昨日ブログに書きましたが、
本日はイクメンならぬイクジイについて書きたいと思います。
日曜日はアビスタにてNPO法人ファザーリングジャパン ちば代表
イクジイプロジェクトリーダーの村上誠さんの講演を聴いてまいりました。
私は報道局にいた頃からワークライフバランスなどを
集中的に取材したり、番組で取り上げた経験もありますので
非常に参考になりました。
また私は父の仕事の関係でLAで4年以上生活しておりましたが、
米国では父親が育児に携わるのは当たり前の光景で
学校の送り迎えや買い物を父親がし(いわゆる主夫)、
母親が働いている家庭は普通にありましたので、
父親が家事、育児に参加することに全く抵抗がなく、
むしろ日本は男女の役割分担が
きっちりし過ぎているとさえ思います。
さて、イクメンという言葉は世の中に定着してきましたが、
「イクジイ」はなかなか聞き慣れていないとかと・・・・
もちろん「育児をするおじいさん」ですが、
なぜ今「イクジイ」が必要なのでしょうか?
育児に携わる父親が増えつつはありますが、
現実は景気低迷によって共働き夫婦が増え、
雇用悪化などで長時間労働は解消されず
結局のところ子供と思うように関われない状況です。
日本の父親が6歳未満の子供と過ごす一日の平均時間は
たったの25分です。
(参考:ノルウェーとアメリカは1時間13分
スウェーデンは1時間7分、イギリスは1時間)
なかなかイクメンが実践できない状況です。
やはり子育てのマンパワーが足りていません。
そこで一番力になってくれるのが「祖父母」。
祖父母の力がなぜそこまで重要なのでしょうか?
それにはたくさん理由があります。
祖父母の孫育てにおける最大のメリットは
親だけでは伝えられない大切なことが祖父母から学べる
ということです。
①子供の心が育つ(弱者をいたわる気持ち、死生観、モノの大切さ)
②人間関係の幅が深まる(親以外に守ってくれる→逃げ場所に、地域の付き合い)
③いろいろな経験ができる(自然、昔遊び、文化、伝統、歴史、食の幅が広がる)
こういった祖父母でしか教えられないことがあるのだと実感しました。
ここで村上さんが強調されていたのが
人が老いていく姿を見ることや、
身近な人が亡くなるという経験ができるということでした。
確かに、多世代間で育児をすることで
子供が得るものは大きく、貴重なものだと感じています。
というのも私も祖母と同居しており、
祖母から学んだことは自分の人生において
かけがえのないものでもあり、
私の人格形成にも大きな影響を与えていると思います。
それから祖父母力にプラスしてほしいのが
地域とのつながりです。
現代地域の問題として、
①地域のつながりの希薄化(個人主義、核家族化など・・・)
②地域互助、防犯・防災力の低下(地域コミュニティの衰退、治安悪化など・・・)
③地域の教育力、子育て力の低下
などが挙げられます。
特に千葉県の昼夜人口比率は88.5%と全国ワースト2位です。
昼間に母親や父親が不在であることを考えると
やはり地域・子供の安全を守ってくれるのは祖父母なんです。
地域全体で孫を育てる環境にしていき、
自分の孫だけではなく地域で孫を育て、
多様な関係性によって子供が社会性や道徳心を養うためにも
地域の祖父母力が要になると思った講演会でした。
そもそも教育のイデオロギーとしては
学校・保護者・地域が三位一体となって取り組むことが
非常に重要でありますが、最近は地域が欠落していると感じられます。
これからイクジイが教育の中に関わっていくことの大切さを
改めて感じさせられました。
私も将来、育児をすることになったとき
やはり私の両親にも関わってもらいたいし、
地域とのつながりを大切にする子供に育ってもらいたいと思います。
そして、何よりも「育児は育自」。
育児をすることは自分を成長させること。
育児を通して備わる能力がたくさんあります。
たとえば対人関係力、マネジメント能力、経済感覚・・・
家族、地域、社会で子供を育てていくことで
日本の社会自体が良い方向に進むと感じました。