雨の月曜日。傘を刺しながら、たくさんの荷物を持って歩いている小学生にエールを送りたくなります。

土曜日は東京春音楽祭のムーティ氏指揮の《アイーダ》最終日でした。


今思い返しても、感動の震えが起きそうな時間を過ごしたことに、感謝と感激が溢れてきます。

広い東京文化会館の隅から隅まで、スタンディングオベーションと割れんばかりの拍手で覆い尽くされました。


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音楽祭のページ写真が掲載されております。

是非ご覧ください。


これがヴェルディの書いた音楽なのだと納得させられました。そして、とにかくムーティ氏についていけば、その真髄を聞く人にも伝えられるのだ感じました。

数日にわたる厳しい稽古とリハーサルの間中、どの演奏者も集中して興奮しながらその場にいたのだと思います。音楽家として最高の恩恵を受けているという感覚は最後まで変わりませんでした。

そして、終演後のお客さまの熱狂。この光景は忘れられない経験となりました。



この音楽祭の主催者である鈴木幸一氏とムーティ氏の対談を是非とも読んで欲しいです!!

私が心に残った言葉を引用致します。


東京春祭は20周年を迎えましたが、今、世界中が大変悲劇的な状態にあると言っても過言ではないと思います。簡単に悲劇的と言いますが、これは私たちにとって明日をも知れないというぐらい本当に切羽詰まった状況にあります。現代はハーモニー、つまり調和がどの世界においても必要な時だと考えます。

そういう意味で申しますと、音楽はハーモニーが重要です。人間の気持ちの奥深いところに触れることができるのは、やはり音楽のハーモニーなのだと思います。ハーモニーは社会の調和にも必要ですし、社会の調和を助けてくれてものでもあります。
イタリア語で「美」という意味の「bellezza」、私はこのbを大文字にして「Bellezza」と強調したいほど、音楽は私たちを美しい調和へ導いてくれると私は信じています。誰もがこの調和を持つということが大事だと思います。」
劇場にやって来るお客様はただ美しい音を聴くためじゃない、魂のこもった音を求めているのだと。だから、習慣として演奏するということは、音楽をやるうえで最も大きな敵だと思います。」
「この作品は室内楽の要素が強いオペラです。オーケストラも重厚というよりも、モーツァルトやシューベルトに近い。「凱旋の場」を除けば、2人か3人の対話で成り立っている作品なんですよね。ヴェルディの中でも特に洗練された作品と言っていいと思います。
〜《アイーダ》で描かれているのは、二つの民族の違い、二つの文明の違い、二つの文化の違い。アイーダはエチオピア人で、アムネリスはエジプト人です。2人の間で愛をめぐって敵対する心、ライバル意識とでも言いましょうか、これはとても内面的な作品なのです。」

私の心の財産です。これを生かすのは自分だという事を肝に銘じているところです。
それにしても自分が欲深いと思うのは、コーラスで満足していないところです😓ソロ部分を歌いたくてウズウズしていたというのは、終えたから言えるひとりごとです🤫
くさらず、焦らず、とにかく学び続けようと思います。なんとなく目は霞むし、身体は軋むし、家族のことも気にはなりますが、1人の歌い手として音楽の神様に恥じないよう、『魂のこもった音』を生み出すために、妥協せず諦めずにより高みを求めていきたいと思います。



奇しくも、年度はじめの4月にこの体験をできたことに感謝します。気持ち新たにして、色々な挑戦・演奏をして参ります☺️


皆さまもどうぞお元気でいてください。