★★☆☆
良く分からない映画。 映像は豪華。
昔の戯曲の映画化?
===========================================================
映画「ヘッダ」
正確なタイトル
ヘッダ(Hedda)
監督
ニア・ダコスタ
原作
ヘンリック・イプセンの舞台劇『ヘッダ・ガーブレ』(1891年)を基にした現代版リメイク
キャスト
主要キャストは以下の通りである。
* ヘッダ 役:テッサ・トンプソン
* ジョージ 役:トム・ベイトマン
* アイリーン 役:ニーナ・ホス
* シア 役:イモージェン・プーツ
あらすじ
将軍の娘であるヘッダは、愛のない結婚生活に閉塞感を覚えながら、嫌悪する屋敷で暮らしている。大学教授である夫ジョージは昇進を目指して豪勢なパーティーを開催するが、その場にはジョージの昇進競争相手であり、ヘッダの元恋人でもあるアイリーンが現れる。複雑に絡み合う人間関係の中、ヘッダは自らの立場を有利にするために巧みな策略を巡らせるが、その行動はやがて予想だにしない劇的な結末へと導かれていく。
意義
本作は19世紀の古典劇を現代向けに大胆に再解釈した作品として意義深い。原作の時代設定を1950年代に変更し、主人公ヘッダを黒人でバイセクシュアルという設定に刷新することで、新たな視点から物語を構築している。R指定を受ける官能的でシニカルな演出により、古典作品の現代化における新たな可能性を示した。細部まで計算された視覚表現と情感豊かな音楽が、主人公の内面の葛藤と緊張感を効果的に増幅させている。
反響
この挑発的で大胆な解釈は公開後、賛否両論を巻き起こした。監督の明確なビジョンと、テッサ・トンプソンによる主人公の複雑な心理描写を高い完成度で表現した演技は多くの称賛を集めた。一方で、原作の持つ繊細な心理描写が損なわれているとする意見や、キャラクターへの共感が持ちにくいという指摘も見られた。特に原作とは異なる結末や、ヘッダが最後に見せる「いたずらな笑み」の解釈を巡って、多くの考察と議論を生むこととなった。
ネタバレ
映画の結末は原作の悲劇的な結末(自殺)を採用しておらず、代わりにヘッダが何らかの形で生き延び、未来への可能性を感じさせる描写となっている。彼女が最後に浮かべる「いたずらな笑み」は、単なる救いや解放を示すものではなく、新たなゲームの始まりを示唆するものとして解釈できる。この結末は監督による意図的な現代的アップデートの核心部分であり、古典のリメイクにおける新たな解釈の可能性を提示している。
