前回からの続きです。

 

基本的に、割安を測るのにPERを使いますが、

計算に使うのは今期予想EPSですよね。

つまり、1年という期間での業績予想を使ってバリュー感を見るわけです。

 

ところで、著書『四半期成長率とチャート分析』にも書きましたが、

投資家が知ることのできる最も短い期間での業績は

四半期単位のものです。

 

そこでPERも四半期単位で考えるとどうなるでしょうか?

※四半期利益で求めたPERを四半期PERとします

 

PERの計算式は、

PER=株価÷1株益=時価総額÷利益 です。

この利益の部分に四半期利益を代入すると四半期PERが求まります。

 

 

では、この四半期PERがファクターとして有効なのかどうか、

5分位分析で調べてみましょう。

 

ただ、企業は予想四半期業績を出していないので実績PERを、

(通期のPERでは予想を使いますが、ここでは実績値を使います)

そして、特別損益や税金を考慮した純利益よりも、

企業本来の実力である経常利益で行ってみました。

 

分析対象は、TOPIX500、TOPIX Small、スタンダード、グロース

4つの市場、分析期間は次の2つです。

 

長期:2005年から2023年までの19年間

短期:2021年から2024年直近3年間

 

■長期:2005年~2023年

 

■短期:2021年~2024年(直近1/26まで)

 

分析結果ですが、かなり有効なファクターの形をしています。

特に直近の3年間は、ほぼ全部の市場で四半期PERの有効性が確認できます。

通期予想PERよりも良さそうですね。

 

私が特に気に入っているのが、

四半期の場合、実績の数字を使えることでしょうか。

 

通常PERは予想値で計算しますが、

四半期予想を出していないので、四半期PERは実績で計算せざる得ません。

 

それにも関わらず、このレベルの有効性を示せるのは非常に優秀でしょう。

予想は不確定ですが、実績は確定した数字です。


ただ、四半期PERというファクターは個人投資家には馴染みがなく、

何倍が適正か、とかよく分かりません。

 

例えば、四半期PERが15倍だとしても、それが割安なのか割高なのか…

判断付けるのは難しいでしょう。

 

そこで、2024年1月26日に取得した最新のデータで、

各市場の四半期PERの各分位の数字を記しておきます。

 

 

この数字は地合いによって変化してくるものですが、

しばらくは目安になるかと思います。

 

なお、この3年間は四半期成長率に四半期PERを組み合わせて、

成長株でバリュー感のあるものを物色する戦略が、かなり有効でした。

 

さて、四半期PERが求まりましたが、

次に、この四半期PERを使った割安率というものを求めてみようと思います。

 

さらに、有効で面白いファクターが出来上がってきます。

 

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