こんにちは、千葉県議会議員の水野ゆうきです。

昨日をもちまして千葉県議会では予算委員会が終了いたしました。

 

昨日の最終日はいつも県議会で取り上げている『手賀沼の環境保全』と『乳児院の展開と里親制度』についてみっちり質疑を行いました。

 

以下、質問と答弁の要約を記載します。

 

≪手賀沼の環境保全について≫

水野:手賀沼は手賀沼流域の宅地開発が急速に進んだことにより人口が急増し、沼には大量の生活排水が流れ込んだことで、CODの悪化が進み、結果、夏にはアオコが異常発生し、沼に生息する魚や水生植物にも影響たが、北千葉導水事業による排水規制を強化したことにより、水質は大幅に改善をされたものの、CODは、環境基準の5ミリグラムを達成していない状況で、近年は横ばいでの推移。

この手賀沼の水環境に係る現状課題を県はどのように認識しているのか。

 

:手賀沼に係る湖沼水質保全計画に基づき、下水道の整備や高度処理型合併処理浄化槽の普及、雨水貯留浸透施設の設置などの各種対策を講じた結果、沼に流入する汚濁負荷は着実に削減されているものの、水質は横ばい。これまでに行ってきた汚濁負荷削減対策に加え、水質汚濁メカニズムを解明し、水質改善に向けた効果的な対策を検討する必要がある。

 

水野:平成28年度のCOD年平均値は8.6、全窒素2.2、全りん0.15と10年前とほぼ変わっていない。手賀沼の水環境課題に対し、今後はどのように取り組んでいくのか。

 

:平成29年3月に策定した第7期の湖沼水質計画では、水質汚濁メカニズムの解明などの調査・研究を推進することとしており、調査等に必要な予算を平成30年度当初予算に計上。今後とも、計画に基づく事業を着実に実施するとともに、一層の水質改善に資する調査・研究を推進し、効果的な対策を検討する。

 

水野:原点に戻って調査研究費用を計上するとのことだが、手賀沼の水環境の保全を進めて美しい手賀沼をよみがえらせるため、手賀沼に関しては地元住民が立ち上がり、様々な形で市民活動が行われており、手賀沼の水環境を保全していくためには、行政、住民等の関係者間の連携が重要と考える。現在はどのように取り組んでいるのか。

 

;手賀沼では、県、流域市、利水団体、住民団体が連携・協働して、手賀沼の水環境の保全を推進するため「手賀沼水環境保全協議会」を組織し、

・市街地における初期雨水等の下水道への取り込み

・住民、行政等の協働による湧き水・河川・水生生物の調査

・ポスターコンクールやパンフレット等による普及啓発

・市民団体への活動支援

などを実施。

 

水野:手賀沼が抱える課題に対処するためには、地域住民、NPO、事業者及び行政が問題意識と情報を共有し、このどれかだけが先行して頑張る、ということではなくて各種施策をそれぞれが連携をして、長期的な視野のもと総合的、計画的に推進するように要望する。

特定外来生物に関しても同様である。千葉県ではどのような特定外来生物が確認され、どのように認識をして対策を講じているか。

 

:千葉県では平成30年1月末現在、38種の特定外来生物が確認されている。このうち、カミツキガメ、キョンなど26種類が動物、ナガエツルノゲイトウ、オオキンケイギクなど12種類が植物。特定外来生物への対応は、法律に基づき国が行うこととされているが、実際に対応がなされている種類は限られている。このため、特定外来生物の行動特性や生息状況、被害の発生状況等に応じて、県、市町村、市民団体や住民など様々な主体が対応を図っている。

 

水野:このうち、手賀沼流域で確認されている植物はなにか

 

:手賀沼流域ではナガエツルノゲイトウ、アレチウリ、オオバナミズキンバイなどが確認されている。

 

水野:手賀沼流域で確認されているナガエツルノゲイトウやオオバナミズキンバイなどの植物について県ではどのように対応しているか。

 

:河川管理上の支障が生じているものは県が駆除を実施しているほか、水辺環境の保全のため、市民団体と関係機関等が協働により駆除を実施。また、県及び市民団体等において、水生植物の繁茂状況の調査を実施。

 

 

水野:オオバナミズキンバイは手賀沼で昨年初めて見つかり、環境保護団体のメンバーや県・市の職員らも参加し水際での除去作業を進めた。オオバナミズキンバイは琵琶湖で2009年度に初確認されて以降、爆発的に増殖、滋賀県は2016年度、駆除に3億3千万円を投じるなどしており、手賀沼に関しても早めの対応が肝要である。

手賀沼流域における植物について環境に応じて適切に対応すべきだと思うがどうか。

 

