雅紀さんに気持ちを伝えて、そのままじっと見つめていると、雅紀さんはふっと笑って
「ありがとう。翔の気持ちを聞かせてくれて」
そう言って俺を抱き寄せてくれた。俺も雅紀さんの背中に手を回して
「俺も。気持ちを聞いてくれてありがとう」
「翔。改めてだけど、僕は翔を愛してる。僕と生涯をともに過ごしてください」
「はい。不束者ですがよろしくお願いします」
俺たちは顔を見合わせてふふふと笑い合って。
「そうだ、指輪買わないと」
「ふふ。そうですね」
「どんな指輪がいいかなぁ。そうだ、これから買いに行こうか」
「えっ、これからですか?」
「うん、これから。翔の気が変わるといけないからね」
「やだ雅紀さん。俺の気持ちは変わらないです。それに、俊介さんが何か食べるものを買ってきてくれるんでしょ?」
「…そうだった。じゃあ、ご飯を食べて食べたら出かけることにして…風間がくるまでは…」
ゆっくりと雅紀さんの顔が近づいてきて、俺はそっと目を閉じた。
雅紀さんは角度を変えながら、何度も俺の唇に触れて。俺も雅紀さんの唇を追いかけて。雅紀さんの唇は柔らかくて甘くて。頭がふわふわとしてもっともっとと求めたくなる。
「やばいな。翔の唇、甘くて柔らかすぎる」
「柔らかくて甘いのは雅紀さんのほうだよ」
「くふふ。もっと味わってもいい?」
「もちろんです」
俺たちは俊介さんが戻ってくるまで、何度も何度もキスを繰り返した。
〜おわり〜