こんにちは、千葉県議会議員の水野ゆうきです。

 

今日は流山市の井崎義治市長の新春講演会にうかがいまして、大変勉強になりました。

その内容は明日、まとめてレポートします。

 

さて、9日の金曜日、アミュゼ柏にて開催されました

千葉県東葛地区人権サミット』の講演を拝聴しました。

 

千葉県の人権啓発事業補助金事業でして、5回目となる今回は

子育てと人権』というテーマをもとに、林田香織さん(NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、ロジカルペアレンティングLLP代表)をお招きし、東葛地区5市(柏、松戸、流山、野田、我孫子)の首長によるパネルディスカッションが繰り広げられました。

 

 

この啓発事業を行っているのはNPO法人人権ネットワークPEaCE21(代表:木村仁さん)。

 

 

林田さんはアメリカのご経験もあることから、「子」は「個」という欧米的な認識をお持ちで、それぞれの価値観が受け入れられるアメリカは様々な子育てを受容する社会で子育てしやすい、とのことでした。

 

私も小学校と中学校はアメリカに住んでいたために林田先生の感覚はとてもよく理解できました。

 

価値観が多様になってきたり、デジタル化が進んだりと大きな変化が時代とともにある中で、社会システムは変わっていないというズレが生じています。

 

生き方が多様化している中で、様々な生き方を受容する社会の構築が必要なんですね。

 

特に社会的背景は劇的に変化します。

団塊世代が75歳を超える2025年は大介護時代へ突入し、25万人が育児と介護の「ダブルケア」に直面(その8割が30-40代)し、さらには81%核家族という現状に加え、非正規雇用、共働きの増加・・・

グローバル化により家計モデルが「共働き共育て」へと変化したのです。

 

企業存続の意味でも働き方改革が重要となってくるわけですが、その本質がなかなか日本社会では理解されていない現実があります。

 

就労継続(仕事を休んで好きなだけ子育てしても良い)という意味からキャリアアップへと変えていかなくてはなりません。

 

しかし、日本は意識しないとママのワンオペ育児になる国である、ということを林田さんは警鐘を鳴らしていました。

 

日本は夫婦分業が構築されやすい社会』として多くの要因があります。

・夫婦間の時間的余裕度格差

・夫婦間の家計貢献度格差

・性別役割分業意識

・家庭内需要度

・夫婦間コミュニケーション

 

たとえば、会社の中の暗黙の了解で男性が育休とれない(法律では取れます)など、、、、

 

結局、妻のみ両立支援制度を利用すると夫婦分業体制の強化となってしまうわけですね。なるほど。

 

つまりは、夫婦で『必要に応じて』両立支援制度を利用する必要があります。このあたりは私もよく県議会で質問している内容(男性職員の育休取得など)です。

 

とどのつまり・・・、お父さんや職場の意識改革が何よりも重要なのかもしれません。

 

性別や年齢、立場にかかわらず、困っている人がいたら助ける!という意識をもって、サポートし合う社会にし、結果、多様性の強化が強い組織を作る!ということが林田さんのメッセージでした。

 

 

そして、松戸・本郷谷健次市長、流山・井崎義治市長、野田・鈴木有市長、我孫子・星野順一郎市長、柏・秋山浩保市長によるパネルディスカッションは地域性やそれぞれの政策や考え方が出て、大変興味深く、また勉強になりました。

 

 

●松戸・本郷谷健次市長

待機児童等、課題があるから対応するのではなく、女性がやりたいことを選択することができる社会を作ることが大切。

 

●流山・井崎義治市長

コミュニティ全体を巻き込んでいく。市民団体が率先して行っている活動を行政が応援していく体制となっており、敬服する子育て支援団体が多数ある。

 

●野田・鈴木有市長

子供は宝。男親と女親の役割は異なる。自分の子供たちとは必ず朝食は一緒にとるようにしていた。子ども食堂に対し食材確保支援をしたり、児童生徒からアンケートをとり、子供たちの意見を積極的に聞いている。

 

●我孫子・星野順一郎市長

子育て中の親に定期的にアンケートをとっている。15%が万一の時に相談できる人がいない、という結果から支援策やいざというとき、メニュー等記載のパンフレットを配布。我孫子は児童館を作らずに各学校に児童館の役割を担うあびっ子クラブを設置。

 

※柏・秋山浩保市長はコーディネーターです。

 

 

5市とも男性の市長ですが、皆様、ご自身の子育て経験も語ってくださり(ここでは割愛します(笑))、意義ある講演会でした。

 

東葛地域は東京と至近であり、他の千葉県内の市町村とは異なる部分が多くあります。共働きも多く、千葉都民と呼ばれており、なかなか街づくりに関わることも少ない中で、地域のつながりを構築していくためにはあらゆる工夫や施策が必要となってきます。

 

時代の流れとともに、数十年前とは家庭の在り方や働き方も180度というくらい変わってきている中で、地域の特性を生かしたその街ならではの温かい地域社会をつくるために重要なことはやはり一人一人の意識なんだろう、と感じました。