こんばんは、水野友貴です。
恒例となってきました毎日の英国行政調査報告。
本日も無事に終了しました。
写真は本日最後に訪れたグレーター・ロンドン・オーソリティー
(Greater London Authority、略称: GLA) ※大ロンドン庁
の前にて1枚。セキュリティがとても厳しいです。
まず、本日は午前中に英国政府の観光庁(VisitBritain)の
Head of Tourism Affairs,Senior Tourism Affairs Exective
の役職のお二人からインバウンド政策とVisitBritainの
役割と成果等をお話しいただきました。
VisitBritainは世界中に22のオフィスがあり、
4つの区域に分けています。
2015年の英国への訪問客数は3610万人で
前年比5%増、経済効果は220億ポンドであり
英国でどの国がお金を落とすかというランキングでは
1位 米国
2位 フランス
3位 ドイツ
4位 オーストラリア
・・・と続きなんと9位に中国が入り、2014年と比較すると
18%増であり、英国における中国へのプロモートは
重要になっているようでした。
10位はサウジアラビアで、こちらはなんと前年比52%
という驚きの数字でした。
とにかくVisitBritainの役割というのはいかに英国が
訪れるのに『GREAT』 place であるかということを
広報することです。
ということで”GREAT”という言葉を使ってキャンペーンを
はじめました。
Holiday,Business,study・・・にGREATな場所。
そしてvisitBritainでは7つの柱を立てました。
●Culture
●Heritage
●Countryside
●Sport
●Food
●Music
●Shopping
やはり2011年のウィリアム王子の結婚や
2012年のロンドンオリンピック、ラグビーワールドカップ、
今年で言えばシェイクスピア没後400周年等、
それぞれのタイミングを利用しながら
各国のジャーナリストを使いながら国際的なメディア戦略を
しており、11,034もの記事がPRとして流れたということでした。
またSNSは大変重要であり、
特にインスタグラム、フェイスブック、ツイッター等は
それぞれの言語で持ち、発信することが大切とのことでした。
過去4年のVisitBritainの経済効果は25億ポンドであり、
観光客数も連続して増加しており、2016年も記録更新する
であろう、とのこと。
大変興味深かったのはオリンピックの機会をどう
訪日に活かせるかという話で、ロンドン五輪では
1年前に選手に現地視察をしてもらったりすることで、
オリンピック開催年は混雑してわざわざ日本に
旅行に思わないことからは五輪後の2021年、2022年が
観光客アップの好機になるはずだ、という内容でした。
午後はオールドオークアンドパークロイヤル開発公社
(通称:OPDC)です。
ロンドンで唯一鉄道インフラのHigh Speed 2(HS2)と
クロスレールの両線が乗り入れる地域で、最大級の
都市開発プロジェクトを担います。
新しい駅も2026年にはできる予定になっており、
(大きい駅は100年ぶり)、完成後は全国で2番目に
ヒトが利用する駅となる予測でその経済効果は
絶大となります。
こちらのOPDCでは3つの役割があります。
●Planning
●Regereration
●Development
まだ設立から1年半しか経過していないのですが、
OPDCを創ったのはロンドン市長であり、
中央政府からは予算が出ていません。
イギリス最大の再開発でロンドン市長も
力を入れているところで、これからのこの開発公社の
動向や手法を日本に戻っても注視してみたいと
思いました。
最後は今日のブログの最初に掲載した写真の
グレーター・ロンドン・オーソリティーです。
ロンドンの行政体というのは2層になっています。
上層がまさにグレーター・ロンドン・オーソリティー
であり、市長・市長部(職員約800人)と
議会(議員25人)がありまして、
2層目に32の区+the City( of London)があります。
グレーター・ロンドン・オーソリティーは交通、警察
経済開発、消防、救急などの幅広い分野にわたって
権限を有しています。
今後のキーとなるとなるのは人口増加や
Brexit(EU離脱)です。
●2015年:860万人
●2021年:920万人
●2039年:1001万人
またロンドンにおけるテクノロジー市場は
全世界でも多大であることからGLAは2013年12月に
Tech Cityにすべく”SMART LONDON”計画を
策定しています。
クラウドファンディングも盛んとのことですが、
日本ではうまくいかないプロジェクトが多い中で
英国でうまくいくコツを個人的に聞いたところ、
やはり市長のクラウドファンディングに参加することで
地域が良くなり自分たちが恩恵を受けるという
意識が強くあるということでした。
またTech Cityは前首相のキャメロン氏が推していた
ということで、こういった事業は政治的なサポートが
非常に重要であるというお話しも聞いてきました。
Tech Cityについて説明していただいた職員と
全体説明の後にたくさんお話しさせていただきました!
ありがとうございました。
今日も1日有意義に過ごせたことに感謝です。