:植物の駆除については、行政、土地の管理者、市民団体等が、それぞれの立場で取り組んでいるところであるが、効果的な駆除を行うには、一層の連携が必要なことから、現在、関係者間で情報共有を行い、対応について、協議を進めている。今後も、手賀沼水環境保全協議会などの場を活用し、関係者間で話し合いを行い、連携・協働による対策を進めていく。 

 

水野:水質浄化の活動や特定外来生物についても関係者間の連携・協働を一層進めていただきたい。手賀沼水環境保全協議会を活用し、定期的に積極的に情報発信・意見交換を行うとともに、もっと多くの協力や参加が得られるような取り組みを進めていただくいよう要望する。

 

≪乳児院の展開と里親制度の推進について≫

水野:千葉県家庭的養護推進計画では、里親等による家庭的養護を推進していくことになっている。まず社会的養護を必要とする子供の数はどうなっているか。

 

:平成28年度末現在で

児童養護施設や乳児院に入所している児童→801人

里親やファミリーホームに委託されている児童→261人

合計1,062人。

 

水野:千葉県乳児院の廃止に伴い、新たに民間の乳児院が新設されたが、千葉県における乳児院の現状はどうなっているか。

 

:県では平成29年5月に開所した2施設を含め7施設を所管しており、平成30年2月1日現在で定員118名のところ93名が入所。

 

水野:従来の施設養護では、多数の職員が多数の子どもを養護する体制であった ため、子ども一人ひとりと職員の信頼関係・愛着関係を築くことが難しく、子どもの心のケアを十分に行えていないことが指摘されていた新設された乳児院の運営体制はどうなっているか。

 

:新設の乳児院は、緊急時の医療機関との連携や養育環境の小規模化を基本的な考え方として事業者を選定したところであり、被虐待児や病虚弱児等への対応を強化するとともに、安全で安心な環境のもとで特定の職員と愛着関係を築きながら、健全な心身の発達ができるよう育ちを支えている。

 

水野:乳児院に関しては、是非とも職員の皆さんが赤ちゃん一人ひとりに愛情を注ぐような運営・体制となるようにお願いしたい。

続いて里親制度について。千葉県における里親登録数は5年前と比較してどうか。

 

:里親数は平成23年度末の341組から平成28年度末までに128組増加し、469組となっている。

 

水野:数字は確実に増えている。メディアで里親制度に関する内容が報道される機会が増えたこともあるだろうが、千葉県行政としても効果的な広報を行ったと評価している。里親制度の理解・普及に向けた千葉県の取り組みはどうか。

 

:里親制度の普及啓発についてはこれまで年1回里親大会を実施していましたが、今年度より広報啓発物品を作成し、それを活用した街頭キャンペーンの実施やラジオCMの放送、県内6地域における制度説明会などを実施し、制度の理解・普及に一層力を入れた。

 

水野:里親委託を推進するためにどのような課題があり、今後、県はどのように取り組んでいくのか。

 

:里親委託を推進する上では、里親登録数の増加や児童を里親に委託する際、親権者の同意が得られにくいことが課題となっている。このため、里親登録数を増やすための広報だけでなく、制度が正しく理解され、親権者の里親委託への理解を推進するとともに、地域にいる里親家庭が安心して暮らすことができるよう制度の周知に取り組んでいく。

 

水野:制度の理解普及は非常に重要である。特に里親制度と特別養子縁組をごっちゃにしたり、様々な誤解等もある。そうした中で正しい知識を県民に伝えていくことは大切で、千葉県では初めて県内

6か所の児童相談所でいわゆる出前説明会を行った。来年度も続けてもらいたいという意図で質問するが、児童相談所で開催された里親制度説明会の結果はどうであったか。

 

:里親の新規開拓及び地域住民における里親制度への理解を深めてもらうことを目的とし、6児童相談所管内毎に里親説明会を実施し、193名が参加した。説明会では里親希望者だけでなく、市町村等の関係機関の職員も参加し、地域全体で里親制度への理解の促進が図られ、効果的な取り組みであると感じた。

 

水野:この説明会に来てくれている方々は里親になる大きな期待を寄せられることができる。また場所によっては参加者が少ないところもあったので、是非、創意工夫をしながらこの取り組みを続けてもらいたい。

 

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ということで、3日間多岐の分野にわたり、みっちりとやり取りをしました。

今回の予算委員会では、私が相当数の質問を通告していた関係で、質問項目を変更していただいたり、翌日に繰り越していただいたり、と予算委員会委員長はじめ、理事会の皆様、そして執行部の皆様に多大なるご配慮をいただきました。

無事にすべての質問を行うことができましたことに、心より感謝申し上げます。

 

明日は所属する総務防災常任委員会が開会され、相当数の議案が付託されておりますので、明日も気を引き締めて議会に臨みます。