こんばんは、水野友貴です。

日本時刻だとおはようございます。


本日の英国行政調査は主に『空港』です。


まず午前中は世界的に名高い「Foster Partners」

(フォスターパートナーズ)に訪問し、

組織の沿革、仕事内容及び

テムズハブ新空港構想”の内容について

レクチャーを受けました。



英国  


4人から開始したこの会社は来年で50周年を迎え、

現在は約1500人のスタッフを抱え、

各国にオフィスを構え、空港に関しては

30年間デザインや設計に携わり、

これまでも多くの空港構想を実現させています。


今回はロンドンの東部における「Thames HUB」構想を

説明いただきました。新空港を中心に鉄道や道路、

エネルギー、水などのケーブルやパイプなども

地下に通してすべてを凝縮させ、4滑走路を造り

24時間運営のハブを200億ポンド(約3兆円)の予算で

ハブを作る構想です。


現在ヒースロー空港で第3滑走路の議論がされている

中で、新空港建設の構想は政治的影響を大きく受け、

前ロンドン市長(現在外相)はこの構想をプラスに

捉えているとのこと。

もちろん15~20年はかかります。

ヒースロー空港は騒音問題もあり、

この東部に作ることで新たな雇用や経済効果が

あるという見方を強調していました。


さすがグローバルで建築設計組織だけあり、

日本に不足している発想やデザインの斬新さは

大変参考になりました。


またフォスターパートナーズに務める

日本人男性も同席されたのですが、

偶然にも共通の知人がおり、同い年でした。

世界は狭いですね。


そもそもこちらに女性が研究のために見学に来る

ことは非常に珍しいとのことで、驚かれていました。


シニアエグゼクティブパートナーのLuke氏と

記念に1枚ひらめき電球



英国  


午後は逆にヨーロッパ最多の7500万人の利用客(2015年)

を誇るヒースロー空港にて第3滑走路の計画について。


英国政府の諮問機関である空港委員会という

組織があり、空港拡張計画を運輸省に提出しており、

拡張について30年間の議論がなされています。


ヒースロー空港の拡張(第3滑走路)については

成田空港が抱えるビジョンと重なる部分が多々あり、

千葉県として非常に有意義な内容の視察となりました。


”strong network”を有するヒースロー空港では

3,500mほどのの長距離滑走路を3つ目の滑走路

として考えており、もし実現すれば130万人分の

利用客分のキャパシティとなります。


更には拡張により地元でも新しい雇用が4万増え

経済効果も期待できます。


一方で750世帯の立ち退きが必要となり、

現在交渉段階とのことでした。


こういった拡張には英国全土でのサポートが

必要不可欠になり”Back Heathrow”という

拡張の後押しキャンペーンがあり、

地元のコミュニティでは100,000人がすでに署名したとのこと。


拡張予定地等も案内していただきました。



英国  


空港内では特別に様々な場所を見学させていただき、

ターミナル移動が以下の写真のような電気を使った

近未来的な乗り物で、あらゆるところで環境に配慮した

空港を目指していることがうかがえました。


英国  


またもや移動中に相当色々とコミュニケーションを

とらせていただきまして、やはり空港事業というのは

非常に「政治的」であるということを痛感しました。


例えば、前首相のキャメロン氏はこの拡張には

反対の立場をずっととっていたとのことで、

新首相はまだ立場を明らかにしておらず、

政治的にも動く必要性があるというお話しがありました。


今回見学とプレゼンに随行してくださった女性が

偶然にも米国出身で私が育ったLAと近くの場所に

住んでいたという共通点がありまして、

大変仲良くなりましたビックリマーク


英国  


本日の調査・研究は新空港構想と既存の空港における

第3滑走路計画という異なるスタンスの立場からの

内容であり、それぞれの視点や考え方の違いが

明白に理解できたとともに、政治的に政治家が

どちらに舵を切るのか成田空港がある

千葉県にとっては非常に興味深いものです。


どちらにも共通しているのが

flexible solution”だと感じました。 


さて、明日は最終日となりますが、

飛行機の時間入ギリギリまで視察工程があります。


最後まで気を引き締めてしっかりと

調査を進めます。