98個目
"武道館でソロコンサート"
99個目。
"ゆうなぁもぎおんでコンサート"
100個目。
、、、
『ねぇなぁちゃん?お風呂あがったよ?』
彼女の声にスマホのメモにスラスラ打ち込んでいた指がピタっと止まる。
一度も染めたことのない黒髪をバスタオルで巻いたパジャマ姿のゆうちゃんがそこに立っていた。
パンダの柄のお揃いパジャマを着たゆうちゃん。
お風呂上がりの彼女は透明感が凄いのにどこか幼い。
お互いに忙しくて生活のリズムがあわない日々。
別々に過ごす事が増え、減ってしまったお泊り。
そのせいか久しぶりに見るのその姿に
今日は不覚にも胸がぎゅっとなった。
おいでと手招くと
彼女はテクテク歩いてきた。
かわいいなぁ、なんて思っていたら
歩いた波動でバスタオルから
濡れた髪の毛が除く。
「あっ!また半乾き!」
『うっ、、バレた?』
ゆうちゃんはいたずらっこみたいに笑った。
「駄目だよ!風邪引いちゃったらどうするの?」
『大丈夫だって、ほらバカは風引かないっていうじゃん?』
「それ自分で言っちゃう?」
はぁと小さくため息をつく。
面倒臭がりな所も愛おしくて好きだし弱っていつもより甘えてくれるゆうちゃんはかわいいよ?でも苦しんでるゆうちゃんを見るのはごめんだ。風邪を引かれたら元も子もない。
「もうぉ。もっと自分を大事にしてくださいよ。」
『、、むっー。』
「ほら、私が乾かしてあげるから?ね?」
『はーい。』
しぶしぶドライヤーを持ってくるゆうちゃん。
いい子いい子。
「ゆうちゃんの髪、ほんとさらさらで綺麗。」
『ほんと?』
「うん。私も黒髪にしたくなっちゃう。」
『染めるの?』
「うーんせっかくピンクってイメージが定着してきてるから、我慢する。」
『そっかぁ、髪の長さも変わらないし、ゆうゆうになっちゃう所だったね。』
「あはは、何それ」
『ふふっ。』
普通が好き。
彼女にとって私との日々は普通なのか。
普通じゃないのか。
私にとって愛おしい人とこうやって笑いあってる日々は何一つあたり前じゃなくて、毎日がかけがえないのだ。
「ゆうちゃんは普通が好き?」
『んー?』
「写真集のタイトル。やっぱり普通が好き?」
『私が考えたタイトルじゃないよ?』
「そうだけど、ゆうちゃんはどうなのかなーなんて。」
『私はちょっと変わってる方が好きかも。変わってるって言われると嬉しいし。』
「かわりーだ、かわりー!」
『そう、かわりーです!。へへ』
目を細めて、ダブルプースを披露するゆうちゃん。
やだ、かわいいわ。
『でもさぁ、思うんだけどー』
「うん?」
『普通って特別じゃん?』
「うーん?」
『劇場に立ったり。ゆうなぁもぎおんで撮影したり。みんなでレッスン頑張ったり。ありふれた毎日の中の普通が幸せで、その普通こそ特別に感じる。』
『だから、私は、普通が好き。』
素敵。
やっぱり好きだと思った。
顔とか幼いのに、出会った頃からゆうちゃんの考え方は大人びいていていつも考えさせられる。
"純白"って言葉が良く似合う、
そんなゆうちゃんの人柄が、私はずっと大好きだ。
「じゃあ、、私とこうやって過ごす日々はゆうちゃんの普通に入る?」
『、、まぁ普通か普通じゃないかって聞かれたら』
『、、ふつう、、だけど』
「それ遠回しに幸せって事!?」
『、、もう!この話終わり!』
「えーー。」
、、幸せって思ってくれてるんだ。
嬉しいなぁ。
『それより!なぁちゃんはさっきまで何してたの?』
「前話してた、生きてるうちにやりたいこと100個の続き書いてた。
『あーあれね。何個までかけた?』
「99個。」
『すごいじゃん。ちなみに99個目は?』
「ゆうなぁもぎおんでコンサート。」
『あー、わかる。絶対いつかやりたいね。』
「うん、やるまで死ねない。」
『ふふっじゃあ100個目は?』
「まだ書いてないけど、なんとなく決まってる。」
ほんとは"生きてるうちにやりたいこと100個"を書こうと決めた時からきまっていた100個目。
『なに、なに?』
「なんだろうねー。そういえば、みぃさんの結婚祝いもしないと。」
『あっ!ずるい。今そらした。』
「へへ」
『教えてくれてもいいじゃん。』
ヒントを出してあげたのに気付かず
ぶつぶつと文句を言うゆうちゃん。
「だめなものはだめなの」
そう言うと
ぷんぷんと明らかに拗ねてますと絵に書いたようなお顔。
「ふふかわいい。ほら今日はゆうちゃんが見たい映画でいいから、機嫌直して?ね?」
そんな拗ねないでもいつか言うよ?
でも今はまだ早いかな。
100個目。
"ゆうちゃんと結婚式"
100個目 【完】
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半年ぶりの投稿。
私は相変わらずただただ二人に幸せになってほしいみたいです。