◆84歳の方と私の会話◆
君はね、築地にある聖路加病院の日ノ原先生を知ってるかい?
「いいえ、存じ上げないです。」
日ノ原先生が100歳で僕が78歳の誕生日のときにご飯を食べに行ったんだよ。
「素敵ですね!」
そのとき何と言ったと思う?
「何でしょうか?」
八二君、78歳か。
いよいよ、これからですね、って。
「すごく素敵です(泣) 私も本当にそう思います!まだまだこれからです!」
ぼくはね、84歳だけど毎朝8時15分に
会社の会議に出ているよ。
ぼくが行かなくても回るけどね、
お金のためではなくて
こんな年になっても二十歳くらいの子から
それはいいね!って感動をもらったりするんだよ。
「はい、気持ちがとても伝わります」
君はね、自力でやろうとするかもしれないけど
力のある人に相談して、それはとてもいいね!って賛同してもらったことから手をつけるべきだよ
「はい、そうですよね」
「私の3倍近く生きている☆☆☆さんが、
いよいよこれからなのに、私よりも若い子が諦めてるのを見ると、世界観が狭いから仕方ないところもありつつ勿体無くて仕方がないです」
「それを気づかせてあげるのも、大人の役目かなと思っています」
「八二さんから見たら、わたしも子供かもしれませんが」
「私の本気の夢を聞いていただけますか?」
もちろん。ぼくはね、真面目にやってる人とは全員組めるよ。
今日一番の良かったことは
めい美さん、あなたに会えたことだ。
「私もです。本当に尊敬します」
満ち足りた表情のその方は、
笑顔を絶やさず、
補聴器と老眼鏡をつかって
耳で聞いて目で見て
そして毎日働いていらっしゃる。
それぞれ何人かいるお孫さんに、
それぞれ何円のお年玉を上げたか
ノートにメモして
来年はもっとあげると
得意気に笑った。
私には毎日毎晩このような出会いがある。
気付いたら今日出会った人の言葉に泣き出し、
私が何とかするから!
そんなの絶対に変えてみせるから、
と豪語してる。
無責任に聞こえるかもしれないが、結構本気で泣きながら言ってたりする。
世界は広い。
彼らの愛や悲しみは深い。
いよいよ、これからだ。