こちらは、バトルロイヤルのお話②です。
思い切りネタバレしますので、見たくない方は回れ右をお願いします。
さて、あの局に何故国士無双を放銃してしまったか、技術的な事を含めてお話します。
まずは、最終戦が始まる前のポイント差をご覧下さい。
モンド杯チームとは66.8ポイント差。
このポイント差を具体的に言うと、
女流モンド杯チームがトップ、モンド杯チームが2着なら36.8ポイント差。
女流モンド杯チームがトップ、モンド杯チームが3着なら16.8ポイント差。
女流モンド杯チームがトップ、モンド杯チームがラスなら6.8ポイント差。
これだけのポイント差をつけないと逆転優勝する事は出来ません。
つまり、モンド杯チームが2着だと優勝するのは約40000点差必要で、私が60,000点トップだとしても、モンド杯チームが20,000点ちょっとあるとダメなので、現実的な優勝条件ではないのです。
だから、ウチのチームにとってはモンド杯チームに楽をさせる事は絶対にタブー。
逆に名人戦チームや、バトルロイヤルチームが点数を稼いでくれることはとてもありがたい事なのです。
それとは別に、この局には局テーマがありました。
名人戦チームは、優勝条件はとても厳しいです。
つまり、名人戦チームは自分の親で降りる事はまずないでしょう。
なので、アガリ辛い聴牌でのリーチだけは避けたかったです。
親の近藤さんと1:1の展開になってしまうのは本意ではありません。
リーチをかけるならアガリの見込みの高い形で。
そう思っていました。
巡目は進み、自分は単騎聴牌の仮聴牌。
ファースト聴牌のペン7sでリーチも少しだけ頭をよぎったのだけど、それはこの局の局テーマとは違う。
なんとかいい待ちにしてからリーチを打ちたいので単騎で仮聴牌。
そこへ、国士無双に向かってる萩原さんがドラの③を切り、寿人さんがポン。
うわー、一気にやりにくい展開。
私は寿人さんの上家。
極力寿人さんに仕掛けは入れさせたくない。
寿人さんに満貫をアガられる事がこの局の最悪でした。
ちなみに、国士無双に必要な九が自分から見て四枚見えでした。
ドラを切った萩原さんにはもちろん注目しないといけない。
その後、③→⑦→⑧と萩原さんは手出し。
しかし、寿人さんに強い牌は一切きってない。
寿人さんに対して、萩原さんが強い牌を切ったら、ヤオ中牌が余ってなくても警戒しようと思ってました。
この五八聴牌の時に一度リーチを考えました。
そして、一巡ヤミテンにしましたが、次巡にリーチを打とうと思っていました。
巡目的にも、これ以上回すのは厳しいなと。
打点的にも赤五ツモで勝負になると思いました。
そこへ、私にとっての悪魔のツモ。
三六待ちにしたら、寿人さんの欲しい牌も切らなくていい上に、待ちも五八よりは良くなる。と思いました。
九は、自分から見たら国士無双に必要な四枚目の牌。
私の察知能力が低かったかもしれませんが、萩原さんの捨て牌と手出し牌、雰囲気も含めてまだ聴牌してないと思いました。
萩原さんはいつも打牌に気合いが入っているので、この時の気合いもいつもの萩原さんと同じように私には見えました。
25s切りや、五切りも少しだけ考えました。
でも、どれも鳴かれる可能性、下手したらロンされる可能性のある牌に思いました。
(それに、この巡目で九が通ればもう国士無双の可能性もない)
色々考えた上での九切りリーチの決断でした。
見てる人からしたら、なんで???と思ったかもしれません。
でも、このポイント状況って、寿人さんの8000に放銃する事や鳴かせてアガりに近付ける事って、本当に罪の重い事だったんです。
でも、これは寿人さんに意識を向けすぎた上での私の失敗です。
ただ、これは、何も考えてなくての放銃ではないという事はお伝えしたかったです。
ポイント差があって、みんなの条件があって、それを考えた上での私の判断です。
それでも、この放銃で勝者を決めてしまったようなものですから、バッシングされるのは仕方ないと思っています。受け入れますm(_ _)m
放銃した私が言うのもなんですが、この大一番で役満聴牌を入れられてアガリきる萩原さんは本当に強くて素晴らしかったと思います。
その後の打ち回しも戦い続けて手にした勝利だった思います。
本当におめでとうございます!
完敗です!
また何かの機会で萩原さんと戦う機会があったら嬉しいなと心から思います。
対局が終わって、まず寿人さんに
「勝者を決めてしまってごめんなさい」と言いました。
「あんな放銃仕方ないじゃん。気にすんなよ」
と、言ってくれました。
救われました。
瑠美さんが一番に会場に降りてきました。
「瑠美さん、ごめんなさい、、」
と言うと、
「バカ泣くなよー!頑張った!よしよし」
って言ってくれて、更にボロボロに泣いてしまいました(;_;)
その後やってきたコバゴーさんが泣いてる私を見て
「あんなの九切る!仕方ない!」
と、言ってくれました。
井出さんに、
「ごめん、、」
と言うと、
「お前泣くと思ってた!気にすんなよ」
と言ってくれました。
その他にも皆さんに優しく声をかけて頂いて、私は本当に優しい人達に囲まれ、恵まれてる環境で戦ってるんだなと思いました。
こんな素敵な場所で戦えた事を、一生忘れません。
バトルロイヤルの生放送に出演していた、キャストの皆様、影で生放送を支えて下さったスタッフの皆様、そして10時間放送を見て下さった視聴者の皆様。
本当に本当にありがとうございました!!
この日の事をきちんと胸に残して、今後も麻雀プロとして成長しながら歩んで行けたらいいなと思っています。
長くなりましたが、このブログを読んで下さった皆様も、ありがとうございました!